おもてなしにも、おもたせにも!食べて美しくなるパイデザート
グンと寒くなったこの季節、鍋でコトコト煮込むシチューやオーブンを使った料理がテーブルを賑わせます。デザートも温か味のあるものが欲しくなります。なかでも「パイ菓子」は、新年の集いなども多いこの時期定番のデザートです。パーティーでおもてなしをするときも、おもたせとして持参するときも、豪華な見栄えのパイは適任!サクサクとした歯ごたえとしっとりしたフィリングの絶妙な食感が楽しめるパイは、フィリングを工夫すればヘルシーかつビューティーな栄養効果まで期待できます。今回は、食べて美しくなるアメリカで人気のパイ菓子を簡単なレシピとともにご紹介します。
食物繊維豊富でアンチエイジング効果も期待!「メープルピーカンパイ」
噛むたびにピーカンのジューシーな旨味とほろ苦いメープルの風味、サクッとしたパイ生地が口の中で絶妙なハーモニーを生み出します。ナッツの中でも抗酸化物質を多く含み、アンチエイジング効果の高いピーカン。「バターの木」とも呼ばれる、くるみ科の落葉高木から採れます。このピーカンは、食物繊維も豊富で腸の働きをスムースに導くことでデトックス効果もあります。
メープルシロップは、甘味料や香り出しとしてよく使われますが、栄養価の高い食べ物としても評価されています。例えば、歯や骨の形成に役立つカルシウムとマグネシウムが豊富。これらの成分は美しく丈夫で健康的な歯へと導いてくれます。また、体内の余分な塩分を排出するカリウムも含まれているので、むくみを解消しデトックス効果もあります。
他に細胞の成長に欠かせない栄養素であるリボフラビンや炭水化物や脂肪の代謝、エネルギーの生成に必要なナイアシンも含まれています。
「メープルピーカンパイ」<材料 パイ皿(9インチ/23cm)1ホール分>
- 市販の冷凍パイシート・・・2枚
- 溶かしバター・・・ 1/2カップ
- ブラウンシュガー・・・1カップ
- コーンシロップ・・・2/3カップ
- ザク切りにしたピーカンナッツ・・・1.5カップ
- 飾り用のピーカンナッツ・・・1/2カップ
- バーボン・・・大さじ1
- バニラエッセンス・・・小さじ1
- 全卵・・・3個
- 生クリーム・・・1カップ
※こちらのレシピでは1カップはアメリカサイズの8oz/237mlです。
<作り方>
パイシートをパイ皿に敷いてフチの部分は指で押さえて固定します。
200℃で予熱したオーブンに①を10分入れてパイ生地を軽く焼いておきます。
パイシート以外の材料全てを混ぜて②にのせて、最後に飾り用のピーカンを並べ180℃に設定したオーブンに入れ20分間焼けば出来上がり。
お通じ良好!肌のターンオーバーも促す「スウィートポテトパイ」
消化を助ける食物繊維が豊富なサツマイモ。サツマイモの植物繊維には2種類あります。一つは水に溶ける水溶性植物繊維。この種の繊維は余分な糖質や脂質をキャッチする役割があります。もう一つは、水に溶けない不溶性植物繊維です。水溶性植物繊維によってキャッチされた糖質や脂質を排出する働きが!
またサツマイモの白いミルク状の液体に含まれるヤラピンという成分は、腸内環境を整えて老廃物を排出することで肌の調子を整える働きがあり、ブドウ糖の代謝に欠かせないビタミンB1も含有されています。さらに、サツマイモには、米飯の18倍ものカリウムが含まれるため、体内の余分なナトリウムを体外に排出。加えて、サツマイモを加熱することで、これらの植物繊維やビタミンB1の数値もアップするともいわれ、「難消化性デンプン」と呼ばれるレジスタントスターチが腸内環境の改善や血糖値の上昇を抑制してくれるのです。サツマイモをしっかり加熱するパイはうってつけというわけです。
「スウィートポテトパイ」<材料 パイ皿(9インチ/23cm)1ホール分>
- 市販の冷凍パイシート・・・2枚
- マッシュしたスイートポテト・・・2カップ
- 溶かしバター・・・大さじ3(45ml)
- 卵(溶いておく)・・・2個
- ブラウンシュガー・・・1/2カップ
- ホワイトシュガー・・・1/4カップ
- 牛乳・・・ 1/2 カップ
- 生クリーム 1/4カップ
- シナモンパウダー・・・1ティースプーン
- ナツメグ・・・ 1ティースプーン
- バニラエッセンス・・・小さじ1
- レモン汁・・・大さじ2
※こちらのレシピでは1カップはアメリカサイズの8oz/237mlです。
<作り方>
190℃でオーブンを予熱しておく。
マッシュしたスイートポテトと溶かしバターを混ぜる。
卵、砂糖(2種類)、牛乳、シナモンパウダー、ナツメグ、バニラエッセンス、レモン汁、生クリームを②に混ぜる。
市販の冷凍パイシートをパイ皿に敷き、③を流し込んでオーブンで50~60分焼けば出来上がり。
肌荒れを防ぐβカロテンが豊富「パンプキンパイ」
アメリカでは、ハロウィーンやサンクスギヴィングデーの代名詞のようなパンプキンパイは、一年中人気の定番パイの一つです。パンプキンにはいろいろな種類がありますが、ここでは日本のカボチャを取り上げましょう。カボチャといえばβカロテンが豊富なことは広く知られていますね。このβカロテンは体内でビタミンAに変換されるので、皮膚や粘膜を正常に保持し肌荒れや乾燥を防ぐ役割を果たしてくれます。
また、カボチャにはビタミンCやEも含まれています。通常ビタミンCは熱に弱いのですが、カボチャに含まれるビタミンCは熱に強く、加熱しても摂取することが可能!老化防止や美肌を導く働きが期待できます。ビタミンEもCと同様に肌を整える作用があります。
「パンプキンパイ」<材料 パイ皿(9インチ/23cm)1ホール分>
- 市販の冷凍パイシート・・・2枚
- カボチャ正味・・・300g
- 砂糖・・・60~100g
- シナモン(粉末)・・・ 小さじ1
- ナツメグ・・・1振り
- 卵・・・1個
- 牛乳または生クリーム・・・70cc
<作り方>
種を取ったカボチャは電子レンジで柔らかくなるまで加熱。熱いうちに皮を剥き裏ごしするかフードプロセッサーで潰す。
市販の冷凍パイシートをパイ皿に敷いて210℃のオーブンで8~10分加熱して素焼きに。
ボウルに砂糖、シナモン(粉末)、ナツメグ、卵と①を加えて混ぜ、さらに牛乳または生クリームを加えて全体的を混ぜ合わせる。
素焼きした②に③を入れてオーブンで加熱。最初の10分は210℃で焼き、後に160℃に下げて30~40分焼けば出来上がり。
整腸作用があり、むくみも解消してくれる「アップルパイ」
「一日1個のリンゴは医者いらず」のフレーズの通り、リンゴには多くの栄養がバランスよく含まれています。抗酸化効果のあるビタミンCやポリフェノール、カリウムなどは広く知られている栄養素といえます。カリウムは、塩分や老廃物の排出、血圧の上昇を予防する働きがあるため、むくみにはとても効果的。解消されます。リンゴの皮には整腸作用が含まれており、コレステロールを排出する作用や便秘を防ぎ大腸ガンの予防にも効果もあるといわれています。
「アップルパイ」<材料 パイ皿(9インチ/23cm)1ホール分>
- 市販の冷凍パイシート・・・3枚
- リンゴ(小さめ)・・・2個
- 砂糖・・・10g
- メープルシロップ・・・大さじ1
- バター・・・15g
- シナモンパウダー・・・小さじ1/2
- 卵黄・・・1個(パイ生地の表面に塗るため)
<作り方>
リンゴを5~6mmの厚さにカットしフライパンに入れて、砂糖をまぶした後、中火で加熱。バターとメープルシロップを加え、時々フライパンを揺すりながら10~15分加熱し、シナモンパウダーを振りかけて冷ます。
パイシートを2枚つなげてタルト型にのせ、指で押さえる。
粗熱をとった①を②に流し込み、細くカットしたパイシートを編んでフチをしっかり押さえ固定。表面に卵黄を塗って190℃のオーブンに入れて約25分加熱すれば出来上がり。
おもてなしに、おもたせに。「キレイ」 もパイのフィリング
もう「パイはカロリーが高くて」とデザートを控える必要はないのです。フィリングを工夫することで、すこやかさと美しさを応援する栄養素を美味しく取ることができるのですから。今回のレシピでは手軽に作れるように、冷凍のパイ生地を使用しました。あらかじめフィリングを余分に作って冷凍しておけば、手早くパイを焼くことができるので、忙しいパーティー前でも便利。なにより、1ホールという見映えの豪華なパイをおもてなしやおもたせにすることで、みんなで「キレイ」を分かち合うことができるのはうれしいですよね。特に女性が多く集うパーティーなら、感嘆の声が上がること間違いありません。そう、パイのフィリングには「キレイ」がいっパイ詰まっているのですから!