オクラで腸活&美活!体に残る「夏ストレス」をリセット
7月から今頃までが旬といわれるオクラ。小鉢料理などに使われたりする印象から和の食材のように思いがちですが、アメリカでもスーパーで手軽に手に入り、特にガンボスープやフライドオクラなどアメリカ南部料理には欠かせない食材の一つです。
オクラというと、あのネバネバした食感がすぐに思い浮かびますよね。このオクラの「ネバネバ」は、体や肌の健康につながる今話題の「腸活」に欠かせない栄養成分の集合体。美容と健康のためにも積極的に食べていきたい、むしろ食べないともったいない!栄養豊富な食材です。
オクラの持つ健康&美容のチカラを効果的に取り入れて、夏バテ気味の体と紫外線ダメージで弱っている9月の肌を内側から健康的に整えていきましょう。
「腸活」ってなに?
近年、健康・美容業界で大きく注目されている「腸活」とは、腸内環境を整えて、健康で美しい体を手に入れることです。睡眠をしっかり取るなど生活習慣の見直しも腸活に大きく関係していきますが、特に食生活からのアプローチはとても重要です。
腸には何千兆という単位の菌が存在し、その中には「善玉菌」「悪玉菌」と呼ばれるものが含まれています。良い腸内環境とは、常在菌のバランスで善玉菌が悪玉菌よりも多く優勢な状態を指します。腸が弱り、悪玉菌が優勢になってしまうと、便秘や下痢を起こしたり、体や肌に、時には精神面にも不調が出たりと、体に悪影響を及ぼす傾向が強くなります。
腸内の善玉菌を応援し、増やしてあげる「腸活」を実践することで、便秘改善、美肌づくり、ダイエット効果、そして免疫力を上げて健康促進など、体にうれしい効果につながっていきます。
「腸活」で知っておくべき2つの食品群
「腸活」の食生活において重要な役割を果たしてくれる食品群が、「プロバイオティクス」と「プレバイオティクス」です。順に説明しましょう。
プロバイオティクス
【プロバイオティクスとは?】
体内に入って良い働きをしてくれる菌や酵母で、発酵食品に多く含まれます。
【プロバイオティクスを含む食品】
ヨーグルト、チーズ、発酵バター、甘酒、納豆、味噌、ぬか漬け、キムチ、ザワークラウト、ケフィア(乳酸飲料)、コンブチャ(発酵紅茶)、アップルサイダービネガー(発酵リンゴ酢)など
プレバイオティクス
【プレバイオティクスとは?】
腸内の常在菌の栄養源となり菌を増やしてくれる成分で、食物繊維やオリゴ糖が代表的なものです。オクラはプレバイオティクスの食品群に含まれます。
【プレバイオティクスを含む食品】
オクラ、アスパラガス、ネギ、タマネギ、ニンニク、アーティチョーク、チコリ、ゴボウ、トマト、ニンジン、リンゴ、バナナ、イチゴ、ターメリック、シナモンなど
プロバイオティクスとプレバイオティクスはどちらも大切!
「腸活」では、このプロバイオティクス(良い菌を含む食品)と、プレバイオティクス(菌を育てる食品)を組み合わせて食べることがポイント。相乗効果で、より善玉菌が増えやすい腸内環境に整えていきます。
みくびらないで!オクラの栄養
どちらかといえば、なくてもそれほど気にならない、存在感の薄い野菜という印象のオクラですが、ビタミンやミネラルも豊富で、健康と美容に優れた栄養を持つ食材です。
オクラの持つ主な栄養成分には、抗酸化作用で免疫力や美肌効果を高めるビタミンC、正常な血液凝固作用(止血作用)や骨を丈夫にする働きに関与するビタミンK1、皮膚や粘膜、目の健康に効果をもたらすビタミンA、細胞を増やし体の発育を助ける葉酸などが上げられます。
ネバネバパワーがキレイをつくる!
最も注目したいのは、オクラ特有の「ネバネバ」。この「ネバネバ」の正体は、「腸活」の味方になってくれる食物繊維の「ペクチン」と粘液成分です。
食物繊維のペクチンは、整腸作用を促す栄養成分。腸の働きを活発にして老廃物を体外に排出し、便秘や下痢の予防、コレステロール値や血糖値を下げる効果が期待できます。
また、オクラの持つ粘液成分は、胃や腸など消化器官や内臓の粘膜を保護し、疾病予防や健康維持を促します。さらに、タンパク質の吸収を促進し、筋肉や臓器、皮膚や髪など体の組織を作ったり、脳や体を動かすために必要なエネルギーの生産源にもなります。
オクラの粘り成分に期待される健康&美容効果
生活習慣病予防、心臓疾患予防、目の健康維持、コレステロール値&血糖値改善、免疫力向上、疲労回復、便秘改善、美肌、デトックス効果など
オクラを使った簡単ヘルシーレシピ「オクラのロースト」
オクラを使ったアメリカの簡単レシピをご紹介します。オーブンで焼くことでオクラの甘みも引き立ち、おつまみにもご飯にもおすすめ!冷めても美味しくいただけます。
「オクラのロースト」<材料 4人分>
- オクラ・・・約450g
- オリーブオイル・・・大さじ2
- 塩・・・適量
- ブラックペッパー・・・適量
- タイム・・・お好みで
<作り方>
オーブンを230℃にセット。オクラは洗って水気をしっかりと拭き取り、両端をカット。大きめのボウルにオクラを入れて、塩とオリーブオイルを絡める。
オクラを重ならないようにベーキングシートに並べて、約15分または焼き色がつくまで焼く。満遍なく焼き色がつくよう途中5分起きにシートを揺らす。
焼き上がったら、ブラックペッパーとお好みでタイムを振りかけて完成。
アメリカ人はオクラのネバネバが苦手?!
日本人的には「オクラは”ネバネバ”ありきでしょ!」と熱い思いがありますが(笑)、アメリカでは、オクラのネバネバが苦手という人も多かったりします。前項でご紹介したようなアメリカのレシピには、このネバネバを少なくする調理法も多く、軽いカルチャーショックを感じることも。上のインスタ画像のように、乾燥させてスナック代わりに食することも多いようです。
ちなみにオクラの粘りを抑えるには、30分ほどビネガーに漬けてから調理をしたり、または調理の後にビネガーやレモン汁をかけたりすると良いそうです。
乾燥が強くなる秋冬に負けない肌体力をつくる!
発酵食品と一緒に食べることで栄養効果がより発揮されるオクラ。納豆と和えたり、お味噌汁の具にしたりと、オクラの栄養を最大限に活かす”組み合わせ”で食事に取り入れてみてください。
まだまだ暑さが残っていますが、暦の上ではもう秋が訪れています。今のうちに体に残る夏疲れを解消し、乾燥と寒さが増していく秋冬に向かって肌体力を整えていきましょう。
参照:
https://www.healthline.com/nutrition/okra-health-benefits#TOC_TITLE_HDR_9
https://www.nutrition-and-you.com/okra.html
https://www.mindbodygreen.com/0-14360/why-prebiotics-are-just-as-important-as-probiotics-for-gut-health.html
https://cooking.nytimes.com/recipes/1013838-martha-rose-shulmans-roasted-okra
https://www.healthline.com/nutrition/11-super-healthy-probiotic-foods#section12
注釈:記事初出時、粘り成分の総称として「ムチン」について記述していましたが、動物の粘液の主成分「ムチン型糖タンパク質」と誤解が生じかねないものであったため、現在はオクラの粘り成分を「粘液成分」として記述しています。(最終更新:2021.03.09)