ガサついたひじ、ひざ、かかとで、春夏を迎えても大丈夫?
冬の間は露出が少ないことを理由に、放置しがちなひじ、ひざ、かかと。すっかりゴワついて、カチカチに硬くなってはいませんか?春も到来したこれからのシーズン、段々と薄着になって慌てないためにも、原因を理解して、そろそろお手入れをスタートさせましょう。ひじもひざもかかとも、自らうるおいをつくり出すことができないパーツ。手をかけてあげないとガサついたままなのです。だからこそ、さっそく今日からケアを!
目次
まずは、皮脂の役割をおさらい
皮脂腺がない手のひらと足の裏
乾燥×摩擦=角質肥厚
角質肥厚は黒ずみを目立たせる
コンディションチェックに便利なスマホセルフィー
焦らずゆっくりケア。角質の削り過ぎに要注意!
保湿クリームは溝までしっかり塗り込むのがポイント
普段のクセに注意
細部まで気を配ることで、より美しく…
まずは、皮脂の役割をおさらい
テカリや化粧崩れ、ニキビ、毛穴汚れの原因にもなりかねないのが「皮脂」です。そのため、皮脂というだけで毛嫌いする方も少なくありませんが、本来、皮脂は肌にとって最高の天然クリーム。少量の汗と混ざり合って乳化し、肌の表面で保護膜となって肌を守っています。その役割は大きく4つ。皮脂の分泌が多い場合は肌トラブルにつながりますが、少なくてもトラブルになる、なくてはならない存在なのです。
【皮脂の役割】
① 乾燥を防ぐ
② 柔軟性を保つ
③ 外の刺激から守る
④ 細菌や病原菌などの繁殖を防ぐ
上記の通り、皮脂は重要な働きをしていることが分かります。それでも、厄介なものというイメージかあるのは、皮脂は気温が高くなると増えて、酸化を起こすと肌へダメージを与えるからです。しかし、その心配も20代まで。30代を過ぎると皮脂の分泌は減り始め、30代も半ばになると急激に減ってしまうのです。年齢を重ねた肌には乳液やクリームのお手入れがマストになる第一の理由は、この皮脂自体の分泌が減少することにあります。
皮脂腺がない、手のひらと足の裏
皮脂は真皮にあって「皮脂腺」と呼ばれる器官から分泌されています。ただこの皮脂腺は全身に満遍なくあるわけではありません。最も多いのは頭皮。1㎠に約800個もあるとされ、Tゾーンの約2倍になります。いかに多いかは、頭皮のべたつきやすさからも分かりますよね?
【皮脂腺と体の皮脂分泌ゾーン】
もちろん皮脂腺は体にもあります。集中しているのはわき、胸、お腹、外陰部、背中。頭皮やTゾーンほどの分泌はありませんが、バストがカサカサになるということがまずないのも、皮脂のおかげです。一方で、1㎠あたり50個ほどの皮脂腺しかないとされるのが腕や脚です。ひじやひざがカサつきやすいのもそのため。また、ひじやひざ以上に過酷な環境にさらされているのがかかとです。なぜなら足の裏には皮脂腺が一つもないからです。ちなみに手の平にもありません。手のべたつきや足のムレは、皮脂ではなく汗が原因です。
乾燥×摩擦=角質肥厚
皮脂の力に頼れず、うるおいを保つことが難しいひじ、ひざ、かかと。それでも赤ちゃんは、皮脂腺ゼロのかかとでさえ、ふかふかです。水分がたっぷりあるからなのはもちろんですが、摩擦をほとんど受けていないことが大きな要因です。ハイハイができるようになればひじとひざ、歩けるようになればかかとは摩擦という刺激を受けます。手で触ることさえも刺激になる肌。肘をついたり、膝をつけたり、歩いたり、走ったり、これから、私たちが日常的に行っている行動によっても摩擦が生じています。その刺激から守るために肌は角質を厚くし、がんばってくれているというわけです。
特にかかとはただ硬くなるだけでなく、白く粉が吹いたような状態になったり、黄色く変色をした状態になったり、白い縦線が入ったりと、年齢を重ねるほどに見た目にも影響が出やすい部位なのです。
角質肥厚は黒ずみを目立たせる
黒ずみもまた摩擦が原因です。慢性的な摩擦によってメラノサイトが活性化されて、メラニン色素の分泌が促されることで起こります。メラニン色素はつくられてもターンオーバーによって垢となって剥がれ落ちますが、乾燥はターンオーバーを乱し、角質をどんどん厚くしてしまいます。分厚くなった角質の中は、メラニン色素が渋滞しているようなもの。当然、黒ずみは目立ちやすくなります。「組まないこと」も「履かないこと」も非現実的ですが、足を組むことやスキニーパンツによる膝のこすれも黒ずみを招くといわれています。
コンディションチェックに便利なスマホセルフィー
かかとやひじは背中やお尻ほど見えない部位ではありませんが、スマホセルフィーはどんな状態なのか把握するのに便利です。ピントを合わせて撮影し、写真を拡大して見てみてください。細かい荒れや乾燥に気づくことができるはずです。効果が出やすい部位でもあるので、お手入れのたびに記録を撮るのもモチベーションアップにつながります。
焦らずゆっくりケア。角質の削り過ぎに要注意!
ゴワゴワザラザラになってしまったひざは、「なにはともあれスクラブで、かかとはやすりや軽石で!」と思いがちです。確かに肥厚した角質は保湿クリームが浸透しにくいのは事実です。それでも「角質ケアは慎重に」が鉄則です。ケアのつもりでこすり過ぎ、刺激になれば、さらに角層がつくられて硬くかつ厚くなっていく原因になってしまうこともあるからです。肥厚の度合いはひどい場合でも、角質ケアは週に1回程度から始めて、様子を見ながら月に1回と回数を減らしていきましょう。そしてスクラブもやすりも、ゆっくり湯船に使って角質を柔らかくしてからです。
シャワーで済ませるときは、角質ケアは控えましょう。もちろんカッターで削り取ったり、爪でめくったりなどもってのほかです。皮を剥くのではなく、ターンオーバーを促すのが目的と心得ましょう。次項で具体的な方法について紹介していきます。
保湿クリームは溝までしっかり塗り込むのがポイント
使用するのはボディクリームでOKです。乾燥がひどい場合は、油分が多く含まれたクリームを選びましょう。ワセリンやオイルもおすすめです。また、ドラッグストアなどで売られているフットケアクリームは、濃度の濃い油分が含まれていて保湿力が高めなのが特徴。保湿性が高く、タンパク質を分解する性質のある尿素配合のクリームも角質ケアにぴったりです。黒ずみが気になる場合は、「肌の漂白剤」といわれるハイドロキノンや美白作用を持つビタミンC配合のクリームを。
いずれも使う量はたっぷり。お風呂上がりと朝の着替えの時に行いましょう。一日2回が面倒な場合は、まずはお風呂上がりから。効果が目に見えて分かるので、朝の着替えの時もケアしたくなるはずです。
【ひざとひざ下の脚の保湿】
片足分ずつクリームを取って行います。
マッサージ効果で血行もUP!
くるぶしも乾燥しやすい部位です。
【かかとの保湿】
片足分ずつクリームを取って行います。
足の指の付け根から指先、爪のまわりまで円を描くように丁寧に行いましょう。
【ひじの保湿】
片手分ずつクリームを取って行います。
普段のクセに注意!
日常生活の中で繰り返し摩擦を与えることで硬くなったり、黒ずんだりすることもお分かりいただけたことでしょう。そのため、クセになっているような動作、できるだけひじをつかない、ひざ立ちをしないなどの工夫もしたいものです。
また、かかとの場合には「靴」による外部刺激が大きな原因にもなっています。サイズが合わず、小さ過ぎたり、大き過ぎたりすることなく、足にぴったりフィットする靴を履くこともかかとケアには必要です。また、おうちの中でも、クッション性のあるスリッパやルームシューズを履くように心がけたいですね。
細部まで気を配ることで、より美しく…
いかがでしたか?ひじ、ひざ、かかとのお手入れは、まずは意識することから始めましょう。そして、ご紹介したようなお手入れを毎日のルーティンに取り入れて、根気よく続けてみてくださいね。これからの季節、ひじ、ひざ、かかとは、私たちが思っている以上に周りから見られているものです。手を抜きやすいからこそ、しっかりケアをしていると、「手入れの行き届いた女性」という印象を与えることができますよ。細部まで気を配って、薄着の季節を堂々と迎えましょう。