憂鬱な気持ちをそのままにしない!心と体のストレス解消法「EFTタッピング」

「ウィンターブルー」という言葉があるように、冬になると、体は元気にしていても、どこか気持ちが曇りがちで憂鬱になるという人も多いといわれています。また、キラキラと輝くクリスマスイルミネーションに華やぐ街の中で、幸せな気分どころかふと取り残されたような寂しさを覚えることも…。

今回は、漠然とした不安やストレスを感じたり、特定の悩みで気持ちが沈んでいたり、大きなイベントの前に緊張をほぐしたいときなどに、いつでも簡単にできるストレス解消法「EFTタッピング」をご紹介します。モヤモヤと心を曇らせている小さな不安やどこか浮かない気持ちはそのままにしないで、上手に付き合いながら、体と心がホッと緩む時間をつくっていきましょう。

【注意】記事で紹介しているタッピング方法は、あくまでもセルフケアで行う範囲のものであり、深刻な症状の場合は、心療内科や精神科の専門医を相談・受診されることをおすすめします。

EFTタッピングとは?

「EFTタッピング」は、90年代にアメリカ人のエンジニア、ゲイリー・クレイグ氏によって開発された、顔や体にあるツボを指で刺激して、気血の流れと感情のバランスを整えていく心理療法です。

EFTとは、「エモーショナル・フリーダム・テクニック（Emotional Freedom Technique）」の略で、日本語に訳すなら「感情を解放するテクニック」といったところでしょうか。タッピングは、トントンと軽くたたく動作を指します。９つのツボを覚えておくだけで、いつでもすぐに始められること、器具や薬も必要なく、安全で副作用がない点もEFTタッピングの大きな特徴です。

東洋医学の漢方や鍼灸では、体には「経路」という気血の流れがあり、その流れが滞ると心身に不調をもたらすと考えられ、治療で気血の改善を促します。EFTタッピングは、この東洋医学の治療法に西洋的な瞑想法であるマインドフルネスを取り入れています。今この瞬間の自分に全意識を集中させて心を落ち着かせ、タッピングで体の「気」を整えることで、不安や心配、恐れなどの感情的な苦痛やストレスを改善・解消する効果が期待できます。

誰でも簡単にできる!EFTタッピングのやり方

EFTタッピングは、５つのステップに沿って実践していきます。 実践で大切なのは、抱えている負の感情を明確に意識しながら行うことです。そして、一回のセッションで向き合うのは一つの問題のみ。一度にいくつもの感情や悩みを含めないように注意してください。

1）　解消したい感情や悩みなど、問題を“一つ”特定する

セッションで解消したい不安や問題、自分の感情を一つ選んで、言葉にします。曖昧な感情を言語化することは難しいですが、何を解消・解決したいのかきちんと意識しなければ、解決したいこともわからないままなのです。漠然としていても、心に引っかかっている気持ちや感情を言葉に置き換えてみましょう。

2）　感情のレベルを自己評価

1）で選んだ感情を１〜10段階で、どのレベルにあるのか自己評価します。不安がとてつもなく強いと感じる場合はレベル10、数が下がるにつれて弱い感情を表します。

3）　セットアップ（準備）

「リマインダーフレーズ」をつくります。

リマインダーフレーズとは、タッピング中に繰り返し唱える「問題点を意識して心を解放する」ための言葉です。ネガティブな感情とそれを受け入れるポジティブな言葉でつくりましょう。

4）　タッピング

タッピングは、２本以上の指の腹を使って行いましょう。

まず始めに、リマインダーフレーズを声に出して３回唱えながら、空手チョップポイント（手の側面、小指と手首の中間）をタップします。

①から⑨の順番に従って、リマインダーフレーズを唱えながら、各ポイントをトントンと５〜７回ほど軽くタップしていきましょう。このとき、解消したい感情に意識を集中しながら行うことがポイントです。

5 感情レベルの再評価

①から⑨までのタッピングが終了したら、もう一度、今の感情のレベルを１〜10段階で評価し、レベルが１になるまでタッピングを繰り返していきます。レベル１になったところで終了です。

ただし、レベルを１にすることにストレスを感じてしまうようでは、せっかくのセッションも意味がなくなってしまいます。タッピングを始める前に評価したレベルよりも数字が下がっていれば、良い方向に向かっていると捉え、そこで終了しても良いし、少し時間を置いてからまた続けてみるなど、自分にプレッシャーを掛けないことも大切です。

心理療法と気負わずに、ユルく始めてみたって良いのです!

マインドフルネスとか心理療法と堅苦しく考えると、「しっかり取り組まないとダメ!」と試す前から身構えてしまいそうですが、指で顔や頭をトントンとタップするのは、シンプルに心地良いものです。

仕事で詰まったときに、「良いアイデア浮かばないけど、私は大丈夫!」と心で唱えながら、ツボをトントンしてみると、アイデアは浮かばないながらも煮詰まっていた気持ちがほぐれて、「さあ、始めますか!」と、少し前向きな姿勢になれたりします。

憂鬱な気持ちや後ろ向きな気分は、程度に個人差こそありますが、誰にでも起こる感情です。おうちで座ったままでできるストレス解消法なら、自粛モードの今こそ、気分転換の一つにおすすめのストレス発散法でもあります。暗い気持ちをそのまま放っておかずに「私は大丈夫!」と「トントン」のコンビネーションで、まずは気負わずに始めてみませんか?