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夢のダイエット薬、認可の裏にあるアメリカの肥満事情

肥満大国アメリカでは、肥満症は増加の一途をたどっている糖尿病や心臓病などを引き起こす原因となるため、もっとも深刻な健康問題となっています。そして、このまま肥満人口率の増加が続けば、アメリカの財政を圧迫するとして大きな社会問題にも発展しています。



このような状況の中、アメリカでは肥満症を改善する肥満治療薬の研究・開発がさかんに行われています。ところが、次々に新しい肥満治療薬が開発されても安全面の懸念が大きいためにFDA(米食品医薬局)の認可が下りないという状況がここ10年以上も続いていました。その風向きが今年になって少し変わってきたようです。


FDAの専門諮問委員会が “新ダイエット薬”を承認勧告!


今年ついに市場に登場するのではと注目が集まっている肥満治療の一つは米国カリフォルニア州にあるアリーナ・ファーマシューティカルズ(Arena Pharmaceuticals、以下「アリーナ社」)が開発したロルカセリン(Lorcaserin)。もう一つは同じく米国カリフォルニア州にあるビーバス社(Vivus)のキューネクサ(Qnexa)です。

ニューヨークタイムズによると、米食品医薬局(FDA)の専門諮問委員会は、ビーバス社の肥満治療薬キューネクサの承認勧告を今年の2月、アリーナ社の肥満治療薬ロルカセリンの承認勧告を5月に決定しました。FDAは諮問委員会の勧告に従うのが通例となっているため、今回の決定によって両新薬に対してFDA認可の可能性が濃くなってきたといわれています。

両新薬はともに2010年に安全面の懸念から諮問委員会に認可申請を否決され、FDAも申請を却下していました。それが今回の承認勧告になった理由としては、その後の再申請で提出された両メーカーからの追加データによってその懸念が緩和されたこともありますが、年々増加する肥満の社会問題が深刻化してきたことが大きく影響していると考えられています。


現在FDAで認可されているダイエット薬とは?

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現在のところ、アメリカのFDAが長期間の使用で認可している肥満症治療薬は1999年に認可されたオーリスタット(Orlistat)だけです。オーリスタットは、処方箋薬としては「ゼニカル」(Xenical)、市販薬としては「アライ」(Alli)という商品名で販売されています。これは、腸内の「リパ-ゼ」と呼ばれる脂肪分解酵素の働きに作用して、長時間にわたって脂肪の吸収を抑え、体外に排出することでダイエット効果を発揮します。

食べても脂肪として吸収されずに排出されやすくなるのは嬉しいことですが、体に必要な脂溶性のビタミン類も一緒に失われる可能性があるため、FDAでは、就寝前に総合ビタミン剤を摂るよう勧告しています。また、お腹がゆるくなる副作用もあるそうです。摂取しはじめの2日間は、なんと、オフィスに着替えを用意するように勧めているほど。
このような副作用から、オーリスタットは当初に期待されたほどの人気はありません。


期待の新薬は食欲をコントロール


最近は、食欲や満腹感を脳へ伝える神経伝達物質に作用して食欲を抑制したり、満腹感をコントロールしたりするタイプの肥満治療薬の研究・開発が主流になっています。今回のFDA諮問委員会で承認された期待の新薬、「ロルカセリン」と「キューネクサ」もこのタイプです。

• 「ロルカセリン」

ロルカセリンは視床下部のセロトニン2C(5-HT2C)の受容体を刺激して、食欲や代謝を調整することで肥満を抑える働きがあるのだそうです。

ロルカセリンと同様の働きがあるフェンフルラミンは、かつて「夢のダイエット薬」として人気があったフェン・フェン(Fen-phen)というフェンフルラミンとフェンテルミンを合成した食欲抑制剤に使われ、単剤でもダイエット薬として商品化されていましたが、フェン・フェンに心臓弁傷害の副作用があることが発覚し、1997年に市場から回収されてしまいました。

ロルカセリンも心臓弁傷害のリスクが懸念されていましたが、臨床試験ではロルカセリンを服用して心臓弁傷害のリスクが増加することはありませんでした。しかし、コロラド大学の心臓専門医のウィリアム・ハイアット医師は「潜在的なリスクはまだ残っていると思う」と語っています。

また、ラットを用いた動物実験で腫瘍の発生リスクが指摘されていましたが、今回アリーナ社が提出した新しいデータでは、腫瘍の発生が認められたラットの実験結果はヒトにはあてはまらないとして一部の合意を得ました。

FDAの認可が下りれば、日本のエーザイ株式会社のアメリカ子会社が米国での独占販売を行う予定です。

• 「キューネクサ」

キューネクサは、心臓弁傷害を引き起こしたフェン・フェンの成分で食欲抑制剤のフェンテルミン(phentermine)と満腹感をもたらす作用があるトピラマート(topiramate)を混ぜあわせた代物。トピラマートは日本では抗てんかん剤として承認されている医薬品です。

フェンテルミンは覚せい剤のアンフェタミンと構造的に似ているため、キューネクサは習慣性とともに心機能に対するリスクが懸念されています。また、妊娠中に摂取した場合、トピラマートの副作用で出生異常のリスクが高くなることも指摘されていましたが、これは三つ口など口唇裂と関係することが多く、手術で治療できるとしています。

このような副作用の懸念はありますが、臨床試験結果では、キューネクサは1年間で平均10キロの減量が認められています。これは、最近報告された肥満治療薬の中では最も高い数字なのだそうです。


極度の肥満症のための新薬


今回の承認は、体重の減少が及ぼすメリットが上記のような副作用のリスクを上回ると判断されたと考えられています。

アメリカにおける肥満の割合は、1980年から2010年の間に約2倍以上も増加していて、肥満治療薬のニーズも高まっています。過去に副作用の懸念から却下されたロルカセリンとキューネクサが、今年になって一転して諮問委員会で承認された背景には、アメリカの肥満問題の深刻さがうかがえます。

ロルカセリンとキューネクサは共に、極度の肥満症を対象にした処方薬で、副作用のリスクが解消されたわけではないので、気軽なダイエット気分で飲むものではありません。

注目されるFDAの認可はロルカセリンが6月27日まで、キューネクサについては7月17日までに最終決定が下される予定です。認可されれば13年ぶりに減量の処方箋薬が市場に登場することになります。

<参考資料>(英語)
http://www.nytimes.com/2012/05/11/health/diet-drug-wins-approval-of-fda-advisers.html http://www.foxnews.com/health/2012/02/24/miracle-diet-pill-safe-drug-is-elusive/ http://online.wsj.com/article/SB10001424052970203960804577239642544675320.html


追記:
FDAは6月27日付けでロルカセリンを認可しました。肥満治療薬としては1999年のオーリスタット以来、13年ぶりとなります。ロルカセリンは「Belviq」という処方箋薬名で市場に登場することになります。


Kayo

水野 加代  Writer

ハワイの海に魅せられ、16年間住み慣れた南カリフォルニアからホノルルへ移住。 現在はエステティシャン&ボディマッサージセラピストとして日々女性の美をサポートする傍ら フリーの美容ライターとして女性の美と幸せをサポートする情報を発信しています。

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