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美容液が取り持った再会

それから半年の月日が流れたある日のこと。本業のバイオの事業に専念していた児玉のもとに、ケラー博士からの電話が鳴りました。

「アキラ、久しぶり。今日は僕から相談があるんだ。アキラは化粧品会社と取引はある? 実は、ドラッグデリバリーシステムを使った化粧品を作ってみたら、ワイフやラボの女性スタッフにすごい評判がよくって、それを商品化してみようと思いついたんだ」

その話を聞いて、なぜ化粧品?といぶかしく思った児玉でしたが、「化粧品会社ね、わかった。何件か心当たりがあるけど、まずは詳しい話を聞かせてくれる?」と、次回会う約束をして電話を切りました。

二日後にケラー博士のオフィスで再会した時、ケラー博士はおもむろに茶色の小ビンを児玉に渡し「試してくれ」というのです。
茶色の小びん
子供の頃に飲んだ風邪の薬が入っていそうなその茶色い小ビンには、透明でちょっとトロッとした液が入っていました。それを肌にのせてみると、すぐにポッと暖かく感じたかと思ったら、あっという間に肌に吸収されてしまいました。

ふ〜ん、なかなかいいね、とわかったような顔をして感想を言ってみましたが、それまで化粧品と呼べるものを肌につけたことがなかった児玉には、それがいいのか悪いのか、判断しようもありません。そんな児玉に、ケラー博士は遠浅の海のような青い目で、これを作ったきっかけを話してくれました。

「ひと月ほど前に、ワイフのドレッサーにあるたくさんの化粧品にちょっと興味を持って、彼女にどれが一番お気に入りなのか聞いてみたんだよ。そうしたら、この美容液は新しく発売されたばかりで、先週ニーマンマーカスで美容部員さんにすすめられて買ったのだと見せてくれたんだ。翌日、それをそっと借りて、ラボで成分を分析してみたんだ」

その話をするケラー博士の顔はビジネスマンというよりも、新しい製品の開発にチャレンジする研究者そのものでした。

「実は大学の研究室にいるときも、実験的に化粧品を作ったことがあるから化粧品を作ること自体それほど難しいことではなかったんだけど、僕の専門のドラッグデリバリーシステムを使った化粧品を作るのは初めてだったんだ」にわかに話が面白くなってきて、児玉は話に吸い込まれていきました。

「試作品を作ったその晩、ワイフを驚かせようと思って何も言わずに渡したんだよ。これと同じラボにあった茶色の瓶に入れた状態でね。そうしたら、彼女怪訝そうな顔で、“何これ、もしかして美容液?これ顔につけても本当に大丈夫?”って聞くんだよ。もちろん大丈夫、だから使ってみてってお願いして、頼み込んでやっと使ってもらったんだ。つけ心地がどうの、匂いがどうのと文句を言っていた彼女が、翌朝僕を起こしてなんて言ったと思う?」

話にすっかり入り込んでしまっていた児玉は、その答えを待ちきれない気持ちでした。

「鏡を見ながら笑顔を抑えても抑えきれないといった表情をして、ワイフがね、“これすっごくいいみたい。お肌がツルツルで柔らかくなっている”って言うんだよ。今までこんな早く効果がでた美容液はなかったって。その3日後ぐらいかな、ワイフが嬉しそうに、“お友達に美容外科でプラセンタかヒアルロン酸注射うったでしょって聞かれちゃった”って。そのあとラボの女性スタッフにも使ってもらったけど同じように喜んでくれて、とにかくこんなに効果が早い化粧品はないって」

そこまで聞いた児玉は、ケラー博士の話を遮るようにして言っていました。

「その美容液を僕に任せてくれないかな?必ずたくさん売ってみせるから。僕を信じて欲しい」

実は、この時点で、児玉に化粧品会社の知り合いは一件もなかったのです。

(続く)

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