「美食の街・フランスのバスクに行こうよ!」第9回:バスクの中心街「バイヨンヌ」編
第8回目のバスク旅行記でご紹介した「サン・ジャン・ド・リュズ」から電車かバスで40分ほどパリ方面へ行くと、フランスバスク「バイヨンヌ」に到着します。こちらは、サン・ジャン・ド・リュから距離的に近いのですが、これまでのバスク旅行記でご紹介した通り、交通の便が良いとはいえません。日本から訪れる場合は、十分な下調べが必要です。
世界遺産を誇る「バイヨンヌ」
「バイヨンヌ」はフランスバスクの中心となるバスクエリアの中では一番大きな街で、近くに空港もあります。街の中心には、世界遺産である「サント・マリー・ド・バイヨンヌ大聖堂」があります。
サント・マリー・ド・バイヨンヌ大聖堂は、「ノートルダム ド バイヨンヌ」と別名を持つゴシック様式の聖堂です。12〜13世紀に建てられたものの、火災により15世紀再建、その後補修が繰り返されながら、現在にその姿を残しています。優雅で美しく、とても「絵」になるため、バイヨンを訪れたのなら、必ず足を運びたい場所です。
大人の旅にショッピングは欠かせません!
ニーヴ川を挟むグラン・バイヨンヌとプチ・バイヨンヌはさまざまなお店が立ち並ぶエリアです。バイヨンヌの名物といえば「チョコレート」。フランス最古のチョコレート作りの街として有名で、現在もたくさんのチョコレート屋さんがあります。「好みのチョコレートを探しに行く」旅というのも大人の女性ならで、贅沢で素敵ですよね。
一休みはカフェでお茶を
まずは大聖堂に見学に行った後、聖堂の正面にあるオープンカフェでカプチーノを頂きました。大きな木の下にテーブルと椅子が並んでいて、小休止にはピッタリなオシャレ。休憩がてら、カフェでお茶をしてみると、そこで暮らす人々の様子も垣間見えて楽しいものです。
ニーブ川沿いのマルシェ巡り
さて、一休みした後は、ショッピングに繰り出しましょうか?川沿いの道にはマルシェらしく出店がずらり。キッチンがあれば買って帰りたくなるほどの新鮮な野菜や果物がたくさん売られています。野菜や果物でさえ、絵画に描かれるような見目うるわしい姿なのがフランスバスクらしいですね。
ドライフルーツやナッツ類も充実しています。グラムで量り売りしてくれるのも便利でうれしい!マルシェで、なんと可愛らしいぬいぐるを発見しました。バスクらしくベレー帽をかぶった羊たちです。可愛いものがあちらこちらにあり、舞い上がってしまいます。なんでもかんでも欲しくなってしまうから大変です。
大人のスイーツ「チョコレート」
1864年創業の老舗チョコラティエ「ショコラ・カズナーヴ」。クラシックでエレガントな佇まいのお店には、お土産にもピッタリなレトロ感満載のチョコレートがたくさん。カカオの濃度に分かれ、ブラックからミルク、ナッツ系のフレーバーまでさまざまな種類があります。全部欲しくなっちゃうかもしれませんが、ここでしか買えない伝統のあるチョコレートなので、ぜひ、まとめ買いを!
「ショコラ・カズナーヴ」は奥にティーサロンがあり、そこで飲めるのがこの「ショコラムスー」です。フワフワの泡が特徴で、ホイップクリームが添えられ、ミニピッチャーにはおかわりのショコラ・ショーが入っていています。甘さ控えめでとても美味しく、サーブの仕方もオシャレで可愛いことこの上なし!
来店する人のほとんどはこのショコラムスーを注文していますが、通好みはこれにトーストを追加注文して、ショコラムスーをつけて食べるのだそうです。実際隣に座っていた90歳は超えるかと思われるご婦人もそうやって楽しんでいました。こちらの方は胃袋が丈夫!さすがの私もそこまでは食べられず、無念。
意外な食感のバスク料理「ガレット」
さて、バスクの伝統料理の一つ「ガレット」とはどのようなものなのでしょうか?探して食べに行きました。それはフランスのそば粉を使って作るガレットとは異なり、小麦粉で厚めに焼いたクレープのようなもの。中には生ハムかソーセージ(太いサラミをスライスしたもの)が入り、トマトソースが添えられていました。
最初は普通に食べていたのですが、5分程経つと皮が硬くなり、ナイフで切るのも大変に…。とうとう半分でギブアップ!「これがバスクのガレットか・・・もう食べないな」と思ってしまった私。でもトマトソースは美味しかったです。話のネタには良いかもしれませんね。
ニーヴ川沿いのレストランで至福のカジュアルフレンチ
バイヨンヌはニーヴ川沿いに素敵なレストランが立ち並んでいます。テラス席なので、なるべく川沿いのオシャレなスペースを確保することが必須です。
これから夕日が沈むという頃、川沿いテラスで至福のディナーです。これぞ、カジュアルフレンチ。フランス産の赤ワインと丁寧に調理されたお料理がベストマッチ! でも、全体的にスペインバスクよりフランスバスクの方がお値段は上がりますので、ご覚悟を。
ホタテとゴルゴンゾーラのロブスターラビオリ、クリーム仕立て。なんて贅沢なのでしょう!!濃厚なソースに魚介の旨みがプラスされ、口の中でとろけるおいしさです。これは赤ワインにもピッタリな逸品。スペインバスクでは味わえない、フランスバスクならではのご馳走をいただきました。
ゆっくりと暮れるバイヨンの夜
バイヨンヌの夜は9時過ぎに徐々に暮れていきます。にぎやかだった街も落ち着きだし、川辺を散歩しながら、またここに来たいな、そう思える場所でした。
スペインバスクとフランスバスク。すごく近い場所にあっても全く違う文化と習慣で、それぞれ見どころが違うところが魅力的。バスクはどこでも、行けばいくほど好きになり、今では私は、バスクが好きで好きでしょうがないほどになってしまいました。皆様も近い将来、自由に海外に行ける日が来たら、バスクを訪ねてみてください。きっと素敵で、刺激的な何かに出会うことができますよ!
さて、次回第9回目のバスク旅行は、「モンサンミッシェル」へ向かいます。お楽しみに。「地球は丸い、世界はつながっている!」そう思えるまで、旅をしましょうよ!
【バスク旅行記】
『“美食の街・スペインのバスクに行こうよ!”第1回:旅路編』
『第2回:ビルバオ紀行編
』
『第3回:バル巡り編(サン・セバスティアン)』
『第4回:爆走バスで行くゲタリア・美術館編』
『第5回:ゲタリア・世界一のアンチョビとレストラン編』
『第6回:シドレリアの「チョッツ!」チャレンジ編』
『第7回:スーパー巡りと「トルティージャ」朝食レシピ編』
『第8回:大人可愛い「サン・ジャン・ド・リュズ」編』