ボディサイクルに合わせた、お肌のメンテナンス
月の満ち欠けや、潮の満ち引きのように、自然の神秘的なサイクルで変化していく女性の体。それに合わせて、肌のコンディションも変わるのを実感している人も多いのではないでしょうか。ここでは、生理周期を基準とするボディサイクルを4つの時期に分類。それぞれ体内で起こっていることと、それに伴った肌質の傾向と対策を、NY(ニューヨーク)で活躍する皮膚科医のデビー・パルマー先生のアドバイスとともにご紹介します。
1) 生理直後
生理が終わると、“美人ホルモン”とも呼ばれる、女性ホルモンのひとつであるエストロゲン値が上昇し始めます。それが女性らしいボディラインや美肌を促し、一般的にこの時期が最も肌の調子は良くなると言われています。
パルマー先生:
「この時期、肌の水分量は増加し、毛穴は小さくなり、そしてコラーゲンの生成量も増加します」
この時期は、SPF入りの化粧品で紫外線から肌をしっかり守りつつも、ファンデーションはなるべく薄くし、肌呼吸をしやすいようにしてあげるとさらにいいでしょう。むしろ、できるだけノーメイクで過ごすのもお勧めだそうです。
2) 排卵期
だいたい生理の2週間前頃に起こる排卵期には、エストロゲン値はさらに上昇。それが黄体形成ホルモンの増加の引き金となります。そのホルモンは油分を生成し、肌をアクネ菌やその他のバクテリアが繁殖するのにもってこいの環境にしてしまいます。
パルマー先生:
「肌が普段よりベタついて感じるこの時期は、オイルフリーの化粧品を使用した方がいいです。また、毛穴を詰まらせない化粧品を意識して選ぶようにしましょう」
3) 生理直前
着床した卵子が受精せずに排出される段階にくると、エストロゲン値は急激に低下。それによって、肌の状態はこの時期が最も悪くなる傾向にあるといわれています。
パルマー先生:
「生理の約1週間前はエストロゲン値の低下だけでなく、前述の黄体形成ホルモンと男性ホルモンのテストロテンの急上昇が起こります。そのダブルパンチで、肌の油分を生成はさらに進んで皮脂を詰まらせやすくし、毛穴を大きくしてしまいます。それが吹き出物となり、あごや輪郭を中心に現れてきます」
肌が最も敏感になっているこの時期には、特に入念なケアが必要です。パルマー先生のオススメはレチノールを配合した化粧品。吹き出物が出るリスクを軽減し、肌の質感をよりなめらかにする働きがあります。
また、肌の調子が悪いとメイクでそれを隠そうとしがちではないでしょうか? 厚いメイクが肌への悪影響をもたらすのは言うまでもなく、興味深いのが“しっかりメイクをする”という行為自体が、テストロテン値の上昇をさらに促すという研究結果もあるそう。
パルマー先生:
「それは、自分を美しく魅力的に見せたいという女性のモチベーションの向上に繋がると同時に、前述のようにこの時期の吹き出物の原因のひとつにもなります。とはいえ、肌の調子が悪い時にノーメイクで外出するのはやっぱり難しい……という場合は、普段以上にしっかりメイクを落とすことを心掛けて。夜の間にしっかり肌が呼吸できるようにしてあげましょう」
4) 生理中
この時期は、引き続きエストロゲン値はまだ低く、さらに生理痛の原因のひとつとも言われるホルモンのプロスタグランジン値は上昇します。生理直前に比べて肌質はやや上向きになりますが、それでもベストの状態になるとは言えません。
パルマー先生:
「この時期は、肌に出来物や赤みが発生したり、また疲れを感じたりしやすくもなります。
肌の調子や精神的なストレスを向上するために勧めているのは、抗酸化作用の高い栄養素を食品からとること。個人的に好きなのは、アラビカの実(コーヒー豆の品種のひとつ)、緑茶やビタミンCです」
このように、ホルモンの分泌サイクルが肌に与える影響はとても大きいようです。常に肌を最高の状態にしておくのはどうしても難しいということ、その浮き沈みの時期を知っておくことで、ストレスの軽減や対策を講じる助けにもなります。
もちろん、個人差がありコンディションも月によって異なりますが、大切なのは肌が必要としていることに耳を傾けること。今回ご紹介したこのルーティーンを参考に、自分のボディサイクルを改めて見直し、それに合わせた肌のメンテナンスを心掛けてみてはいかがでしょうか?
参考
http://www.refinery29.com/period-skin-care