レチノールの効果と副作用・エイジングだけじゃない驚きの美容効果とは?【基礎編】

2021年10月22日更新

 

「レチノール」といえば、エイジングケアには欠かせない成分として、ここ数年で知名度が急上昇。各ブランドがこぞって発売するレチノール配合の「しわ用美容クリーム」をお使いの方も多いかもしれません。しかし、レチノールの圧倒的な美容効果はシンプルな「エイジングケア」に留まりません。こちらの記事では、「レチノールってそもそも何?」という基本的なところから、知られざるエイジング以外のマルチ効果、そして心配される方も多い副反応(レチノイド反応)などについて、くわしく解説していきます。

1. 「レチノール」って何?

レチノールの効果と副作用・エイジングだけじゃない驚きの美容効果とは?【基礎編】

注目が高まる「レチノール」、その正体は「ビタミンA」の一種です。肌を細胞レベルで活性化し、より健康的で美しい肌へと導きます。化粧品はもちろん、深刻な悩みをケアする皮膚科など、美容医療の現場でも絶対に欠かせない成分です。

2. エイジングケアだけじゃない、マルチ効果

肝心な美容効果は、「しわ」を代表とするエイジングケアとしてご存知の方も多いですが、実は全ての肌悩みに対して無敵なレチノール。特にニキビケアにも必須であることは、皮膚科医の佐藤先生のコラムでもご紹介しています。その他にも秘めた美容効果を持つレチノールの実力を、具体的にご紹介していきます。

美容皮膚科医が伝授、今よりもっと美を高めるための正しい知識【5】「ニキビにもレチノールが必須」 〜自宅でできるニキビ予防とニキビ跡の改善〜

①コラーゲン、ヒアルロン酸などの成分の生成(しわ、たるみの改善)

若いときの肌に弾力があるのは、肌自体がハリを保つ成分を生成する力を持っているから。年齢を重ねることにより、この力が衰えていきます。これが肌にしわやたるみができる原因の一つとなります。レチノールは、コラーゲンやエラスチン、ヒアルロン酸などを産生する線維芽細胞を活性化します。この働きにより肌の弾力がアップし、土台からふっくらと表皮を押し上げてくれるのです。そのため、しわやたるみの改善だけでなく、クレーターのようなニキビ跡の肌にもハリとツヤが生まれ、陶器のような肌へと導いてくれます。

②角質の代謝とターンオーバーの促進(くすみ、シミ、しわの改善)

通常、健康的な肌では28日周期で行われる肌のターンオーバー。古い角質から新しい角質へと生まれ変わっていくこの機能が、加齢や生活習慣の変化などで乱れることがあります。すると、古い角質が留まった状態になり、くすみやシミ、しわが現れやすくなります。また古い角質と同時に余分な皮脂も毛穴に詰まることでニキビの原因にも。レチノールはターンオーバーを活性化し、厚くなった角質を除去することで代謝をアップさせ、その下にある表皮をふっくらと健康的な状態に整えることができるのです。

③水分保持力を高める(しわ、たるみの改善)

肌のターンオーバーが正常になることで、もう一つ期待されるのが、うるおい成分の生成です。レチノールには肌の保水力を高める効果があるため、新しい角質に生まれ変わったときに生成されるうるおい成分を、肌の内側に保持して、みずみずしくハリのある肌へと改善してくれます。さらには、皮脂分泌を抑制する効果も持つので、肌の水分と皮脂バランスが整い、毛穴の詰まりやニキビを予防することもできます。

④光老化など、紫外線ダメージから保護(シミ、しわ、たるみ)

ビタミンAはもともと肌に貯蔵されている成分であり、紫外線を浴びると光線エネルギーを受け止め、細胞が損傷するのを防ぐ働きがあります。しかし同時に、強い紫外線を長時間浴びることで、肌内部のビタミンAは破壊され減少してしまう性質もあるため、肌の外側から毎日補給してあげることが大切。シミ、しわ、たるみなどあらゆるエイジングサインの原因となる光老化にとっても、ビタミンAは必須成分なのです。

3. こんな方におすすめ!

エイジングケアと思われがちなレチノールですが、先述したマルチな美容効果から20代後半以降は全ての肌悩みに必要不可欠な成分です。特に肌内部のコラーゲン産生は20代から減少し始めるため、年齢を重ねてもシワの少ないハリ肌を保っていくためには、20代からぜひお使いください。また美容医療の現場では、思春期ニキビから大人ニキビ、凹凸ニキビ跡や色素沈着ニキビ跡など、あらゆるニキビ悩みに効果的な成分として重宝されていることからも、レチノールの守備範囲が「年齢肌」だけではないことが分かります。ビタミンC製品とともに、「一人一本」が美肌の鉄則といえるでしょう。

4. 気をつけたいのは副作用「レチノイド反応」

レチノールの効果と副作用・エイジングだけじゃない驚きの美容効果とは?【基礎編】

レチノールは、ターンオーバーを活性化する力が絶大です。皮膚表面の古い角質を徐々に剥がしていき、新しい角質に変化させます。皮膚科や美容クリニックでレチノールの一種(トレチノイン)を使用して行われるしわやニキビ跡の治療は、この「皮が剥がれる」状態を繰り返すことによって、新しい角質への生まれ変わりを促します。そのため、下記のような症状を伴うことがあります。

【レチノイド反応の例】
●赤み
●ひりつき
●皮むけ
●乾燥

 

これらは「レチノイド反応(通称:A反応)」と呼ばれています。レチノールはさまざまな種類があり、その種類や濃度によって肌への負担が異なるため、初めから高濃度のレチノールを使用すると、敏感肌ではない人にもこのような症状が出る可能性があります。

もし、レチノイド反応が見られたとしても、自分自身で大きな問題を感じない場合は1~2週間ほど経過観察してもいいでしょう。2週間程度で症状が和やらいだ場合は、使い続けても問題ないケースが多いといわれています。ただし、肌質や感じ方にも個人差がありますので、様子を見ながら、ご自分に合った使用量、頻度を見つけるようにしましょう。

5. 効果的な使い方

レチノールの効果と副作用・エイジングだけじゃない驚きの美容効果とは?【基礎編】

レチノールをどのように使うのがより効果的なのか、大きく分けて2つのポイントがあります。

① 副反応に注意した使い方

レチノールは長期間にわたってスキンケアに取り入れることが大切で、使い続けることでその効果を実感することができます。そのため、可能な限りレチノイド反応に注意し、肌への負担を最小限にすることが重要です。自分の肌に合ったレチノールの種類や濃度を見つけることが、継続のポイントになるでしょう。レチノールの濃度は、段階的に慣らし使いをしながら、最適な濃度レベルを使うことで肌に無理なく効果的に続けることできます。

② 効果を最大限にする使い方

レチノール単体でも高い効果を発揮しますが、他の美容成分との組み合わせで、その効果を最大まで引き出すことが可能になります。特におすすめなのが、肌の総合力を高めるビタミンCや強力な漂白効果のあるハイドロキノンです。自分の肌悩みに合わせてこれらを組み合わせることで、相乗効果が期待できます。

いかがでしたか?今回の【基礎編】ではレチノールの効果や副反応について解説しました。次回の【上級編】ではもっと踏み込み、レチノールの特性や種類、レチノール製品の選び方など詳しくご紹介していきます。どうぞ、お楽しみに!

 

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