大切なニオイケア!美しく香るオンナになる方法
容赦なく照りつける太陽、体中にベタベタとまとわりつく汗……。いつでもキレイでいたい女性にとって、大敵が多いのも夏。特に湿気の多い日本では、汗のニオイは気になるもの。でも、イヤなニオイを出してしまっているのは男性だけではないのです。最近悩む女性も増えている体臭ですが、アメリカではデオドラント商品の種類が日本とは比べものにならないほど多く、男女問わないエチケットとされています。むしろ人気の美容サイトやファッション誌などでもニオイに関する記事が掲載されるなど、女性が身にまとう香りも、美しさの要素の一つとして大切にされています。今回は、夏を悩ます“ニオイ”について、タイプ別の原因や改善方法をご紹介していきます!
ニオイのタイプ別、原因はコレ!
体から出るニオイと聞くと、汗のニオイを連想される方が多いですよね。しかし本来、汗はほとんど無色無臭。汗が衣服に付着し、細菌によって分解されたときに生じる分解臭や、汗に含まれる成分が変化することによる酸化臭が汗のニオイの原因とされています。特に気になる人が多いワキのニオイは、エクリン腺やアポクリン腺から分泌される汗に皮脂や汚れが混ざり、肌に常在している菌により分解されて発生します。汗が原因による体臭は「汗臭」と呼ばれていますが、重要なことはニオイの原因が汗臭だけではないこと。汗をかかなくても、臭うときは臭うのです!ここでは汗臭以外の6つの体臭とそれぞれの原因をご紹介していきます。
①女性だってあります「加齢臭」
帰宅ラッシュの満員電車に漂うイヤなニオイ。ついつい隣に立つ中高年の男性に罪をなすりつけがちですが、実は男性だけではないのです。女性でも加齢臭を発してしまうことも十分に考えられます。そもそも加齢臭は中高年特有の脂臭いニオイとされ、その原因がノネナールという成分にあることが発見されたことから、その体臭を「加齢臭」と呼称するようになりました。
ノネナールは、皮脂に含まれる脂肪酸が分解されたり、過酸化脂質によって酸化したりすることで発生します。しかし10~20代の頃の皮脂には、この脂肪酸がほとんどなく、過酸化脂質の量も少ないため、40歳を過ぎた頃からの特有の体臭と位置付けられているわけです。つまり「加齢による皮脂の酸化」が加齢臭の主な原因ということ。原理的には男女間での差はほとんどないといわれています。ただ実際は、男性は比較的皮脂量が多いため、ニオイが鼻につきやすいとも考えられています。しかし女性の場合であっても、若い頃は女性ホルモン(エストロゲン)の働きで抑制していた皮脂分泌が、女性ホルモンの減少と男性ホルモンの活発化によって急激に増加、皮脂量が増えることで加齢臭を発しやすい状態に陥ってしまいます。その時期が更年期の45歳位からといわれ、男性の加齢臭の時期とも重なってくるのです。
また10~20代の頃は、豊富なエストロゲンなどによる抗酸化作用によって細胞の酸化が抑制されていますが、中高年といわれる年代を過ぎると抗酸化物質の働きが弱まり、細胞が活性酸素によって酸化しやすくなるため、さらに加齢臭を強める原因となってしまうのです。
②女性の活躍の裏に潜む「オス化臭」
上記の女性ホルモンの減少と大きく関わってきますが、仕事やプライベートなどでの不規則な生活やストレスが原因でホルモンバランスが崩れることによって生じる「オス化臭」も、体臭の一つとされています。不規則な生活やストレス状態が慢性的に継続すると、女性ホルモンが減少するのと相対的に、男性ホルモンが増加します。男性ホルモンが増えると、皮脂の分泌量が格段にアップするため、ベタベタと皮脂が詰まりやすくなります。そこに細菌が発生することによって、ニオイの原因となってしまうのです。それだけではなく、ニキビなどの肌荒れに誘発したり、顎ヒゲがうっすら見受けられたりという事態も起こります。男性のようなニオイがするばかりか、肌が荒れてヒゲが生えるなど踏んだり蹴ったりの悪循環が連鎖しますので、まさにストレスは美容の大敵ですね。
③オス化臭とのダブルパンチ「ストレス汗臭」
不規則な生活やストレスはホルモンに影響を与えますが、汗の種類も大きく変化させます。通常とは異なり、ニオイのある汗がより多く出されることによって発生するのが「ストレス汗臭」。不摂生かつ不規則な生活、そして緊張や興奮、強いストレスを感じていると自律神経のバランスが乱れます。それにより、体をリラックスさせる副交感神経よりも、体や脳を活発に動かす交感神経が優位になる状態が続いてしまいます。ニオイの強い汗を出すアポクリン腺は交感神経によって刺激されてしまうので、いつもの汗よりも汗自体が強いニオイを持ってしまうのです。
④肉食なのは恋だけ十分?な「肉食臭」
お肉が大好きな、肉食女子のみなさんは要注意です。普段から動物性の脂質を多く摂取していると、皮脂量の分泌が活発になり、皮脂の酸化につながります。結果、体臭を強める可能性があるそうです。他にも、汗がアンモニア臭を発生させてしまったり、便秘がちになることで、胃腸環境が悪化して口臭につながったり。野菜中心の生活を送っている友人が久しぶりにお肉を口にすると、翌日食べたお肉のニオイが肌からするといつも言っています。「今日は豚のニオイだわ」などの唐突なコメントを軽く笑って流していましたが、あながち間違っていないのかもしれませんね。
⑤疲れたっていいことナシ「疲労臭」
体の疲れがたまると、肝臓でも処理し切れない程のアンモニアや乳酸が体内に蓄積されます。そのアンモニアが血液を循環し、汗として体の外に排出されることで、ツンとしたアンモニア臭がすることがあります。それが「疲労臭」です。スポーツをした後に、少し酸っぱいような汗のニオイがあるのはそのため。運動で流す汗であれば健全ですが、疲れが溜まっていると、皮脂量も過剰になり、ベタベタした汗に変化して、ニオイもさらに増す可能があります。
⑥加齢臭より酷いかも「ミドル脂臭」
最近になって聞かれることも多くなってきたのが「ミドル脂臭」と呼ばれるもの。こちらは汗臭や加齢臭とも違う体臭の一つであり、そのニオイは加齢臭よりも酷いといわれています。一般的に“古くなった廃油のニオイ”と表現されることが多く、そのニオイの原因はジアセチルという成分。ノネナールがニオイの原因成分である加齢臭とは、その種類自体が違うことが分かります。さらに、40代を過ぎた頃から増加し体全体から発生する加齢臭に対して、ミドル脂臭は30代前半から40代までがピークとされ、後頭部やうなじに発生しやすいようです。多くの男性の間では、ミドル脂臭を加齢臭と勘違いするケースも多いようですが、頭部を中心に油っぽいニオイがすれば、ミドル脂臭かもしれません。特に、まだ中高年と呼ばれる年齢ではないのに最近体臭が気になる方は、ミドル脂臭の可能性が高いようです。
実際にミドル脂臭を発生させる主な原因は、ズバリ、乳酸と皮脂です。人間の肌に常に生息する常在菌と皮脂線から分泌された皮脂が混ざり合うことで、皮脂の分解が起こり、脂肪酸に変化します。この段階では頭皮のニオイでしかなく、それほど不快なニオイではありません。しかし、皮脂腺から分泌される皮脂ではなく、エクリン汗腺から分泌される汗の中には、乳酸が含まれています。乳酸が皮膚の常在菌と混ざり合い、分解を起こすこと強いニオイの原因であるジアセチルという成分が発生してしまうのです。このジアセチルと頭皮の臭いが混ざることで、とても強く不快なミドル脂臭となるのです。
ジアセチルを発生の主な原因である乳酸は、過剰なストレス、不規則な生活、運動不足、体の冷えにより蓄積しやすくなります。それらに皮脂が混ざることによってミドル脂臭となるわけですから、皮脂が溜まりやすい食生活や運動不足もニオイを助長させる要素になってきますね。
改善策のポイントは抗酸化力と食生活
汗臭の他に6つのタイプのニオイとその原因についてご紹介しましたが、具体的な解決策としてどのような点に気を付けるといいのでしょうか?汗臭は、汗をかいたらこまめにタオルで拭くこと、そして衣類を清潔に保つことで大部分がカバーされます。その他6つのタイプのニオイの改善ポイントを見ていきましょう!
◆抗酸化力を高める
皮脂や細胞の酸化が原因の一つになる加齢臭や、乳酸の酸化が発生の引き金となるミドル脂臭などにも影響してきますが、酸化が進むとニオイが発生しやすくなります。加齢とともに体が持つ抗酸化作用は弱くなってきますが、乳酸の発生を抑えるためには抗酸化力を高める必要があります。美容面では抗酸化力の向上は、アンチエイジングの基本ですが、ニオイケアにも必要不可欠です。意識しておいて損はありませんね。具体的には、普段から摂取する食べ物で抗酸化力を維持するのがおすすめです。
野菜や果物に多く含まれるビタミンC、緑黄色野菜に多く含まれるビタミンA、ナッツ類や緑茶に多く含まれるビタミンEなど、ビタミン類は抗酸化作用を高める大きな味方です。また、ホウレンソウのルティン、ブルーベリーのアントシアニン、緑茶のカテキンなど、赤ワインを含むポリフェノール類の抗酸化作用も取り入れたいところですね。
抗酸化力を高める食材
パクチー、パセリ、ニンジン、トマト、バナナ、ゴボウ、タマネギ、ホウレンソウなど
◆女性ホルモンのアップ
ホルモンバランスが崩れるとオス化臭やストレス汗臭などにも影響を与えますし、女性ホルモン(エストロゲン)が減少することは、体内の抗酸化作用が弱まることでもあります。さらには皮脂量も増えるため、ベタ付いたニオイの強い汗もかきやすくなってしまいます。女性としてさわやかに艶やかであることは、自然ないい香りをまとう基本なのですね。女性ホルモンのアップやバランスの維持のためにも、大豆製品などに含まれるイソフラボンを積極的に摂取したいところです。
◆その他の食生活の改善
抗酸化力や女性ホルモン以外にも、食生活の改善によりニオイケアをサポートすることができます。まずは、お肉類を適度に避けること。動物性脂肪の摂り過ぎは皮脂の分泌が増加するため、ニオイの元になる可能性があります。また油を多く使った食材も体内酸化を促進しますので、過剰摂取は避けるのが望ましいですね。腸内デトックスを促してくれる食物繊維類もニオイケアには重要。ニオイの元なる原因物質を体内に排出し、蓄積しないことがポイントです。
食物繊維が多い食材
めかぶ、キウイ、ブロッコリー、切り干し大根、ひじきなど
疲労を解消してくれる酸っぱい食品もおすすめです。クエン酸が多く含まれる酢や梅干しなどの食品は、乳酸の増加を抑制し、疲労臭の元となるアンモニアが汗に出にくくなります。また体をアルカリ性に保つ働きがあり、疲労を溜め込まない体質改善にも向いているといえます。リンゴ酢や黒酢など、日常生活でも酸っぱい食べ物を上手に取り入れて疲労回復を行いましょう。
◆臭くない汗にする汗腺トレーニング
汗腺は汗を出すための大切な器官ですが、年齢とともにその機能も低下していきます。機能が低下すると汗の濃度が濃くなり、アンモニアなど尿素を多く含んでしまうため、ニオイの元になる可能性があります。半身浴や有酸素運動などで発汗作用を高めることによって汗腺を鍛え、質のいい汗を流しましょう。前述した通り、もともと汗はほとんど無色無臭。皮膚や衣服に触れ、細菌が繁殖することでニオイが発生するものです。汗をかいたら、肌も服も清潔に保つことは徹底したいですね。
◆頭皮のニオイは生乾きが厳禁
ミドル脂臭の特徴でもある頭皮のニオイ、特に夏場は意識したいところです。一日1回のシャンプーの後は、必ずしっかりと髪を乾かしましょう。ニオイは皮脂を餌とする雑菌の繁殖で悪化しますので、菌の増加を助長する生乾きの状態はできるだけ避けるようにしましょう。頭皮のベタ付きやニオイが気になる場合は、緑茶やウーロン茶で濡らしたコットンで少しだけ拭いてあげると解消するそうです。
体からのニオイは皮脂の過剰分泌、余分な皮脂の停滞、体内酸化の3つが絡み合うことで悪化していきます。この3つを予防する生活習慣・食生活が、ニオイケアの基本ルールと覚えておきたいですね。
自然派製品が増加するアメリカのニオイケア事情
アメリカのドラッグストアやスーパーでも種類豊富に展開されるデオドラント製品。日本ではスプレータイプが多いイメージですが、アメリカではスティックタイプを使用している女性が多いようです。昔から知名度のあるニオイケアの商品も人気ですが、最近よく見かけるのは、ナチュラルな材料を使った製品。そんなところまでヘルシーライフの余波が来ているのかという印象ですが、一部ご紹介していきましょう!
ヴィーガンコスメとして話題の「タルト(Tarte)」から発売されているヴィーガンデオドラント。塗った直後のクリームの使用感から、パウダーのようなテクスチャーに変化し、肌をドライに保ってくれると人気を集めています。また一見するとデオドラント製品に見えないところも女性たちの心を掴んでいる理由です。
こちらもヴィーガンのデオドラント製品が有名な「ジェイソン(JASON)」。スティックタイプももちろん発売されていますが、このドライスプレータイプも好評を博しています。スプレーにありがちな、湿った使用感がなく、拭きかけた後もサラッとした肌の状態を保ってくれます。ローズの香りも香水のようでうれしいオプションです。
目に見えないケアにこそ女子力が表れる
個人的な統計では、本当にキレイな女性はいい香りがします。それは決してふりまかれた香水の香りとは限らず、どこか、何か、いい香りがするのです。この漠然とした曖昧で不明瞭な「どこか、何か」が女性ホルモンの正体なのではないかと、証拠もなく個人的な見解ながらも確信的に感じています。女性ホルモンがバランス良く分泌されているということは、ストレスも少なく、肌もキレイで、もちろんイヤなニオイもしません。そのキラキラとした生活の中で、清潔に洗われた衣類の香りなのかもしれないし、部屋に飾られたお花の香りなのかもしれない、こだわって配合したアロマかもしれない、女性として行き届いたケアがいい香りとして自然に溢れている、そんな気がしています。仕事があり、家庭があり、いろんな事情がありますが、どの年代になってもそんな風に自然に“香れる”女性になれたらいいなと、いつもどこかで願わずにはいられません。
出典
https://www.allure.com/story/bad-body-odor-causes-health
https://www.allure.com/gallery/best-natural-deodorants