コンブチャよりも簡単手作り!話題のココナッツケフィアの魅力とは?
アメリカで数年前から人気が出ているコンブチャですが、ここ最近健康志向の女性たちの間でコンブチャ以上に話題にされているのが、ココナッツケフィア。“ケフィア”と言えば、日本でもブームになっていたこともあり、ご存知の方も多いと思います。アメリカでも発酵食品の人気に伴い、その知名度も上がっています。以前にケフィアの栄養価についてご紹介いたしましたが、そのケフィアにひと捻り加えたココナッツケフィアが、最新の発酵飲料トレンドとして人気を集めているのです。従来の乳製品ベースのケフィアよりもヘルシーで、体や肌への美容効果が高いといわれています。しかもコンブチャよりも手作りが簡単というおまけ付き。ヘルシーフード業界を爽やかに賑わすココナッツケフィア、その魅力と簡単レシピをご紹介します!
健康志向の女性たちのキッチンには発酵食品が常備
コンブチャ、ジュンティー、ジンジャーバグ、ココナッツケフィア、乳糖発酵野菜、ストーンフルーツキムチなど、キッチンにさまざまな発酵食品が。
ヘルシーなライフスタイルを提案する雑誌やSNS、そしてそれらのアイコンとなるインフルエンサーたちが近頃こぞって使うキーワードが、発酵食品を意味する“fermented(ファーメンティド)”や“cultured(カルチャード)”。腸内環境を整えることで生まれる、美容と健康効果にアメリカの女性たちが魅了されているようです。ヨーグルトやチーズ、ピクルスなど欧米圏で親しまれてきた発酵食品はもちろん、最近は日本の味噌や韓国のキムチなどの異文化圏から生まれた発酵食品などの注目度も急上昇。特にヘルシー志向が強いカリフォルニアの女性たちは、キッチンにいくつもの手作り発酵食品・飲料を常備するのが新しいスタンダードとなってきています。
カリフォルニアではキムチを自宅でつくるワークショップなどが頻繁に開催されるほど発酵食品が大人気。
数ある発酵食品・飲料の中でも、プロバイオティック(善玉菌)が豊富に含まれているといわれる、コンブチャ、*ジュンティー、そしてココナッツケフィアが一般的に人気で、ヨーグルトなど牛乳ベースの乳製品は避けられがちなのが最近の傾向です。他の発酵乳製品やコンブチャにも負けないココナッツケフィアの魅力は、ココナッツが持つ自然の甘みと栄養価の相乗効果に秘密があるようです。
*ジュンティー:“コンブチャシャンパン”と呼ばれるコンブチャの進化版。通常のコンブチャに使用される紅茶と砂糖の代わりに、緑茶とハチミツを使用するもの。
ココナッツケフィアの美容・健康効果とは?
そもそも、ケフィアの栄養価や効能はヨーグルトよりも高いといわれており、従来は牛乳の中にケフィアグレイン(ケフィアのたね菌)を加えることで発酵が進み、ケフィア飲料として完成します。しかしアメリカではここ数年牛乳ベースの乳製品に対してネガティブな意見が多いのが実情。乳糖を体内で分解できない乳糖不耐症の人はもちろん、牛乳自体が高カロリーである上に、吹き出物を誘発する可能性があるという見解も。さらに、ハーバード大学を含むその他研究機関などの報告の中に、前立腺ガンや卵巣ガンの発症リスクを示唆する研究があったのも影響しているようです。またアメリカの牛乳には、日本では使用禁止とされている遺伝子組み換え成長ホルモンの問題もあり、健康意識の高い人たちは牛乳ベースの乳製品から距離を置くような流れがあるのです。
そのような背景の中で、ココナッツミルクやココナッツウォーターをベースとしたココナッツケフィアが人気を集めるようになりました。牛乳ベースのケフィアの場合、牛乳に含まれるラクトース(乳糖)をエサとしてバクテリアが繁殖していきますが、ココナッツにも善玉菌が育つのに十分な天然の糖質分が含まれており、菌が生きたままの状態でケフィアへと発酵します。ココナッツに含まれる自然な甘さが、ケフィアの発酵を進めるのに最適だったというわけです。加えて、スーパーフードとして知られるココナッツの栄養価はいわずもがな。若いココナッツは特にビタミンやミネラルを豊富に含み、抗酸化物質も持ち合わせていることから、エイジングや美肌にも効果があるといわれています。さらに低カロリーで脂質をほとんど含まないことも、牛乳ベースのケフィアに代わり冷蔵庫のスペースを確保した理由の一つ。また同じようにプロバイオティックを含むコンブチャはベースが紅茶であるのに対して、ココナッツケフィアはベースも菌もそれぞれで栄養価が高く、相乗効果でさらなる美容・健康効果が期待されているのです。
ミネソタ発のココナッツウォーターケフィアドリンク。市販のココナッツケフィアも続々と増加中。
ハワイ産のココナッツケフィアも登場。全米の各地で人気を集めているよう。
実はオーストラリアでも大人気のココナッツケフィア。多くのブランドから発売されています!
コンブチャよりも短時間で手作り!
ケフィアは生きた酵母が入っているため、密閉した容器の中でもガスを発生しながら発酵が進みます。そのため市販の商品よりも、蓋の開け閉めが調整できる手作りの方が、プロバイオティックも多く、栄養価も高いのです。また、一度ケフィアグレインで作り始めれば、次々に再利用できるのも魅力。アメリカではオンラインで簡単に手に入るので、手作りする女性が増えているのも納得です。
ケフィアグレインにはミルクケフィアとウォーターケフィアとの2種類があります。ミルク系の液体(ココナッツミルクやソイミルクなど)で作りたい場合はミルクケフィアを、そしてそれ以外の液体(ココナッツウォーターやレモネードなど)を使用します。
ミルクケフィアの場合は、ヨーグルトのようなまろやかさが出るので、フルーツと一緒にボールやスムージーへのアレンジがおすすめ。
ウォーターケフィアの場合、酸味以外の味がほとんどないためアレンジが自由自在。カクテルなどにプラスするレシピも出ているようです!
ここではアレンジの幅が広いウォーターケフィアを使い、少し応用の効いたココナッツローズケフィアの簡単レシピをご紹介します。
ココナッツローズケフィア(材料 4人分)
- ココナッツウォーター・・・1リットル
- ケフィアグレイン・・・大さじ4
- ローズウォーター・・・大さじ2
- シナモンスティック・・・1本
冷えたココナッツウォーターを使用する場合は、常温の状態に戻す。
常温のココナッツウォーターを大きめの蓋つきガラス容器に入れる。
※ガラス容器は煮沸洗浄などで、必ず殺菌処理をしておいてください。
②にケフィアグレイン、ローズウォーター、シナモンスティックを加える。
*ケフィアグレインは購入したメーカーによって、事前処理が必要なものもあります。菌をアクティブにするために砂糖水に浸しておく種類もありますので、各メーカー説明書に従いましょう。
ガラス容器にしっかり蓋をする。さらにキッチンタオルなどで覆い、ゴムで留めて常温で1~2日間保管する。
24時間経過した段階で一度蓋を開け、酸味のある香りが出ているか確認する。
*ヨーグルトのような酸っぱい香りになります。菌がきちんと生きている場合は、泡がブクブクと出ている状態になるので、注意して観察してみましょう。
完成したら、ケフィアグレインを取り出す。次回の使用分に使えるので保管しておく。
*保存方法もメーカーによりますので、説明書を確認しましょう。
中に入れるフルーツによってアレンジが広がります。体調や好みに合わせて、いろいろ試してみるのも楽しいですね。
ホームメイドを上手く利用して
手作りやホームメイドと聞くと、手間がかかり大変そうと思いがちですが、今回ご紹介したココナッツケフィアは約1~2日で完成します。コンブチャの発酵が数日から10日間かかることを考えれば、手間も時間も半減。それほど時間も手間もかけずに市販の商品よりもヘルシーで、発酵食品を取り入れる機会が増えそうです。何よりも作っているのが自分自身ですから、入っている材料や調味料に不安を覚えることもありません。すべてを自給自足に、というわけにはなかなかいきませんが、手間と時間と健康とお財布事情のバランスを取りながら、ホームメイドを少し増やしてみるのもいいかもしれません。
参考サイト
https://www.wellandgood.com/good-food/coconut-rose-kefir-recipe/
http://www.onegreenplanet.org/vegan-food/why-you-should-try-coconut-kefir-the-wonder-elixer/