b.smile of O.C. – アパレルブランドオーナー – サマー・ミーク
メイクやファッションよりも女性を美しく見せるもの
感動する心と情熱を持った生き方
それが私の笑顔の秘密
ラグナビーチのダウンタウンから少し離れた物静かなオフィスビル。蔦に絡まれた階段を一番上まで登ると、「ソウルプロジェクト」の共同創設者サマー・ミークさんが、大きくてまるで縫いぐるみのような犬のチャーリーと一緒に出迎えてくれました。
「私たちは、Tシャツを作っていますが、普通のアパレル企業ではありません。私たちの活動の中心にあるのは<ソウルプレイス>です。ソウルプレイスは初めて足を踏み入れた瞬間から大好きになり「ここにまた戻ってきたい」「ここに住みたい」と感じてしまうような場所のこと。人によっては、それがハワイだという人もいるでしょうし、ここラグナビーチだという人もいるでしょう。私たちは、それぞれのソウルプレイスに縁のある地元のアーティストの作品を使って洋服を作り、その売上の一部を、その地域のチャリティー団体に寄付しています」
つまり、ソウルプロジェクトは、<ソウルプレイス>を中心として、<地元のアーティスト>と<地元のチャリティー団体>をつないでいるのです。
皆が幸せになれるソウルプロジェクト
単にTシャツを作って売るというのにとどまらない、ソウルプロジェクトのユニークなビジネスプランはどうやって生まれたのでしょう。それを知るためには、サマーさんのバックグラウンドにある<チャリティー>と<アーティスト>という二つのキーワードがヒントになります。
ラグナビーチという美しい街で生まれ、家族や素晴らしい友人たちに囲まれて育ったサマーさん。彼女は、常に、自分の人生がとても恵まれていることに気づいていました。そこで、彼女は自分が恵まれていることへの感謝の気持ちとして、地域のコミュニティーに対して何か「恩返し」できることはないかと考え、実行してきたのです。
「これまで様々なチャリティー活動に参加しました。自然が好きなので自然を守るようなものや、その街づくりに関わりのあるものが多かったです。自分の子どもが大きくなった後は、地域の子どもたちを助けることができるようなプログラムにも参加しました」
「セラピー犬」というものの存在を知り、チャーリーを飼うことを決めたのもチャリティー活動の中で得たヒントでした。サマーさんは、一緒に子どもたちに関するチャリティー活動に参加できるようにと、チャーリーをセラピー犬に育てています。
一方、彼女の周りには、才能がありながらも作品を世に出す機会に恵まれないアーティストたちが沢山いました。サマーさんの母親はデザイナーでしたし、サマーさんの従兄弟はラグナビーチで活躍する画家でした。身近なアーティストたちとの交流を進めるうちに、「地元に根付いたアーティストのデザインを製品化すると同時に、地域のチャリティー活動に結びつける」というソウルプロジェクトのアイデアが生まれたのです。
「夢が実現した」ソウルプロジェクト
アーティストにとっても、チャリティー団体にとってもWIN-WINな仕組みの元スタートしたソウルプロジェクトですが、サマーさん自身にとっても「自分のビジネスを始める」という夢の実現でもありました。
「ずっと自分のビジネスを始めたかったけれど、どうすればいいのか分かりませんでした。でもある時『とにかくやらなきゃ』と思って始めたのです」
ビジネスの経験豊富な彼女の夫、ドンさんの助けも得ながら、二人の計画は徐々に大きくなっていきました。「自分たちのTシャツを着ている人を道で見かけたと」言って、 ドンが電話してきた時のことをサマーさんは覚えています。
「私は自分の目で見るまで信じられませんでした。でもそれからしばらくして、私も道で見知らぬ人がソウルプロジェクトの服を着ているのを目にしました」
それはサマーさんがずっと夢見ていたことが現実になった瞬間でした。しかし、サマーさんはこれで満足しているわけではありません。次はソウルプロジェクトを全米に、いえ世界中に広げるのが夢なのだそう。
ソウルプロジェクトの洋服は、地元ラグナビーチのブティックにも置いてあります。私も手に取って着てみました。「一枚のシャツが生まれるまでに込められた思い」を知った後は、一枚のTシャツがとても貴重な宝物のように思えました。
ソウルプロジェクトで美しくなった
ゆったりとしたソウルプロジェクトの服に身を包み、落ち着いて話す姿が魅力的なサマーさん。彼女が美しくあるために実践していることは何なのでしょうか。
「私は十代の頃からヨガを続けています。食事もクリーンにし、水を多く飲むなど、美しくあるために心がけていることは沢山あります。しかし、『美しさ』への考えは徐々に変わりました。女性は、自分自身でいることに心地よさを感じた時に、自信が生まれ、それが外見的な美しさにも繋がるのだと思うようになったのです」
ソウルプロジェクトの作品の多くを占めるのが、スポーツした後に着用したいラウンジウェア。とろけるように柔らかいソウルプロジェクトの服に身を包むと、心の奥底からリラックスした真の「心地よさ」を感じられます。これも、女性の美しさにつながっているのですね。
またサマーさんにとってはソウルプロジェクトは違う意味でも「美」をもたらしてくれた存在でした。
「このソウルプロジェクトを始めた時、私はアパレル業界について何も知りませんでした。始めた直後は失敗や学びの連続でした。でも、小さな成功を積み重ねていくうちに、徐々に自信が湧いてきました。
そして、その自信が自分の美しさにつながっていると思えたのです。ソウルプロジェクトを始めたことで、私はより美しくなれたのかもしれません」
(文:スタッフライター 池嶋ゆい)
Summer Meek(サマー・ミーク)
アパレル会社『ソウル・プロジェクト』のファウンダー。ラグナビーチを初め、ダナポイントやニューポートビーチなどカリフォルニアの様々な場所をテーマとしたアパレルラインを地元のアーティストとコラボレーションして作成し、地域のチャリティー活動へと貢献している。
Soul Project http://soulproject.com/