「美食の街・フランスのバスクに行こうよ!」第8回:大人可愛い「サン・ジャン・ド・リュズ」編

スペインバスクのサン・セバスティアンから高速バスで1時間、電車とバスを乗り継ぐと1時間半ほどでフランスバスクに到着します。途中、国境があるのですが、パスポートを見せることなく通過。気付くと、スペイン語からフランス語に変わっていた、という感じです。

日本でいえば、東京から神奈川まで位の距離なのに、その様相はガラッと変わります。男性的なバル文化だったスペインとは真逆に、女性が好むようなカラフルでスイートな街並みが現れるのです。それでは、私がフランスバスクで大好きな街の一つ「サン・ジャン・ド・リュズ」の見どころをご紹介して行きましょう。

バスクの朝は暗い!まずはバスターミナルへ

「サン・ジャン・ド・リュズ」は電車で行くと、サン・セバスティアンからバスク鉄道で「アンダイエ」へ、このアンダイエからTGV(電車)で隣の駅です。しかし、この電車は一日に数本しかなく、運賃も高いので要注意。高速バスも一日に数本しか運行されていないため、日帰りの場合は帰りのチケット予約をしておくことをおすすめします。

この日は朝方2番目のバスに乗るためにターミナルへ向かいました。午前8時だというのにまだ辺りは暗い!朝が遅く夜の長いお国柄であるのもうなずけます。

駅舎(左上写真)と道路を挟みガラス張りの建物が入口になります。(右上写真)

駅舎(左上写真)と道路を挟みガラス張りの建物が入口になります。(右上写真)

サン・セバスティアンには2つ駅があるのですが、バスターミナルがあるのは大きい方の駅。バスク鉄道の止まる駅ではない方になります。この建物の地下にバスターミナルがあります。駅舎の前を通る道を隔て、反対側にあるガラス張りの建物が入口。中にエレベーターと階段があります。

地下にはバスターミナル(左上写真)、電子掲示板で番号をチェック!(右上写真)

地下にはバスターミナル(左上写真)、電子掲示板で番号をチェック!(右上写真)

地下にはバスターミナルがあります。チケット売り場は有人と無人がありますが、有人窓口はあまり開いていません(人がいないのか、休憩が多いのか分かりませんが…)。自販機での購入になる場合はスペイン語の翻訳機があると便利かも。スマホを活用してくださいね。

時刻表は到着と出発があるので間違えないように。電子掲示板に行き先と乗り場が掲示されるので、自分のバスを発見したら同じ番号が書いてあるラインへ並びます。本数が少ないためか意外と混んでいるので、早めに並んだ方が安心。乗ってしまえば、現地に着くまでのんびり景色でも見て期待を高めておきましょう。

「サン・ジャン・ド・リュズ」へ到着!

サン・セバスティアンを出発してから約1時間。フランスバスクの「サン・ジャン・ド・リュズ」へ到着しました。ここにはバスク生まれの靴「エスバドリーユ」や「マカロン」の専門店、リネン店、かわいい雑貨店などが立ち並ぶ女性ではウキウキしてしまいそうな街。また、画像のように、フランスのルイ14世とスペイン王女マリア・テレーズの結婚式が行われた「サン・ジャン・バプテスト教会」があり、観光客も多数訪れています。

サン・ジャン・ド・リュズに訪れたら、必ず立ち寄りたい「サン・ジャン・バプテスト教会」。その芸術的なまでに豪華で荘厳な美しさは圧巻です。現在でもこの教会で結婚式を挙げるカップルがいるのだとか。

クロワッサンの朝食にマルシェ散策

朝早く出発した私たち。ショッピングできるお店の開店時間ではないため、さっそく駅近くのカフェで朝ごはんを頂きます。

フランスらしい朝食のクロワッサンとカフェオレ!

フランスらしい朝食のクロワッサンとカフェオレ!

スペインのバスクでは朝からピンチョスでしたが、さすがはフランス!カフェオレにクロワッサンと、小洒落た朝食です。

小腹が満たされたら、まずは朝やっているマルシェから散策しましょう。ちなみにお店は、早くて午前10〜11時オープン。午後2~4時は休憩で夕方6時までの営業などが多いです。なんともゆるいような…、商売っ気がないところなのでしょう、バスクって…。

出店ではパエリアまで!(左上写真)、中央市場の入り口はこじんまりとしています。(右上写真)

出店ではパエリアまで!(左上写真)、中央市場の入り口はこじんまりとしています。(右上写真)

メインのマルシェはサン・ジャン・ド・リュズ中央市場。その周りにはたくさんの出店があります。さすがバスクですね、大きなフライパンで作っているパエリアがとてもいい香り。

豊富な種類が圧巻のチーズ販売店!

豊富な種類が圧巻のチーズ販売店!

市場は鮮魚や肉も充実していますが、私のおすすめは何といってもチーズ屋さん!種類が豊富でフランスにしかないも珍しいチーズも手に入ります。私はバスクを訪れる度に、ここへチーズだけを山ほど買いに来ます。バスクといえど、スペインにはないものも多いのです。

“かわいい”がいっぱい!「サン・ジャン・ド・リュズ」のメイン通り

さて、そろそろ街に繰り出しましょうか。ここがメインストリートの「レオン・ガンベッタ通り」です。かわいくて楽しいお店がこの通りに密集しています。

フランスバスクらしい建物(左上写真)、どの店舗もおしゃれ。(右上写真)

フランスバスクらしい建物(左上写真)、どの店舗もおしゃれ。(右上写真)

フランスバスクは白壁に赤い窓枠の建物が基本のパータン、街並みを可愛らしく彩っています。白枠に緑や青などもあり、まるで童話の世界のよう。

コンパクトな街にバラエティに富んだお店がずらり。どの店舗もおしゃれな雰囲気でついつい入りたくなります。そして、次から次に欲しいものばかり目について困ってしまいます。お買い物が大好きな方は、この通りで過ごす時間をたっぷりと確保しておくと安心です。

お土産に買い過ぎ注意のカラフルな缶詰

保存食材をたくさん取り揃えたお店(左上写真)、缶詰のデザインに目が奪われます!(右上写真)

保存食材をたくさん取り揃えたお店(左上写真)、缶詰のデザインに目が奪われます!(右上写真)

缶詰もバスクでは立派なお土産になります。近海で取れたお魚やバスクの野菜を缶詰にしたものばかり。これまた、たくさん欲しくなります。缶の柄と色が可愛い過ぎ!!気持ちが盛り上がって写真に撮るのを忘れてしまいましたが、いろいろな缶詰を大きな缶に入れた詰め合わせのセットも販売していました。セットには、何が入っているか分からない楽しみがあります。プレゼントにも気が利いていますよね。私は、オイルサーディン、ロブスター、唐辛子などなど、欲しい缶詰だけを手堅くバラで購入しました。

スペインバスクでもたっぷりと購入してしまいましたが、缶詰は重たいので帰りのことを考えて、購入してくださいね。

元祖マカロンで味比べ

ディスプレイもおしゃれな「アダム」店内。

ディスプレイもおしゃれな「アダム」店内。

元祖マカロンを発見!マカロンを売っている店は数件ありましたが、ここのお店「アダム(ADAM)」が元祖と聞き、さっそく中に入りました。バスクのマカロンはパリのカラフルなものとは違い、シンプルな焼き菓子といった感じ。形も平べったく、少し大きめです。ねっちりした歯触りで、どこか懐かしい味がします。日本ではマカロンといえば、パステルカラーの上品なお菓子、こちらの元祖マカロンと食べ比べてみてくださいね。

バスク柄エプロンはお土産にもおすすめ

サン・セバスティアンにもありますが、サン・ジャン・ド・リュズにはバスク生地のお店が多く、こちらの方が洗練されておしゃれな印象です。画像のように、縦縞(あら、横縞にも見えてしまいますね!)がバスク柄になります。織物としては、しっかりしたキャンバス地調でハリがあります。

私はこのエプロンと同じものを買いました(左上写真)。お好きな柄で揃えてもいいですね(右上写真)。

私はこのエプロンと同じものを買いました(左上写真)。お好きな柄で揃えてもいいですね(右上写真)。

テーブルクロスからランチョンマット、小物やバッグまでいろいろとあるので、選ぶのも楽しい!バスクらしい色合わせが素敵で、私は訪れる度にエプロンを購入しています。お土産にも喜ばれること間違いありません。

バスク生まれの靴「エスパドリーユ」

「美食の街・フランスのバスクに行こうよ!」第8回:大人可愛い「サン・ジャン・ド・リュズ」編

何足も欲しくなってしまうカラフルなエスパドリーユ

バスク生まれといえば、「エスパドリーユ」もその一つ。カジュアルなリゾートシューズとして夏になると大活躍してくれます。サイズは豊富ですが、なんとオーダーでも作ってくれます。どれも軽くて履きやすく、ポップな色が可愛らしい!グッと気持ちを上げて軽快に歩き出せそうです。でも、同じエスパドリーユであっても、フランスの方がスペインよりも高額です。エスパドリーユの購入予定がある場合は、どちらで買うか事前に予算とスケジュールを組んでおいた方がいいかもしれませんね。

サン・ジャン・ド・リュズでのランチはメルルーサ

「美食の街・フランスのバスクに行こうよ!」第8回:大人可愛い「サン・ジャン・ド・リュズ」編

外観もシック(左上写真)で、大人可愛いい店内(右上写真)。

そろそろお腹も空いてきました。サン・ジャン・ド・リュズらしいレストランへ行ってみましょう。私が行ったレストランは、いわゆる大衆食堂なのですが予約は必須。建物と同じ、店内も赤をポイントカラーにしています。とても可愛らしいですよね。

「美食の街・フランスのバスクに行こうよ!」第8回:大人可愛い「サン・ジャン・ド・リュズ」編

グリーンビーズソースがたっぷりのメルルーサ

お店のおすすめは「グリーンビーンズソースのメルルーサ」。日本では「メルルーサ」はあまり聞きなれない名前ですが、タラ目メルルーサ科の海水魚の総称です。クセがなくて食べやすい白身魚で、ヨーロッパでは広く愛されています。

太鼓判を押されているだけあって、この一皿もシンプルな薄い塩味で、素材が引き立つ絶妙な火入れ。うーん、さすがフレンチですね!

カラフルでスイートな街「サン・ジャン・ド・リュズ」

世紀のウエディングで有名な歴史的な教会、可愛らしさ満点の街並みでのショッピングやランチとフランスバスクの街の一つ「サン・ジャン・ド・リュズ」は、大人の女性も虜にしてしまう、魅力溢れる街です。さっそく訪れてみたくなったのではありませんか?さて、次回の第9回は、サン・ジャン・ド・リュズに続いて、「美味しい」「可愛い」にたくさん出会える「バイヨンヌ」の旅をお届けします。美食も買い物もまだまだ終わりません!

【バスク旅行記】
『“美食の街・スペインのバスクに行こうよ!”第1回:旅路編
『“美食の街・スペインのバスクに行こうよ!”第2回:ビルバオ紀行編
『“美食の街・スペインのバスクに行こうよ!”第3回:バル巡り編(サン・セバスティアン)
『“美食の街・スペインのバスクに行こうよ!”第4回:爆走バスで行くゲタリア・美術館編
『“美食の街・スペインのバスクに行こうよ!”第5回:ゲタリア・世界一のアンチョビとレストラン編
『“美食の街・スペインのバスクに行こうよ!”第6回:シドレリアの「チョッツ!」チャレンジ編
『“美食の街・スペインのバスクに行こうよ!”第7回:スーパー巡りと「トルティージャ」朝食レシピ編

この記事を書いたライター

Cooking Expert/Author

1961年2月4日生まれ、水瓶座O型。料理研究家。ハワイ、バリ、タヒチなどのアイランド料理研究家でもある。TV、ラジオなどメディアでの情報発信、ケータリングなど、食に関して幅広く活躍中。著書に『ハワイごはん』『湘南ごはん』『海ごはん』『ホノルル食堂』など。オフィシャルホームページ「ALOHA DELI

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