「6月病」を撃退!美肌づくりの第一歩はストレスケア

日本では梅雨の季節が目前、ジメジメとした湿気に体力も奪われることでしょう。新生活をスタートさせ、5月の大型連休も思いっ切り遊び、ふと気が緩む時期でもあります。最近は「6月病」という表現もあるほど、この時期は心身共に健康状態が低下する傾向があるようです。女性の場合、ストレスを感じることで大きな影響を受けるのが、肌のコンディション。肌状態が悪化していると、気分もさらに落ち込み、心と体のバランスが崩れてしまいます。ストレスをコントロールすることは、美肌をキープする秘訣です。そこで、心の健康から美肌を導くために、【理論編】と【実践編】の2回にわたって、女性の大敵であるストレスと肌の密接な関係を紐解いて行きます。まずは【理論編】にて、ストレスがいかに肌に影響するか、その仕組みから確認しましょう。

「肌は、心の鏡」

「6月病」を撃退!美肌づくりの第一歩はストレスケア

幸せな気分のときは肌も絶好調、反対にイライラや心配事が多いときは、ニキビやシミなどの肌トラブルが連続する…、心の状態を肌が映し出しているかのような経験をした女性も多いことでしょう。実際に、精神的な健康が肌状態に大きく影響することは以前から知られています。特に最近になってからは、「肌にとって最も良くないのは、メンタルストレスである」という研究結果もあり、肌とストレスに関わるさまざまなリサーチが続々と報告されているのです。

アメリカの男女422人を対象にした研究でも、ストレス度の高い人ほど、肌がかゆくなる掻痒症(そうようしょう)や過度の乾燥、過剰な皮脂分泌など、不健康な肌状態を持つ人が多いという結果がリポートされています。また諸外国の研究でも、「ストレスとニキビ」「ストレスとシミ・肝班」など、心の状態がさまざまな肌トラブルの発生と悪化に関連しているリサーチが進んでいます。

では、なぜメンタル的なストレスが肌状態にそこまで影響するのでしょうか?ストレスが肌に悪いことはなんとなく実感的に分かっていても、その直接的なメカニズムを知らない方も意外と多いはず。心と肌がどうやって結びつくのか、それを理解することで、ストレスケアがいかに大切か、美肌への道が見えてきます!

ストレスは内側から肌を壊している!

「6月病」を撃退!美肌づくりの第一歩はストレスケア

ストレスと肌の関係を探るために、肌の構造と働きを簡単に復習しておきたいですね。私たちの肌は「表皮」「真皮」、その下に「皮下組織」という層で構成され、表皮の最も外側にあるのが「角層」と呼ばれる細胞(上記イラスト)です。

角層は外的刺激から肌を守り、同時に内側から水分が蒸発するのを防ぐマスクの役割も果たしています。その角層内の細胞を密着させ、肌を守るバリア機能を高めているのがセラミド。もっちり、ふっくらとした肌には欠かせない成分です。一方、真皮は肌本来の成分であるエラスチンとコラーゲンによって、肌のハリと弾力を保持しています。そのすき間をヒアルロン酸が埋め、肌の水分をキープしているのです。また角層を含む表皮のターンオーバーは通常は約28日周期で行われ、肌の細胞が新しく生まれ変わります。これにより、一般的な生活の中で発生した薄いシミやくすみが剥がれ落ちやすくなります。しかし加齢によって、セラミド、エラスチン、コラーゲン、ヒアルロン酸は生産量が減少し、ターンオーバーの周期も減速していきます。40代で約40日周期までになるともいわれています。

これらが肌の一般的な構造、働き、特徴であり、全てが正常に働くことで、健康的な肌を維持できるのです。またそれらの足りない成分や役割を補うために、化粧品などの助けを借りて、美肌を目指しているというわけです。肌本来の成分や機能を減少させる要因は、加齢以外にも紫外線や間違ったスキンケアなどありますが、その一つが「ストレス」です。特にストレスは、内側から肌の成分や構造を変えてしまうため、肌にとって大敵とされているのです。

肌トラブルの元凶はストレスホルモン

「6月病」を撃退!美肌づくりの第一歩はストレスケア

ストレスによる全ての肌トラブルの元凶となり、心と肌を結び付けてしまうのが、脳から分泌される一連の「ストレスホルモン」です。そもそも人間は精神的なストレスを感じると、それに対抗するために防御本能として脳からストレスホルモンが分泌されます。しかし、極度のストレス環境下やストレス状態が慢性化すると、ストレスホルモンは過剰分泌になり、免疫機能とのバランスが崩れてしまうのです。数種類あるストレスホルモンですが、一つ分泌されることで、違うストレスホルモンを誘導し、次々に放出され始めます。またストレスホルモンが交感神経など、他の神経系統を刺激することで、別の成分を分泌し始めるなど、複合的に働くため、肌だけではなく体全体にも大きな影響を与えることになるのです。「ストレスを感じた」と脳が識別するだけで、さまざまなホルモンと神経を使って(防御)反応しようとするわけですから、過剰にストレスを感じることが、どれだけ「毒」なのかが分かります。

ストレスホルモンが引き起こす肌トラブル

「6月病」を撃退!美肌づくりの第一歩はストレスケア

大人ニキビや吹き出物

ここでは主に、ストレスホルモンが肌に与える影響をご紹介していきます。ストレスによって引き起こされる肌トラブルで最も特徴的なものが、大人ニキビや吹き出物です。これも一連のストレスホルモンが皮脂を生成する脂腺細胞を活性化させてしまうため。毛穴に詰まった皮脂がニキビや吹き出物の原因となり、結果的に心の状態を肌に映し出してしまうのです。以前サイト内でも紹介した顎ニキビの記事内でもストレスとニキビの関係を詳しく説明しているので、ご参照ください。顔の肌だけでなく、頭皮のベタ付きもストレスが原因で増加するといわれています。

シミや肝斑

シミや肝班も、ストレスにより悪化することが知られています。各種ストレスホルモンによって活性化された交換神経が放出するアドレナリンが、ストレスホルモンとともにメラノサイト(メラニン形成細胞)を刺激し、色素沈着を促進してしまうからです。同時に、交感神経が優位に立つことで自律神経が乱れ、シミを薄くしてくれるはずのターンオーバーも減速し、肌に定着しやすい状態になっていきます。

肌老化

「6月病」を撃退!美肌づくりの第一歩はストレスケア【理論編】

慢性的なストレスが肌老化(エイジング)も進行させてしまうことが、最近の研究によって判明してきました。ストレス環境下にあることで、皮膚のコラーゲン分解酵素が刺激され、真皮のコラーゲンやエラスチンが減少してしまいます。肌の酸化(老化)が進むということは、肌のハリや弾力を支える成分の生成量が著しく減ってしまうことになり、しわの増加につながります。また肌のエイジジングが進行していけば、バリア機能や水分保持力の低下で乾燥状態にも発展します。表面の皮脂は多いのに、肌の内側は乾き切っている肌状態は、さまざま肌トラブルを複合的に巻き込み、改善に時間が掛かってしまうこともあります。ストレスが、さらなるストレスを呼ぶ悪循環は避けたいところですね。

上記からまとめると、ストレスが関係する肌トラブルに以下が挙げられます。

【ストレスホルモンが引き起こす肌トラブル】
◆大人ニキビ、吹き出物
◆シミ、肝班
◆しわ、たるみ
◆乾燥

 

ストレスホルモンは、肌の美しさへのトラブル以外にも肌の疾患に多大な影響があることも知っておきましょう。

【ストレスホルモンが引き起こす肌疾患】
◆じんましん、接触性皮膚炎
◆アトピー性皮膚炎
◆円形脱毛症
◆皮膚ガン

 

心を整えることは肌を整えること

肌トラブルがなかなか改善しないとお悩みの女性は、その原因がストレスにあるかもしれません。いくら優れた機能を持つ化粧品を使用していたとしても、過度なストレス状態では、内側から肌に毒を放出し続けているようなもの。肌を整えるなら、まずは心を整えることが大切です。こちらの【理論編】をお読みいただき、ストレスがいかに肌に影響を与えているかお分りいただけたことでしょう。しかしながら、現実にはストレスフリーな生活を送ることはなかなか難しいのも事実です。可能な限りストレスを取り除く手助けとなる方法を次の【実践編】にてご紹介します。ぜひ、ストレスマネージメントの参考にしてみてくださいね。

出典

https://www.self.com/story/how-stress-impacts-skin
https://www.webmd.com/beauty/the-effects-of-stress-on-your-skin
https://www.flare.com/celebrity/celebs-dealing-with-stress/
https://www.womenshealthmag.com/fitness/g19956967/13-celebrities-who-say-hiking-helps-them-stay-crazy-fit/
https://style.nikkei.com/article/DGXMZO08354420U6A011C1000000/

この記事を書いたライター

Beauty Lifestyle Writer

東京でファッション誌の編集・ライターとして活動後、渡米。LAではセレクトショップのバイヤーに。妊娠、出産を機に退職した後はフリーランスのライターとして活動再開。Newスポットの探索、本屋巡り、図書館でお籠り、ハワイへの逃避行が大好き。娘の笑顔とアイスクリームさえあればとりあえず幸せな30代女子です。

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