アメリカで人気上昇中のドリンク、ケフィアが健康にいい理由

朝食にヨーグルトを食べている方も多いと思いますが、ヨーグルトよりも体にいいと言われる乳製品があるのをご存知でしたか？　それは、牛乳を発酵させた乳飲料、ケフィアです。昨年からこのケフィアの人気が、アメリカで急激に高まっています。これまではスーパーで見かけても「ヨーグルト味のドリンクかな？」としか思わずに手を出していなかったのですが、先日『The Chew』というお昼のTV番組で「今年一番お薦めしたいスーパーフード」と紹介されていたのを機に、購入してみました。味は同じく牛乳を発酵させたヨーグルトに似ていますが、あまりどろどろしていないので飲みやすかったです。そしてたったの一日で、腸の働きが活性化されたのを実感。これは確かに体に良さそう！そこで、ケフィアがヨーグルトよりも健康的な食品と言われている理由を探ってみました。

ケフィアは栄養の宝庫

発酵した飲み物であるケフィアは、カリフラワーのような見た目のたね菌を牛乳に加えることによって作られます（パウダー状で売られているたね菌もあります）。乳酸菌や酵母などの微生物から成るたね菌を牛乳に加えると、24時間ほどの発酵する過程で微生物が乳糖を分解し、ケフィアになります。乳酸菌が牛乳に含まれるラクトース（乳糖）を乳酸に変えるため、ケフィアにはヨーグルトのような酸味があるのです。そして、175ミリリットル（約100キロカロリー）のケフィアには、主に以下の栄養素が含まれています。

プロテイン：６グラム
カルシウム：１日栄養所要量の20％
リン：１日栄養所要量の20％
ビタミンB12：１日栄養所要量の14％
ビタミンB2：１日栄養所要量の19％
マグネシウム：１日栄養所要量の5％

この他にビタミンB1、 B6、ビタミンDも入っています。ちなみにビタミンB群は、美肌に効果的です。

ケフィアは骨を強くし、骨粗鬆症になるリスクを減らせる

実はケフィアは水やココナッツミルクでも作ることが可能なのですが、牛乳で作るケフィアは、素晴らしいカルシウム源であるばかりか、カルシウムの吸収を助けるビタミンK2源でもあります。最近の実験結果によると、ケフィアは骨の細胞のカルシウムの吸収を増やすことができるとのこと。骨粗鬆症の予防にも最適ですね。そしてカルシウムを多く摂取することは、骨だけでなく歯の強化にもつながります。虫歯が気になる人にも、ケフィアはおすすめです。

ケフィアに含まれる善玉菌はヨーグルトよりも強力

善玉菌（プロバイオティックス）として知られる細菌は、食べ物の消化や、体重管理に良い影響を及ぼします。ケフィアにある善玉菌は、体内の有害な菌の増殖をせき止め、免疫力を高める手助けをしてくれます。ヨーグルトも善玉菌を持つ食品として知られていますが、ケフィアの善玉菌はヨーグルトよりもはるかに強力だそう。ケフィアには、30種類もの乳酸菌と酵母が含まれているのです。ヨーグルトに含まれる乳酸菌はその種類が1、2種類と数が少ない上、酵母は含まれていません。ケフィアは乳酸菌と酵母による発酵飲料なので、栄養成分に違いが出るのです。

ケフィアは腸の働きを助ける

ケフィアは、腸内の善玉菌のバランスを整えるのを助けてくれます。腸にたどりついた善玉菌が乳酸を生み出し、乳酸によって腸内が酸性になることで、悪玉菌の増殖が抑えられ、腸の機能が活性化し、消化吸収が促進されるのです。冒頭でも触れたように私がまず実感したのはこの点でしたが、一日飲むだけでヨーグルトよりも効果がありました。腸の不調は、免疫力を下げるだけでなく肌荒れなどの原因にもなりますから、ケフィアは結果的にお肌にもいい効果をもたらしてくれます。善玉菌は継続的に腸内に補充するといいそうなので、ケフィアを飲むことを習慣化してみようと思います。

最後に、一般の乳製品には乳糖（ラクトース）と呼ばれる糖分が含まれていますが、この乳糖を体内で分解できない「乳糖不耐症」という体質の人もいます。しかし、ケフィアは発酵によって、乳糖が乳酸に変わるので、牛乳よりも乳糖が遥かに少なく、乳糖不耐症の人でも飲める人が多いとのこと。

さて、非常に魅力的なこのケフィアですが、日本では通販以外では見つけることは困難。ケフィアには生きた酵母が入っているので、密封した容器の中でも発酵が進み、ガスの力で容器が膨らんでしまうためだそう。私がスーパーで購入したケフィアは、どうやら殺菌処理がなされていたようです。ただ、ケフィアのたね菌は健康食品店などで売られています。アメリカの市販のケフィアは保存料や砂糖が加えられているものが多いのですが、たね菌さえ購入すれば、誰でも簡単にケフィアを作ることが可能です。
私のようにまだケフィアを飲んだことのなかった方、一度試してみてはいかがでしょう？