ヘルスコンシャス!あなたは LA(ロサンゼルス)派? OC(オレンジカウンティー)派?
スーパーフードやヴィーガン、グルテンフリー。これらの言葉を「聞いたこともない」という人は、今では少ないのではないでしょうか? ヘルスコンシャスの高い人は、世界中で増え続けています。アメリカももちろん例外ではなく、ヘルストレンドは次から次へと目まぐるしい勢いで駆け巡っています。アメリカでは、ニューヨークを抑え、今世界中から最もヘルスコンシャスな人の多い場所として注目を集めているのが、LA(ロサンゼルス)を中心としたカリフォルニアです。
カリフォルニアといえば、海あり山ありで自然が豊富なだけでなく、夏は涼しく冬は温暖で過ごしやすいという気候から、もともとアメリカ内でも憧れの地の一つとして掲げられていました。さらに自然に近いスローなライフスタイルやローカルの新鮮な食材を求める昨今のヘルストレンドにより、ますますカリフォルニアでの暮らしがアピールされ、ブランド化しているようです。
カリフォルニア、それもLAに人気が集中するなかで、一言にLAエリアといっても、この中に「カウンティー」と呼ばれる行政区分が5つ存在しています。そのうち、西海岸を代表する二大カウンティーがハリウッドのあるロサンゼルスカウンティー(LA)とディズニーランドがあるオレンジカウンティー(OC)です。 LAとOCは隣同士に位置しており、それぞれの主要都市への移動時間も車で大体1時間前後。そのような近距離にも関わらず、それぞれ嗜好やライフスタイルに、実は相違が見られるのです。今回は、LAとOCの持ち味を比較しながら、それぞれのヘルスコンシャスの傾向についてお知らせします。
食素材へのこだわりは天下一!トレンドに敏感なLA
今や、日本はもちろん、世界中のライフスタイルのトレンドは、ここからやってくるといっても過言ではないトレンド発信源のLA。「アメリカでヘルシーなものが食べたいのならLAへ行け!」といわれるくらい、LAは全米一食素材へのこだわりが強いことでも知られています。それを裏付けるかのように、オーガニック系スーパーマーケットも星の数ほどあります。その中でも今一番新しく、最もLAのヘルスコンシャスぶりが伺えるのが、高級ナチュラルスーパーの「EREWHON(エラワン)」です。
こちらのスーパーマーケットは、日本の人気モデル、ローラさんが「ホールフーズ(Whole Foods)より大好きなスーパー、エラワン(EREWHON)」とインスタグラムに投稿したことから、すでにご存知の方もいらっしゃるかもしれません。エラワンは、全ての商品がオーガニックであることはもちろん、鮮度・品質にこだわっているにも関わらず、品揃えは充実。丸ごとのアロエなどユニークでレアな商品も陳列され、高い人気を博しています。今現在はLA内に4店舗ですが、今後の店舗数拡大が注目されています。
気になる価格設定は、こだわりの品質が値段に反映され、大手オーガニック系スーパー「ホールフーズマーケット(Whole Foods Market)」の大体1.5倍ほど。 ローラさんが愛飲しているというエラワンのコールドプレスジュースの価格帯が8〜14ドルということからも、その高級感は一目瞭然です!
高額な価格設定にも関わらず、エラワンへの客足が途絶えないことからも、健康と美容のためなら、お金に糸目をつけないLAっ子たちのヘルスコンシャスへの意気込みが感じられます。LAにおけるエラワンの人気振りと短期間で加速する店舗展開から、フードトレンドに敏感で、食素材に強いこだわりを示すLAっ子の姿が見えてきます。すでに、エラワンは、LAでヘルスコンシャスなライフスタイルのアイコンになりつつあるのです。
自然豊かなスローライフでリラックスのOC
一方、OCといえば、ディズニーランドやナッツベリーファームといったエンターテイメントの充実ももちろん、何といっても、 カリフォルニアが誇る有数の美しいビーチがあることが最大の魅力。湾曲した海岸線がつくるビーチタウンは 、富裕層やスローライフを求める人々に好まれ、毎年全米で「住みたい都市」トップ10入り、全米一「安全な都市」として広く知られるようになりました。ビーグレン本社のあるハンティントンビーチもこのOCにあります。サーフシティーとして知られるハンティントンビーチは、ローカルのサーファーだけではなく、世界中からサーファーが足を運んでくることでも有名なのですよ。
このように、自然が豊富なOCは、LAのフードトレンドからは、やや遅れを取っているようです。最新のカフェやスーパーもLAの主要エリアでの展開を経て、やっとOCでの新規店舗がオープンするほど。しかし、豊かな自然への恩恵を享受すべく、「グリーン・エクササイズ」という概念は浸透しているように思えます。これは、「自然の空気を吸いながら屋外で5分間程度運動する」こと。自然の中で無理なく体を動かして、心身のリフレッシュをすることが、ストレス軽減につながるという考え方は、OCでは広く受け入れられて、朝晩だけでなく、職場の昼休みなど日中にも多くの人が散歩をしている姿を見かけます。気軽に食べることができるフードで昼食を取った後は、散歩というスタイルは、OCでは日常的に見かける光景なのです。前述したハンティントンビーチを始め、ニューポートビーチ、コスタメサなどでOC内のみで店舗を構えるハンバーガーショップ「ティーケイバーガーズ(TK Bugers)」や、同じくOCから展開したワッフル店「ブルックシー(Bruxie)」がOCで爆発的な人気店であるのも、フードトレンドにものんびりと構えて、大らかに食を楽しむOCっ子の姿が垣間見えます。
『Mariko’s Deli』の人気フードから見えるLAとOCの“好み”の違い
LAとOCそれぞれのヘルスコンシャスの傾向が異なりますが、実際のフードではそれぞれどのようなものを好むのでしょうか?OCでオーガニックデリを経営し、週末はLAのファーマーズマーケットに出店されていた(現在LAでの販売は休止中)『Mariko’s Deli』さんに伺ってみました。
LAで売れる人気フードとは?
LAでのファーマーズマーケットに出店されていたとのことですが、どのようなフードが人気でしたか?
「ヴィーガンやグルテンフリー、シュガーフリーが普通に浸透しているLAでは、オーガニックであることは大前提。うちのメニューは全てオーガニックですが、その上で、まずは必ず、材料・素材を質問されました。試食であっても、質問をして納得がいかない限り、手に取らないという方がほとんどです。そんなLAでよく出ていたのがヴィーガンの野菜スープ、生産地にもこだわったオーガニック玄米がたっぷり入ったライスサラダ、そして手作りの醤油麹で甘みを出したハウスドレッシングでしたね」
とにかく食材についてのこだわりの強いLAっ子らしく、口に入れるものはとことんナチュラルであるべきという思いが感じられます。
OCで売れる人気フードとは?
OCにあるデリではどのようなフードが人気だったのでしょうか?
「OCのデリは、空港やオフィス街から近いことから、ランチで利用していただくお客さんが多いのですが、それもあってか、サラダやスープと組み合わせたサンドウィッチやお寿司スタイルのチキンロールとのコンボセットが人気です。ただし組み合わせのスープは、野菜の味をしっかり感じながらも、やはりコクのあるポタージュがヴィーガンスープよりも断然人気ですね」
OCでは、オーガニックへのこだわりはあるものの、 自分が美味しいと思えるもの、単純に楽しめるものを食べたいというシンプルな嗜好が伺えます。
ドラスティックなLA、コンサバティブなOC
それぞれのこだわりでヘルスコンシャスライフを楽しんでいるLAとOC。もちろん、今回のリポートはほんの一例に過ぎません。それでも、「ドラスティックなLA、コンサバティブなOC」という図式は、LAを舞台とした人気ドラマ『ニューガール(New Girl)』や未だに固定ファンの多いドラマシリーズ『エルの世界(the L word)』など、テレビドラマや映画、小説など多くのメディアで度々登場します。それだけ、この図式が、LAまたはOCに住むローカルの人たちが認めるところといえるでしょう。
また、LAとOCは常に多国籍な人種が流動しているエリアでもあります。雑多なカルチャーが混在し、ヘルシーフードのみならず、さまざまな種類のフードが幅広く受け入れられているLAとOC。同様に、ヘルスコンシャスに関わるスタイルも多岐にわたっています。このように豊富な選択肢の中から、いかにヘルシーで心地いいスタイルをつくるか、LAっ子もOCっ子もそれぞれの持ち味を活かしながら、「自分らしさ」を追求している様子が伺えます。皆様もLAとOCのヘルスコンシャスライフの一端を感じていただけたのではないでしょうか?さて、あなたはLA派、それともOC派、どちらのヘルスコンシャスライフがお好みですか?
取材協力
Mariko’s Deli
https://www.marikosfoodlab.com/
TK BURGERS:
http://tkburgers.com/
Bruxie:
https://bruxie.com/