グルテンフリーのヴィーガン・デザートで、自分にご褒美を
高級住宅街ビバリーヒルズ近くの通りにオープンしたヴィーガン/グルテンフリー・デザート専門のレストラン、ポメグラネート(Pomegranate)が、健康志向の南カリフォルニア女子達の注目を集めています。
「こんなに美味しいヴィーガン・デザートを食べたのは生まれて始めて!」
「私はポメグラネートに恋してるの。ここのケーキを時々夢に見るほどよ」
「全てヴィーガンでグルテンフリーなんて信じられない! 見た目もとっても綺麗」
開店当初から、レビューサイトのyelpに絶賛コメントが並んでいるのを発見。ヴィーガン・フードのカフェやレストランは何度もビーグレンイッシュで取材してきましたが、デザートのみの店の登場はロサンゼルスで初めてです。早速調べると、お店のサイトには5つのこだわりが書かれています。
ポメグラネートのデザートは……
1)他のどこにも見つかりません
2)不自然な食材が使われている心配をすることなくお楽しみいただけます
3)あなたの心と体を喜ばせます
4)心を込めて作られています
5)あなた自身を大切にするご褒美です
私にとって、特に最後の5番は心をつかむセールスポイント。何かを頑張った自分にご褒美のつもりでデザートを買って食べたら、その瞬間は大満足しても直後に罪悪感を感じて落ち込む経験はよくあります。それに先月砂糖断ちに挑戦して、甘いもののことをしょっちゅう考えずにすむようになったので、この状態を維持したいと思っていたところ。「ここのデザートなら例外的に食べてもいいかも!」と、取材に向かいました。
ポメグラネートを訪れると、カウンターに立つ女性が素敵な笑顔で迎えて下さいました。このレストランを開くことになったきっかけは、ロサンゼルス郡に2店舗を構えるヴィーガン/マクロビオティック・レストラン、ショージンのデザートが大変な人気だったからだそう。ショージンのオーナーとスタッフだった日本人女性二人が共にいちから立ち上げた店内は、白を基調にした女性的で繊細な内装。ショーケースの中のケーキは、まるで宝石のように飾られています。
「もともとショージンがお客様にとって一番いいものは何かを考えるところから始まって、誰もが健康でいられる食べ物を追求した結果として、ヴィーガンになったんです。それでデザートも、蜂蜜も含めて動物性のものを一切使わず、添加物も保存料も入れず、白砂糖の代わりにてん菜糖やメープルシロップを使っています。ヴィーガンのお店で白砂糖を使うところも多いですが、高血圧などのリスクがありますので、オーガニックで自然な食材にこだわっています。そして、全てグルテンフリーです。玄米粉、アーモンド粉、オートミール粉、米のピューレ(コメネピュレ)などを使っています。今、グルテンフリーの食事をする方がすごく多いので、ヴィーガンよりもグルテンフリーに惹かれてきてくださるお客様が多いですね」
グルテンフリーは、5年ほど前からアメリカのセレブ女性達の間で人気でしたが、今では知らない人がいないぐらい有名になりました。
グルテンは小麦、大麦、ライ麦といった穀物に含まれるタンパク質の名前です。アメリカの多くの食卓は朝からパン、シリアル、ホットケーキ、昼夜はパスタ、ピザ、バーガー、サンドイッチと小麦粉を使った食べ物ばかりなので、グルテンフリー食品の需要も高いのです。グルテンに対してアレルギー体質だったり、耐性のない人(セリアック病患者など)以外はわざわざ避ける必要はないようですが、グルテンは消化しにくいという欠点を持っています。グルテンフリー食品をダイエットに利用する人達が増えているのは、消化の悪い食べ物を避け、体の内側から美しさを維持しようとする試みなのでしょう。
ポメグラネートのこだわりは、見た目の美しさ、可愛らしさにもあります。一つ一つのデザートに芸術作品のような繊細さと品が宿っているのは、日本人女性パティシェの技の賜物。アメリカの通常のベーカリーで売られているケーキは、ギフトにするのはためらってしまう大きさかつ大味なものばかりなので、ここがお客さんに絶賛されるのも納得です。取材後、美しいショーケース中から、グリーン・ティー・ムース・ケーキを選んで試食。京都の抹茶を使用したムースは上品な甘さで、ココナッツミルク使用の生クリームはまろやかで、スポンジはしっとりとしていて少しもちもちとした食感があり、小さめでもかなりの満腹感が得られました。そして、本当に自分にご褒美をあげた気分に。
私はローフードやヴィーガンの食事をする度に、食後に体が軽くなるのが明らかに分かるのですが、今回ポメグラネートのケーキを食べて驚いたのは、「夜は野菜とか健康的なものが食べたいな」という欲求がわいて来たこと。普段はケーキを食べるとまたケーキかお菓子が食べたくなってしまうたちなのだけれど、本当に体にいいものを食べると、体は自然といいものを要求してくるのではないかと感じました。
ポメグラネートのケーキやクッキーは洋菓子だけれど、玄米粉やてん菜糖、抹茶などの食材がメインで使われているところに和を感じます。ロサンゼルスというトレンドの発祥地から、美と健康にいいものとして和食を取り入れたヴィーガン・デザートが広がっていくことを想像すると、日本人として喜ばしい気分になりました。
日本ではグルテンフリーやヴィーガンのスイーツはなかなか見つからないかもしれません。でも、少し工夫すれば自宅で自分にご褒美を作ってあげることは可能です。新鮮なオーガニックの果物に、アーモンドミルクや豆乳にメープルシロップを加えて、泡立てたホイップクリームをかける。こんなに簡単なレシピでも、グルテンフリーのヴィーガン・デザートです。甘いものを控えたいけれど、デザートを食べて少し幸せ気分になりたい時は、グルテンフリーやヴィーガンのものをあえて選ぶ。そして、特別なご褒美を自分にあげるという意味を込めて、食器類もいつもより素敵だと感じるものを選ぶ。たまにでいいので試してみると、「体や心が喜ぶ」のを感じられると思います。健康的な美しさは、体と心が喜んでくれることを気にかけてこそ、得られるものではないでしょうか。
取材協力
Pomegranate
8556 West 3rd St, Los Angeles CA 90048
POMEGRANATELA.com
参考
Secrets to Enjoying Gluten Again
http://lifespa.com/secrets-to-enjoying-gluten-again/