メスを使わない引き上げケアで年齢不詳の「美しさ」を!神の手を持つエステティシャン、ラケルさんインタビュー&施術体験レポート【インタビュー編】

LA(ロサンゼルス)の人気エステシャン、ラケル(Rhaquel)さん
エステティシャンとして十数年以上のキャリアを持つラケル(Rhaquel)さんは、ロサンゼルスで「神の手施術」と称されるほどその施術に定評があり、さまざまな人種、特に日本人の顧客も多く抱えています。
アメリカ版『b.glenish!』は、自分らしく輝く女性に着目し、インタビューを通して、彼女たちの生き方や美しさの秘訣をご紹介しています。今回は、LA(ロサンゼルス)の人気エステティシャン、ラケルさんに、年齢不詳の美しさを導き出す秘訣を伺い、実際に、妙齢ライターの私がその施術を体験、たっぷりとレポート。前編は『インタビュー編』として、後編は『施術編』として2回にわたってご紹介します。
大胆なキャリアチェンジで「美」の世界へ
女子トークとして、ざっくばらんにお話を聞かせていただければうれしいです。「ゴットハンド」と異名を持つ施術技術で、数多くのお客様をお持ちのラケルさんですが、美容業界に入られたきっかけは何ですか?
ラケル
女性として、特にアジア女性は、素肌の美しさをとても大切にしていますよね?私自身もそうで、ちょうど母親になった頃、セルフケアに時間を割きたいとスパに通うようになったんです。日常とは異なる洗練された空間で施術を受けて、感銘を受けたのがきっかけです。その場でエステシャンになるにはどうすればいいのか尋ねて、カリフォルニア州では、600時間(約6ヶ月)のプログラムでスクールに通い、州の試験に合格すればライセンスが取れると教えてもらいました。当時、私は運送業社に勤めていたのですが、すぐに会社の上司に通学の意思を伝えました。上司は一時の気まぐれだろうと思っていたようですが、3ヶ月でプログラムを終了させ、この業界に転職しました。
たった3ヶ月で⁉︎小さいお子さんもいらして、よほど強い意思がないとできないことですね。
夜間や週末も通学して、一生懸命取り組みました。母親になった私にとって、娘が最優先でしたので、エステシャンとしてよりフレキシブルに働けること、そして何より、目の前にいるお客様の本来の美しさを引き出す手伝いができること、まさに天職だと思いました。もちろん、簡単な道のりではありませんでしたし、今でも毎月のやりくりには四苦八苦しているんですよ。(笑)
各エステシャンの真価が試されるアメリカのサロン

ラケルさんが施術を行なっているサロンの前で。左:ラケルさん、右:ライターの佳奈
アメリカでは、日本と異なり、エステシャンやヘアスタイリストなど美容業界の技術者の方々は、スパやサロンで雇用されるのではなく、フリーランスが主流で、スパやサロンの場所を借りて、お客様にサービスを提供するというスタイルですよね。だからこそ、個々の技術力やサービスがよりシビアに評価されますね。
ラケル
えぇ、私は常にクリエイティブでありたいと思っているので、基本的な施術を正確に丁寧に行うとともに、お客様の状態に応じて、医療スパやハーブなどを取り入れたホリスティックなアプローチも組み合わせています。体の外と内は切っても切り離せないものです。私がこの業界で15年間も続けていられるのも、そんな独自の施術をお客様が認めてくださっているからでしょう。
お客様からはよく、「ラケル、あなたって、私の担当医以上に私の体のことわかっているわ!」って言われるんですよ。施術を始める際には、まず、詳しいカウンセリングを行い、肌のタイプや生活習慣、お客様の抱えている悩みを把握します。肌についての悩みだけではないんですよ。体はもちろん、メンタルについても!
その後、プロ仕様の製品やカスタマイズしたトリートメントプランを組み合わせ、施術後に自宅でできるお手入れ方法についてもアドバイスします。トータルなアプローチを行うことで、お客様の常に変化するニーズに柔軟に対応できるよう心がけています。
肌も心も体も全てつながっているからトータルビューティ!
たしかに、肌の調子って、体調やメンタルも大きく影響していますよね。
ラケル
はい、肌も心も体も全てがつながっているんです。ですので、トータルですこやかな美しさを引き出すケアをしています。
カリフォルニアではライセンスの関係で、私の施術はスキンケアに限定されていますが、施術にハーブを取り入れるためにハーバリズムのクラスを受講したり、精神的な側面をより理解するためにメンタルヘルスを学んだり、また、母を乳ガンで亡くした経験から、オンコロジーエステティシャン(ガン患者向けエステ)認定を取得したり、もちろん、最先端の施術の知識や技術を得るために、コンベンションや講習会には頻繁に出席しています。
私、学ぶことが好きなんです。美容やウェルネスについてもっと深く理解すれば、それを施術に活かせるようになり、より的確なアドバイスもできて、もっとお客様の手助けができるようになりますから。
知識や技術のアップデートは怠らない。欧州で人気の「美顔(Bigan)」も!

身ぶり手ぶりでお客様への想いを語るラケルさん。その真摯な人柄が表れています
果敢に学ぶ姿勢、見習いたいです!
ラケル
私って、まるで成長の止まらない草木のようなものね(笑)。常に新しいクラスに参加して学んでいますが、その度に新しい視点を得ています。リンパドレナージュやスカルプティングは、今でこそホームケアにも取り入れられる定番の技術ですが、一般化する前から取り入れていました。トレンドを追うだけではなく、クライアントに必要なものを見極めて取り入れるようにしています。
最近では、日本の口腔内ストレッチからインスパイアされた「美顔(Bigan)」を学びました。これは主に顎関節症(TMJ)や片頭痛、首の凝りを改善するためのプログラムとして始まりました。日本ではまだあまり広まっていませんが、ヨーロッパやロシアでは人気です。ただし、技術的には難しく、クライアントの口の中に手を入れることをためらう施術者も多いです。
口を開けて施術をするのは歯医者さんのイメージで、なかなか口内に手を入れてのマッサージを受けるのは躊躇してしまうかも。
ラケル
そうなんです。でも、やってみると、とてもリラックスできます。施術後に「もう一度やってほしい」と言われることが多いですよ。Youtubeやインスタなどを通じて、日本ではセルフケアで普及しているようですが、このような専門的なマッサージを提供する場所はまだまだ少ないのが現状です。日本では文化的な面もあり、口の中に手を入れられることに抵抗を感じる方が多いかもしれませんね。この技術を学んだ際に、その効果に驚き、お客様の状態に応じて取り入れています。まずはご自身でやってみてください。その効果を実感できると、プロの手を借りることにも抵抗を感じなくなるのではないかしら。
LA(ロサンゼルス)で人気の施術と今後のエステトレンド
ラケルさんの施術はリンパドレナージュ、スカルプティング、美顔(Bigan)にハーブなど多角的に取り入れられていますが、今、LAで人気のある施術は何ですか?また「美顔(Bigan)」のように、現在あまり知られていないものの、ラケルさんのおすすめの最新施術についても教えてください。
ラケル
現在、人気があるのは「ダーマプレーニング」「マイクロニードリング」「ケミカルピーリング」レーザーによる肌の「リサーフェシング」といったトリートメントです。また、「ハイドラフェイシャル」や「LEDライトセラピー」も即効性があり、肌のつや、保湿効果が期待できるため選ばれています。「ボトックス」や「フィラー」といった注入系の施術にも高い需要がありますね。
新たに注目されているトリートメントとして、「プラズマ繊維芽細胞治療」やこれまでとは異なる最先端のラジオ波を使用した「スキンタイトニング」が挙げられます。また、肌の弱い方のために「酵素トリートメント」もおすすめしています。刺激を抑えながら効果的な角質ケアができますので。
どれも試してみたいです!新しい施術が次々に登場するので、どれが自分の肌に効果的な施術なのか、見極めるのためにもプロの手を借りたいところです。今後、LAのエステ業界はどのようなトレンドを取り込んでいくのでしょうか?
「K-Beauty(韓国美容)」「J-Beauty(日本美容)」のもたらしたスキンケアルーティンの変化

施術でもプライベートでも愛用中のCセラムと一緒に
ラケル
業界は、テクノロジーの進歩に伴い、メスを使わない、傷をつけないトリートメントへと移行しています。これは、「K-Beauty(韓国美容)」「J-Beauty(日本美容)」のもたらした、スキンケアへの意識変化の影響があるのかもしれません。ドラスティックな変化ではありませんが、東洋美容は、化粧水からクリームまでステップを重ねるスキンケアや、シカ、カタツムリエキス、ツボクサ、NMN、エクソソームといった革新的な成分、さらには保湿強化でつや肌を重視する文化をアメリカに紹介しました。この影響により、濃いメイクからナチュラルでヘルシーな肌を重視する方向に美意識がゆるやかに変化しているように見受けられます。アメリカにおいても、予防や長期的な肌のすこやかさを重視する包括的なスキンケアのアプローチを促進していると感じられるのです。
今後、エステ業界は、カスタマイズ可能なフェイシャル、AIを活用した診断、レーザーセラピーやPRPを用いたマイクロニードリング、超音波リフティングがより一般化されて、次の大きな進展としては、プロフェッショナルグレードの家庭用デバイスが普及して、マイクロバイオームに焦点を当てたスキンケア、幹細胞を使った再生治療が台頭してくるのではないかと予測しています。
ビーグレンでも洗顔、化粧水、美容液、クリームとステップを重ねたスキンケアを提唱していますが、そのルーティンこそがアメリカのスキンケアに取り入れられつつあるとは興味深いですね。「自信を持って日々のスキンケアを続けなくちゃ!」という気持ちになります。日々進化している美容業界、ますます目が離せないですね!
業界の動向についても伺ったところで、ラケルさんの施術を受けながら、さらにお話を聞かせてください。
施術体験&インタビューの続きは『施術編』へ。
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