睡眠効果を高める。大人のホット「ムーンミルク」
自然な眠気を誘い、不眠解消に効果が高いとアメリカで話題のムーンミルク(スパイス入りホットミルク)。さまざまな自粛や制限が求められるストレスフルな生活環境の今、人気を呼んでいます。その理由は就寝前に飲むことで、頭と体をリラックスさせる脳内神経伝達物質「セロトニン」(後にメラトニンへ変化)が増え、落ち着いてベッドに入れるからとされています。
睡眠不足は、健康と肌の大敵です。不安や心配でなかなか眠りにつけなかったり、何度も目が覚めてしまったりする方は、心地よい睡眠を促す「薬膳ホットミルク」を毎日の習慣に取り入れてみましょう。
快適な睡眠を導く 幸せホルモン”セロトニン”
アミノ酸の一種トリプトファンは、脳をリラックスさせる「セロトニン」を生成。セロトニンは夜には睡眠を促す「メラトニン」へと変化し、快適な睡眠をもたらします。
このため特に精神を安定させる働きを持つ「セロトニン」は、”幸せのホルモン”とも呼ばれ、不安や心配などから引き起こされるストレスを抑制し、眠りを妨げる要因を軽減してくれます。セロトニンの材料となるトリプトファンは体内で生成できないため、牛乳や植物性ミルクのタンパク質などの食事からの摂取が必須。
そこで、なかなか寝付けない夜にオススメなのが「薬膳ホットミルク」。幸せのホルモンの生成に必要な成分が豊富に含まれているため、睡眠不足の解消と上質な睡眠がもたらす美肌効果が期待できます。
腸内まで幸せに。「消化管ホルモン」で快適
前述の幸せホルモン”セロトニン”は脳内で生成されるものですが、90%は腸にあります。このセロトニンは、腸内細菌が関わっているため、腸内環境を整えることが精神を安定させる秘訣といえます。
そこで、注目したいのが「消化管ホルモン」です。具体的には、十二指腸の活動を活発化するセクレチン、コレシストキニンのほか、小腸の動きをスムーズにするインクレチンなど。これらの栄養素を多く含む大豆製品(納豆や豆腐、豆乳、味噌など)を毎日の食事で積極的に取り入れると良いでしょう。今回ご紹介する「ムーンミルク」も牛乳はもちろん、ココナッツ、アーモンドなどお好みのミルクで作ることができますが、豆乳を使用すると、快適な睡眠をより確かなものにできるはずです。
不眠解消におすすめの「ムーンミルク」アレンジレシピ
「#moonmilk」で検索すると、アーユルヴェーダの枠を超えたオリジナリティーあるアイデアレシピがたくさん紹介されています。
ムーンミルクとは、インドの伝統医療アーユルヴェーダで睡眠障害の予防や改善に推奨されているメディカルハーブ入りホットミルク。スパイスとミルクの相乗効果で、睡眠のサイクルを整え、眠りやすい体質をつくる効果があるといわれています。
睡眠からつながる健康と美容への効能に加え、パステルカラーに色づく見栄えも可愛いと、アメリカのSNSでは人気のトレンドドリンクとして取り上げられています。優しい色合いのムーンミルクは見ているだけでも癒やし効果抜群。手に入れやすい材料なので、”ちょい足し”レシピを見つけたら、試してみるのも楽しいですよ。
1.薬膳効果抜群。「ゴールデン・ターメリック・ ミルク」
インドの伝統医療アーユルヴェーダで、古来から重宝されている万能スパイスのターメリック。抗炎症作用と抗酸化作用に優れ、体内の健康や肌トラブルの改善にも効果の高いターメリックは、睡眠の質を助けるメディカルハーブとしても広く使われています。
温熱効果で体を内側から温めてくれる生姜と、香りにリラックス作用があるシナモンもプラスと、さらに入眠効果大。美容と健康面を快調に整えてくれる薬膳度高めのホットミルクです。
ゴールデン・ターメリック・ミルクの期待できる効能
・鎮痛、体内の炎症を和らげる
・酸化ストレスから細胞を保護し、ダメージを修復する
・不安抑制
・リラックス効果
・睡眠を促すメラトニン の分泌を助ける
<材料(2杯分)>
- ミルク(牛乳、豆乳、ココナッツ、アーモンドなどお好みのもの)・・・2カップ
- ターメリック パウダー ・・・ 大さじ 1/2
- シナモン ・・・ 大さじ1/2
- 生姜 ・・・1かけ
- ハチミツまたはメープルシロップ ・・・ 大さじ1
<作り方>
材料すべてを鍋に入れて温める。
スパイス、ハチミツなどが溶けるまで泡立て器などでしっかりとかき混ぜてからカップに注ぐ
2. 幸せ気分なピンク色「ストロベリー・ミルク」
美白と美肌に欠かせないビタミンCと抗酸化作用の高いポリフェノール が豊富なイチゴ。乳製品など脂質と一緒に摂取することで栄養の吸収率が高まります。
ミルクと合わせることで、ぐっすり寝ながらフェイスパックをしているような美活効果まで期待大。
ストロベリー・ミルクの期待できる効能
・肌のターンオーバーを整える
・美肌&美白
・睡眠を促すメラトニン の分泌を助ける
<材料(2杯分)>
- ミルク(牛乳、豆乳、ココナッツ、アーモンドなどお好みのもの)・・・ 1カップ
- ストロベリーピューレ
a イチゴ ・・・ 2カップ(ざっくり刻んでおく)
b ハチミツ ・・・ 大さじ2
c バニラエッセンス ・・・ 少々
d 塩 ・・・ 少々 - 細かくカットしたイチゴ 大さじ2
<作り方>
ピューレを作る:a~dの材料をブレンダーで滑らかになるまで攪拌。
ピューレ(大さじ4)と細かくカットしたイチゴ(大さじ1)をカップに入れる。
②のカップに温めたミルクを注いで出来上がり。
3. 天然アロマの香り「ラベンダー・ミルク」
リラックス効果の高いハーブとして広く知られているラベンダー。ラベンダーの香り成分には鎮静作用があるため、浅い眠りから深い眠りへと改善する効果が期待できます。
深い睡眠は疲労を回復させ、翌朝の目覚めもすっきりと快適なものになるはず。
ラベンダー・ミルクの期待できる効能
・マイルドな鎮静剤的効果
・深くゆっくりとした眠り
・リラックス効果
・疲労を取りスッキリとした目覚め
<材料(2杯分)>
- ミルク(牛乳、豆乳、ココナッツ、アーモンドなどお好みのもの)・・・1/2カップ
- ハチミツ ・・・ 大さじ1
- バニラビーンズ ・・・ 1/2本
- 食用ラベンダー ・・・ 大さじ1
<作り方>
ミルク、ハチミツ、バニラビーンズを鍋に入れ、中火にかける。
煮出し用パックに入れたラベンダーを鍋に入れ、表面がフツフツとするまで温める(吹きこぼさないように注意)
火を止め、少し冷ましてからカップに注ぐ。
”ほったらかしスキンケア”で翌朝「肌美人」
私の住むカリフォルニアは今も変わらず外出自粛令が続いています。終わりが見えないもどかしさと、さらに運動不足からのフラストレーションも原因なのか、寝つきの悪さが最近の悩みです。
例えば十分に睡眠が取れなかった翌朝の目の下のくまは、熟睡した日にはお目にかかることがないもの。それだけに、睡眠の重要性を思い知らされます。
きちんと肌のお手入れをしていても、寝不足が続けば肌の不調は改善しません。細胞を活性化し、肌にハリやうるおいを蘇らせるターンオーバーは、睡眠中にしか手に入れることができない究極の”ほったらかし”スキンケア。熟睡さえすれば翌朝誰でも「肌美人」になれる最強スキンケアなわけで、睡眠を疎かにしてしまうのは、もったいなさ過ぎますよね。
おうちで簡単にできる「ムーンミルク」アレンジレシピを参考に、眠れない!とイライラするよりも、ホットミルクから伝わる温かさとハーブの香りで気持ちを和ませてあげることが大切。不安の続く日々ですが、眠りにつながるきっかけになるようにのんびり構えるようにしましょう。
出典
healthline / These 6 Milk Fixes Will Ease Your Anxieties for a Better Night’s Sleep
https://www.healthline.com/health/food-nutrition/warm-milk-to-sleep#5.-Sip-pretty-purple-lavender-milk-for-blissful-Zzzs
CaliGirl Cooking / Sleepytime Lavender Milk
https://www.caligirlcooking.com/sleepytime-lavender-milk/