中東フードが旬!海外セレブも愛する「タヒニ」の魅力
世界で食されているヘルシーフードが、実は日本でも親しみのある食べ物であるケースをよく耳にします。今回ご紹介する「タヒニ」も実は、日本人の女性にとっても馴染み深い食材です。タヒニの正体、実はゴマのペーストなのです。しかし日本で知られる“練りゴマ”とは作り方も栄養価も少し違うのが特徴。ハリウッドセレブをも魅了するタヒニの健康効果、そして海外セレブ直伝のタヒニレシピをご紹介していきましょう!
「タヒニ」は、魅惑のローフード
ここ数年、日本でもハマる人が増えてきたといわれるタヒニ。以前サイト内でご紹介したフムスの材料である“練りゴマ”として使われることが多いですが、中東諸国以外にも北アフリカやギリシャなどの地中海地域でも古くから愛されてきました。ゴマをペースト状にするだけというシンプルな食べ物ながら、日本の練りゴマと大きく違うのは、材料となるゴマの使い方。タヒニの場合は生のゴマ、日本の練りゴマは炒ったゴマを使用するのです。そのため、練りゴマの方は香ばしさが強く、色も濃いです。しかし、生のゴマを使用するタヒニはローフード(加熱処理をしない生の食材)として、豊富な栄養価や生きた酵素がそのまま残されることで、より健康効果が高いとされています。トロッとした質感で、一口食べるとピーナッツバターのようにも一瞬感じますが、最後はゴマの風味がしっかりと鼻に抜けます。タヒニの中にも、ゴマの外皮を取ったものと、取らないものの2種類存在しており、後者の方がよりなめらかな舌触り。実際は、その外皮にも多くの栄養が含まれていますので、健康効果を丸ごと摂取したい方は、少し苦味を感じるかもしれませんが、外皮を取り除いていないタヒニがおすすめです。
また通常のゴマとして食べる場合でも、堅い外皮に覆われたままでは、栄養成分を効率的に摂取することが難しいとされています。そのためタヒニや練りゴマなどのように、ペースト状にすりつぶされていた方がより多くの栄養を体内で吸収できるというわけです。一般的に、ゴマの一日の摂取目安量は10~20g(約大さじ1杯)、練りゴマの場合はその半量で同等の栄養価が摂取できるとのこと。ローフードでそのまま食べることが可能なタヒニは、さらに多くの栄養価が含まれていることになります。
豊富な栄養と優れた健康効果
タヒニは少量でも豊富な栄養素が摂取できるとして、アメリカの女性からも人気を集めています。特に注目されている栄養素として、オメガ3脂肪酸の含有率が非常に高いことが挙げられます。もともとゴマ自体の脂質が高いですが、その90%が良質な脂肪酸(多価不飽和脂肪酸)であり、さらに85kcalある大さじ1杯のタヒニのうち、65%のカロリーは必須脂肪酸に当たります。近年のアメリカの女性は、「低糖質、高脂質」のダイエットがトレンドの傾向にあり、そういった時代の流れもタヒニが今愛されている理由といえるでしょう。
その他の特筆すべき栄養価には、ビタミンEとビタミンB群(B1、B2、B3、B5、B15)、そしてミネラル(リン、マグネシウム、カルシウム、カリウム、鉄、亜鉛、セレン)の豊富さ、さらにタンパク質の含有量もほとんどナッツ類より多いとされています。これらの栄養素を持つタヒニには、具体的にどのような健康・美容効果があるのか、以下で詳しく見ていきましょう。
アンチエイジング・美肌効果
ゴマと聞くと、ゴマリグナンやセサミン・セサミノール・セサモリンと呼ばれる抗酸化成分を頭に浮かべる女性も多いかもしれませんね。体内で発生する活性酸素による酸化、そして老化を防いでくれるのが、これらの抗酸化物質です。ゴマリグナンという成分の中に含まれるのが、セサミンやセミノ―ルになるわけですが、ゴマリグナンは特に脂質の酸化を防ぐ働きに長けています。そのため、ゴマ油は他の油よりも酸化しにくいのです。またゴマリグナンは植物性エストロゲンの一種のため、女性の体内にあるエストロゲンと類似した効果があり、ホルモンバランスを整えてくれます。更年期障害やPMS(生理前症候群)の緩和に有効です。
またゴマに含まれるビタミンEも抗酸化ビタミンと呼ばれ、セサミンと一緒に摂取すると、血液中の量が2倍になることがリサーチによって立証されています。さらにセサミンの働きによって、ビタミンEの分解速度がゆっくりになるため、抗酸化作用が効率良く全身に行き渡ります。これにより血行促進、冷え性・肩コリの改善、そして美肌づくりと、女性にとって重要な問題にピンポイントに働きかけてくれるのです。セサミンはビタミンEと組み合わさることでアンチエイジング効果がアップする特徴を持ち、タヒニなどのゴマ製品は、それが実現する理想的な食品というわけです。
心臓の健康を保つ
先述したオメガ3やゴマに含まれるフィトステロールという成分は、コレステロール値を下げる効果があり、タネ類・ナッツ類では群を抜いたパワーを発揮してくれるそう。またゴマが持つセサミンやセサモリンにも抗血栓作用があるため、心疾患を防ぐ他、心筋梗塞や脳卒中など動脈硬化を原因とする病気予防の効果も期待できます。
免疫力のアップ
鉄、銅、亜鉛、セレンもタヒニに含まれる重要なミネラルです。体の中に侵入してきたウィルスや細菌などから、常に体を守り続ける免疫細胞の一つが白血球であり、ミネラル群の摂取と大きく関係しています。鉄と銅は白血球の生産を助け、亜鉛がその活動を活性化、さらにセレンは酵素の働きをサポートしながら抗酸化物質を生成します。タヒニに含まれる豊富なミネラル群が複合的に作用することで、免疫力アップが期待できるわけです。感染症などの日常的な病気を防ぎ、疲れにくい体づくりを助けるだけでなく、長期的にはガン予防の効果も示唆されているほど。大さじ1杯のタヒニで、亜鉛、鉄、セレンの一日の摂取目安量の10%をカバーできるといわれています。上記でご紹介したセサミンなどの抗酸化物質にも、ガン細胞の発生を抑制する働きがあり、美容方面にも、健康方面にも効果が高いことが分かります。
カルシウムの補給で骨と歯の強化
カルシウムの含有も注目したいタヒニの栄養です。練りゴマ5gでカルシウムの一日分の目安摂取量の20%が確保できるとされており、これはコップ半分の牛乳に相当するそう。同じくタヒニに含まれるマグネシウムはカルシウムの吸収を高める働きがあるため、一緒に摂取することで、骨代謝や歯の形成をサポートしてくれます。またカルシウムとマグネシウムには、ともに神経伝達を正常に保ち、ストレスを軽減する効果が期待できます。
海外セレブが愛するタヒニレシピをマネしたい!
健康効果だけでなく美容効果も高いタヒニは、ハリウッドの美しきセレブたちからの支持率も急上昇しています。特にヘルシー志向のセレブはこぞって毎日の料理に取り入れているよう。優れた栄養価はもちろんのこと、幅広くアレンジしやすいのも魅力です。クセのある味ではないのに、ほんの少しのタヒニで芳醇な風味と深みがプラスされ、お料理が美味しくなることも広く愛される理由でしょう。以下でご紹介するのは、海外セレブが実際に食べているタヒニレシピです。簡単なものが多いので、ぜひマネしてみてくださいね。
グウィネス・パルトロー流!ヨーグルトタヒニドレッシング
健康意識の高さは、ハリウッドの中でもトップレベルのグウィネス。彼女が考案するヘルシーフードのレシピはファンも多く、今回のドレッシングもその一つです。
ヨーグルトタヒニドレッシング<材料 1カップ分>
- タヒニ・・・大さじ2
- 沸騰した湯・・・1/4カップ
- 細かくみじん切りにしたニンニク・・・1/2個分
- プレーンゴートヨーグルト・・・1/2カップ(お好みのプレーンヨーグルトでも可)
- レモン汁・・・大さじ3
- エキストラバージンオイル・・・1/4カップ
- シ―ソルト・・・小さじ1/2
- ブラックペッパー・・・少々
<作り方>
タヒニと沸騰した湯を、完全になめらかになるまで素早く混ぜ合わせる。
①と残りの材料をすべて一緒に混ぜて、完成!
いつものサラダにかけてお召し上がりください。
ジャーなどの密閉容器に入れて、一週間ほど冷蔵保存が可能です。
このグウィネスの簡単ドレッシングレシピ、実は個人的にもお気に入り。特に最近よく作るようになりました。彼女のレシピよりさらに簡単にアレンジし、「すべて購入できるもの&ヨーグルト抜き」が我が家の定番。カリフォルニアの主婦の味方、ヘルシースーパーの「トレーダージョーズ」で全て揃うのもありがたいですね。もちろん、日本でもタヒニは、アマゾンや楽天などのインターネット通販をはじめ、輸入食材を取り扱う小売店などで購入することが可能です。
カーダシアン姉妹流!デトックスサラダランチ
リアリティスターとして人気を集めるカーダシアン姉妹の中でも、ヘルシー傾向の強いコートニーが考案したメニューが、タヒニソースを使ったデトックスサラダです。ミニ断食やボーンブロス、ブルーマジックやMCTオイルとさまざまなヘルシートレンドを実践するカーダシアン姉妹のお気に入りレシピとあって、リピート確実の予感です。
デトックスサラダランチ<材料 2人分>
-
<メイン>
- スキンレスサーモン・・・1パウンド(約450g)
- ロメインレタス・・・ボール2皿分
- アボカド・・・大きめ1個
- キュウリ・・・大きめ1本
- ニンジン・・・2本
- レモン汁・・・1個分
- オリーブオイル・・・大さじ1~2
- ヒマラヤンソルト・・・適量
- タヒニ・・・小さじ2
- ゴマ・・・大さじ1
- ゴマ油・・・1/2カップ
- 米酢・・・1/8カップ
- 刻んだシャロット・・・1個分
- ヒマラヤンソルト・・・小さじ1
- ブラックペッパー・・・適量
<タヒニソース>
<作り方>
レモンを絞り、ブラックペッパーと一緒にサーモンを味付けした後、約10分寝かせる。
オリーブオイルで熱したフライパンにサーモンを入れ、焼き目がつかない程度に火を通す。この際、サーモンをひっくり返すのは一度のみ。全体の焼き時間は8分ほど。
フライパンから出したら、5分ほど余熱を取る。
洗ったロメインレタスを適当なサイズに切り、皿に盛る。
切ったキュウリとニンジン、サーモン、アボカドも一緒に盛りつける。
タヒニソースを上からかけて出来上がり!
クリッシー・テイゲン流:セサミチキンヌードル
歌手ジョン・レジェンドの妻、そして二児の母でもあるクリッシーは、レシピ本を出すほどの料理好き。メリハリのあるボディラインが魅力の彼女が作り出すメニューは、自身のアジア系ルーツを感じさせるしっかり目の食事系レシピが多いのも特徴。ヘルシーでありながら、炭水化物などもきっちり摂りたい方におすすめです。
セサミチキンヌードル<材料 4人分>
- 骨なし&皮なしチキン(大きめ)・・・1ブロック
- 乾燥フェットチーネ・・・225g
- タヒニ・・・60ml
- ピーナッツオイル・・・60ml
- ゴマ油・・・小さじ2
- 醤油・・・大さじ3
- 赤ワインビネガー・・・大さじ2
- チリオイル・・小さじ2
- ハチミツ・・・小さじ2
- カイエンペッパー・・・小さじ1/2
- 刻んだニンニク・・・1個分
- タマネギまたはネギ・・・2個(または2本)分
<作り方>
深めのフライパンに2/3まで水を入れ、塩少々(分量外)を加えてから沸騰させる。沸騰したらチキンを入れ、フライパンを火から外す。キッチンクロスなどでカバーし、チキンが柔らかく火が通るまでお湯の中で約15分寝かせる。
15分後に一度チキンを出し、中央部分を少しだけカットして、火の通りを確認する。まだピンクの箇所が残っていれば、再びフライパンの中に戻し、2~3分ほどお湯に浸す。火が完全に通った段階で、お皿によけておき、余熱を取っておく。
*チキンを煮たフライパンの湯は、後ほど使うため必ず残しておくこと!
②で使った湯を再び沸騰させ、フェットチーネがアルデンテになるまで茹でる。(茹で時間はそれぞれパッケージの指示に従う)茹で上がったら湯を捨て、冷たい水でクールダウンさせた後、ザルに入れてしっかり水気を取る。
(③のパスタを茹でている間)中くらいサイズのボウルにゴマ油小さじ1、ピーナッツオイル、タヒニ、醤油、赤ワインビネガー、ハチミツ、カイエンペッパー、ニンニクを入れて混ぜ合わせる。
再度ペーパータオルでパスタの水気を丁寧に取り、大きなボウルに移したら、残った小さじ1杯のゴマ油を馴染ませる。
寝かせておいたチキンを手で裂くか、一口大に切って、パスタに追加する。最後に④のソースとネギを加えて、全体的に混ぜ合わせたら完成!
日本の定番料理もタヒニでアレンジ!
上記でご紹介したのは日本人の方には馴染みの少ないレシピでしたが、練りゴマと近いだけあって、和食にも絶妙にマッチします。定番の和食にもゴマの代替に使用して、ちょっとしたアレンジを楽しんでみてはいかがでしょう?
カボチャの煮物
惣菜の定番であるカボチャの煮物も、マヨネーズ少々とタヒニ少々でいつもと違ったメニューに早変わり。ポテトサラダのような感覚で頂けます。
ほうれん草のタヒニ和え
すでにゴマ和えが存在するので、タヒニが合わないわけはありません。よりまろやかになり、コクが増します。普段作っている和食にも違和感なくプラスできるのは、慣れ親しんだゴマのパワーですね。
海外セレブのヘルシーレシピから和食レシピまでご紹介しましたが、タヒニは味も抜群によく、アレンジも非常に簡単なので、ぜひ試してみてください!
クレオパトラも超える美しさを求めて
その昔はクレオパトラも美と健康のために使っていたといわれるゴマ。豊富な栄養価から「不老長寿の薬」と評され、その価値は金と同等、そしてゴマ一粒が牛一頭分に相当するほど貴重な食材だったとされています。“元祖セレブ”から寵愛を受けたゴマも、現在はその潜在能力を全開にするタヒニという形で、ハリウッドセレブから愛されています。個人的にも、いつかクレオパトラを超える日を夢見て、こらからもタヒニレシピを楽しみたいと思います!
出典
https://www.stylecraze.com/articles/health-benefits-of-tahini/#gref
https://www.mindbodygreen.com/0-6997/10-Reasons-to-Eat-Tahini.html
https://www.wellandgood.com/good-food/kourtney-kardashian-detox-salad-recipe/