LA&OC発信の根菜ディッシュで、すこやかに美しく!
秋も深まり一段と肌寒くなってきたこの季節は、温かい食事を頂いて、ほっこりしたくなるものです。秋から冬にかけては、とくにさまざまな根菜類が多く出回ります。根なので見た目がゴツいモノもありますが、旬のものだけに栄養も豊富。たっぷりの食物繊維が消化を助けてくれるので、ダイエットにも最適です。さらに、美肌効果も高いので、夏に受けたダメージ肌の回復にも繋がるなど、今の時期に根菜類を口にしないなんて、“もったいない”ほど。改めて、根菜類の魅力を確認しながら、美味しく頂く工夫をカリフォルニアの根菜事情とともにご紹介しましょう。
カリフォルニア発!秋冬の根菜の栄養素と日本でも実践できる調理法
日本と同様、ここカリフォルニアでもこの季節はさまざまな根菜類がスーパーに並びます。LA(ロサンゼルス)とOC(オレンジカウンティー)のスーパーで目にしやすい代表的な根菜類とその栄養素や調理法をご紹介しましょう。もちろん、日本でも手に入る根菜類で代替可能です! ぜひ、旬の根菜を“LA&OC流”に、さらには“あなた流”にアレンジしてくださいね。
カボチャ=パンプキン(Pumpkin)
抗酸化作用のあるβカロテンの含有量は他の野菜に比べて極めて高く、ビタミンCも豊富。免疫を高め細菌からの感染を予防する作用があります。他にビタミンEやカリウムも含まれていて、女性にはうれしい根菜の代表格。煮たり、焼いたり、油で炒めたりなど、さまざま調理法で美味しく頂けます。
ニンジン= キャロット(Carrot)
抗発ガン作用や免疫賦活作用のあるβカロテンを含みます。このβカロテンは体内でビタミンAに代わり、髪や肌を美しくすこやかに。またキャロットは油と相性が良く、油と一緒に摂取することでビタミンAの効果が増します。ヘルシーなオイルとともにたっぷり味わってください。
サツマイモ=スイートポテト(Sweet Potato)
脂肪を燃焼させるビタミンB2を多く含みます。また血液の循環を促し皮膚の新陳代謝を高め、冷え性予防にもなるビタミンEやビタミンCも豊富。オーブンで焼いたり、煮たり、炒めたりしてもOKです。『スイートポテト・トースト』の記事でも紹介しましたが、アメリカでは2018年のトレンドフードの一つ。
ビーツ(Beets)
スーパーフードとしても人気のビーツは「飲む血液」といわれています。むくみの解消や血圧の上昇を防ぐカリウムは、レタスやトマトの2倍以上。ベタニシアンという色素はポリフェノールの一種で強い抗酸化作用があります。体を温める食べ物として『ビーツのポタージュレシピ』を紹介しましたが、ビーツは熱を加えるのが基本。下ゆでした後に炒めたり、オーブンで焼いたりしても美味しく頂けます。
カブ=ラディッシュ(Radish)
日本の一般的な白いカブよりも実が小さく赤いラディッシュは、日本のスーパーでも手に入るところが増えてきたようです。美肌を導き、ウィルスへの抵抗をつけるビタミンCが豊富。とくに赤い皮の部分に多く含まれています。また胃腸の働きを高める消化酵素のアジスターゼ(別名アミラーゼ)や血液中の赤血球を作る葉酸も多く含まれています。サラダに最適ですが酢漬けにしても。
バターナッツ・スクワッシュ(butternut squash)
アメリカではおなじみのカボチャ、バターナッツ・スクワッシュは、ニホンカボチャの品種の一つだそうです。紫外線からのダメージ肌を整えるビタミンAやCをはじめ、体内の余分な塩分を排出し浸透圧を維持調整する働きがあるカリウムが豊富。スープにしたり、オーブンでグリルにしたり、こちらも日本で私たちがよく食べているカボチャ同様、火を通す料理が最適です。
ヒカマ(Jicama)
日本ではほとんど目にしないヒカマは、沖縄で栽培されることがあるそうです。メキシコ原産のこの野菜は、日本では「クズイモ」と呼ばれています。一見する見た目と異なり、中味は水分をたっぷり含んだフルーツのよう。水溶性植物繊維のイヌリンをたくさん含み、ビタミンCも豊富。低カロリーなのでダイエットに最適です。梨のようなシャリシャリとした食感を活かしたサラダや油で炒めてもいいので幅広く料理に使うことができます。
パースニップス(Parsnips)
白ニンジンとも呼ばれ甘さと苦味が特徴。糖質を分解・代謝してエネルギーに変える働きのあるビタミンB1はじめ、ビタミンE、A、Cなども豊富。鎮静作用、抗ガン作用などさまざまな作用があり、ヨーロッパでは薬草としても扱われているそうです。スープやシチュー、炒め物やフライに最適。
旬の根菜を使った簡単レシピ4選
毎日少しずつ取り入れたい旬の根菜類、簡単なレシピを4つ選りすぐってご紹介します。手間暇かけずにパパッと作ることができるレシピなので、「あともう1品欲しい!」という時にもお役立てください。
1. デトックス中に取り入れたい「ヒカマのサラダ」
水分と食物繊維が多いヒカマが体内の毒素を排出する作用を促します。ヒカマのシャキシャキッとした食感も楽しめます。胃腸の働きを高め美肌を導くラディッシュも添えて。「ヒカマ」は日本では入手しにくいので、代わりに「クズイモ」や手に入れやすい大根を代用しても美味しく頂けます。
ヒカマのサラダ<材料 1人分>
- ヒカマ・・・1/2個
- ラディッシュ・・・1個
- パクチー(コリアンダー)・・・少々
- パンプキンシード 10粒ほど
- ポン酢・・・少々(お好みで調整してください)
<作り方>
ヒカマを半分に切って皮をむき、千切りにして水にさらしてシャキッとさせる。
ラディッシュはイチョウ切りにする。
ヒカマ、ラディッシュの水を切り、パクチーをちぎり、パンプキンシードも乗せて、ポン酢をかければ出来上がり。
2. 肌・髪をしなやかに整える「キャロットとオニオンのパスタ」
βカロチンを多く含むニンジン(キャロット)と血液の循環を促すタマネギ(オニオン)が美肌&美髪を導きます。ココナッツオイルで炒めてヘルシーに。
キャロットとオニオンのパスタ<材料1人分>
- ショートパスタ・・・50g
- ニンジン・・・1本
- タマネギ・・・1/4個
- ニンニク・・・1片
- シーソルト、ブラックペッッパー・・・少々
<作り方>
ショートパスタを茹でる。
ニンジンとタマネギ、ガーリックを粗くみじん切りにして、オリーブオイルで炒める。
茹でたパスタを②に混ぜて、シーソルト、ブラックペッパーをふれば完成。
3. むくみ解消&肌ダメージを癒す「ビーツとラディッシュの混ぜご飯」
血圧を下げ体のむくみを解消する働きがあるビーツをメインに、ビタミンCが豊富なラディッシュや代謝をよくするショウガもミックス。
ビーツとラディッシュの混ぜご飯<材料1人分>
- ビーツ・・・1個
- ラディッシュ・・・1/2個
- タマネギ・・・1/4個
- ニンニク・・・1/2片
- ショウガ・・・少々
- ひき肉・・・10g
- ブラックビーンズ(缶) 大さじ1杯
- ご飯・・・ご飯茶碗 1杯
- ゴマ油・・・少々
- パクチー(コリアンダー)・・・少々
- ヘンプシード・・・一摘み
<作り方>
下ゆでしたビーツとラディッシュをイチョウ切りにカット。
タマネギ、ニンニク、ショウガは粗くみじん切りに。
ビーツ(半分の量)、タマネギ、ニンニク、ショウガ、ひき肉をゴマ油で炒め、火が通ったら白飯とブラックビーンズを入れてさらに炒める。
③をボウルに盛り付け、ラディッシュとパクチー、ヘンプシード、ビーツ(残りの半分)をトッピングすれば出来上がり。
4. ダメージ肌を整える「ミックスルーツベジタブルのグリル」
βカロテンやビタミンCが豊富なパンプキン、バターナッツスクワッシュ、スイートポテトの3種をチョイス。ビタミンE、ビタミンA、 B2と多種のビタミンが含まれているので総合的に肌の活性化を施しすこやかに! バターナッツスクワッシュは、日本では「鶴首かぼちゃ」で代用できるものの、なかなか入手しづらいので、お好みの根菜を使ってお試しください。カラフルな色合いも添えられるニンジンやビーツ、紫イモ(ベニイモ)なども美味しくて、おすすめです。
ミックスルーツベジタブルのグリル<材料1人分>
- パンプキン・・・1/4
- バターナッツスクワッシュ・・・1/4
- サツマイモ・・・1/4
- ローズマリー・・・1本
- オリーブオイル・・・適量
- シーズニング(各種のハーブをミックスしたスパイス)・・・適量
- パルメジャンチーズ・・・適量
<作り方>
パンプキン、バターナッツスクワッシュ、サツマイモをスライスする。
オーブントレーに並べた①の上にオリーブオイル、シーズニング、パルメジャンチーズの順にまぶし250〜300°Cのオーブンに入れて40〜50分すれば完成。
日本でも応用OK!LA&OC人気のスーパー「トレーダージョーズ」の根菜アイテム
パーティーが増えるこのシーズン、LA&OCで人気のスーパー「トレーダージョーズ (Trader Joe’s)」でも根菜に最適なアイテムに注目が集まっています。根菜をさらに美味しく楽しむアイディアを人気アイテムとともにご紹介しましょう。
1. ホースラディッシュ・アイオリ(HORSERADISH AIOLI)
ラディッシュの一種であるホースラディッシュ。西洋ワサビとも呼ばれています。血流をアップさせ、シミやソバカスを防ぐ効果もあるとされ、アンチエイジングを促すとのこと。日本では瓶詰で販売もされているアイオリソースに、ラディッシュを加えてアレンジしてみてはいかが?パーティーでは野菜スティックのディップとして活躍しそう。
2. パンプキンスパイス・アーモンドビバレッジ(Pumpkin Spice ALMOND BEVERAGE)
ビタミンB2やEなど多くの栄養素を含むアーモンドベースとβカロテンが豊富なパンプキンピュレーをミックス。アメリカの秋を彷彿させるパンプキンスパイスと甘いカボチャのフレーバーが特徴的な濃厚なビバレッジです。手作りのパンプキンスパイスと裏ごししたカボチャ、さらにアーモンドミルクを使って、手作りすればよりヘルシーに!パーティーではショットグラスに入れてデザートの一つとして配れば、話題作りに最適です。
3. ジュリエンドルートヴェジタブルス(JULIENNED ROOT VEGETABLES)
食物繊維たっぷりのキャロット、ビーツ、パンプキン、スイートポテトを細切りにカットしシーズニングをまぶした冷凍のルーツベジタブルミックス。パッケージを開けてオーブンで焼くだけで、根菜グリルが完成します。このアイデアは日本でも応用できそうです。
ゴボウやニンジン、ビーツ、カボチャ、サツマイモなど旬の根菜を細切にカットして、まとめて冷凍しておけば、トレーダージョーズの製品のように、シーズニングを振りかけオーブンで焼いた「根菜グリル」、和食の王道である根菜の「きんぴらゴボウ」や「根菜のお味噌汁」、また他の野菜と併せて「根菜の野菜炒め」など、さまざまな根菜料理に使用でき、重宝します。根菜を気軽に食べることができるのでおすすめですよ。
日本ではトレーダージョーズオリジナルの製品ではなくても、同じような製品がアマゾンや楽天などのインターネットで入手できます。そのエッセンスを取り入れて、LA&OC流の根菜ディッシュをお楽しみてください。
女性こそ旬の根菜を!
土に根を張る根菜は、体を温めてくれることでも知られています。今が旬の根菜は栄養価も高いばかりか、冬の体を内側から温めてくれるため、特に冷え症が多いといわれている女性は積極的に口にしたい頼もしい食材。かつては地味な印象を持たれていた根菜ですが、今では、赤、オレンジ、黄、緑など、発色のいいカラーも豊富で、日本国内のどこのスーパーでも手軽に入手することができます。目も楽しめるバリエーション豊富な根菜ディッシュのレパトリーを増やせば、すこやかな美しさまで自然に手に入りそうです。さっそく、今晩のメニューに取り入れてみてくださいね。