ノースショアの海を一望するプライベートスパで味わう「リトリート」プログラムとは?
「リトリート」をご存知ですか?今ビューティー業界で大きな注目を集めている、このリトリートプログラムのなかでも特に草分け的存在と言える「ザ・サリバン・エステート」の紹介をいたします。
癒しのパワーが宿るといわれるハワイのオアフ島。観光客で賑わうワイキキから1時間ほど車を北へ走らせると、別世界のようにのどかでノスタルジックな雰囲気が漂うノースショアに到着します。そこに最高に贅沢でユニークなプライベートスパがあります。サーフィンの聖地として有名なワイメアビーチを一望するノースショアの高台に立つ豪邸がそのスパ、「The Sullivan Estate & Spa Retreat」(ザ・サリバン・エステート&スパ・リトリート)。ナチュラル・スキンケアブランドの創始者、ユルゲン・クライン博士が手がけた完全プライベートのハイクラスなリトリート(保養施設)です。
「リトリート」は、スパだけでなく宿泊施設も備え、ヨガクラスやヘルシーな食事なども提供する滞在型の総合スパ施設。日常の喧騒から離れて自然と触れ合いながら、ヨガやデトックス、バランスのとれた食事、適度な運動をして健康的にのんびりと過ごすことで、ストレスから解放され、本来の自分を取り戻す事を目的としています。最近はこのようなリトリート型のスパが増えていて、新しいスパの形態として注目されています。
「ザ・サリバン・エステート&スパ・リトリート」は自然と調和したランドスケープが美しく、とても静かでどこを見ても絵になる美しさ。目の前に広がる海を見ながら、カラフルな花々や緑に囲まれた敷地内を歩いているだけで穏やかな気分になります。
キーワードは「ホリスティック」と「アンチストレス」
施設を案内してくれたスパマネージャーのアリア・ケネディーさんによると、「ザ・サリバン・エステート&スパ・リトリート」は、長年スキンケアの研究に携わり、世界中のトップクラスのスパを体験したクライン夫妻が、自分たちの理想のスパを実現したものだそう。健康で幸せなロングライフを目指した「世界初のホリスティック・アンチストレス・センター」としてデザインされています。「ホリスティック」というのは、体と心と魂のバランスを整え、本来持っている自然治癒力を高めることを目的としています。また、「アンチストレス」は、ストレスを解放すること。
ストレス社会と言われる現代。街の喧騒の中で常に時間に追われ、インターネット、携帯電話、コンピューター、TVなどから絶えず流れる大量の情報にさらされているため、私達の脳は大忙し。かつてないほど酷使されています。脳が疲れると五感が鈍り、体と心と魂のバランスが乱れてしまうそう。そして不安、恐れ、困惑などネガティブな感情が大きくなり、自分を見失しないがちになると言います。気持ちが落ち込んでネガティブになっている時は、頭が混乱して本当の自分ではないように感じることがありませんか。
リトリートプログラムの一部を体験
そのように疲れた脳を休ませて、ストレスを解放するためにクライン博士がホリスティックの観点から考案したのが「リトリートプログラム」です。
リトリートプログラムの内容は、まず朝のヨガクラスからスタート。海を眺めながらヨガで体と心をしっかりストレッチした後は、ノースショアの海を一望するテラスでヘルシーなベジタリアンの朝食をいただきます。食事は敷地内で育てた新鮮なオーガニックの野菜やハーブなどを使って、プライベートシェフがゲストの好みに合わせて調理してくれます。ホリスティックの観点から食は大切な要素なので、このプログラムのメニューの一環として、こだわりの健康食を提供しています。その後は、シャワー、サウナ、水風呂を繰り返して体をクレンジングしてから「JK7」アンチストレスセラピーを受けます。
「JK7」は死海と同じ塩分濃度の温水プールに45分間浮かびながら、五感を刺激するアロマ、カラー、ミュージック、ミストなどを同時に浴びるという斬新なセラピーで、リトリートプログラムのメインの内容です。これによって、ストレスから解放され、眠っていた感覚システムを覚醒させることができるそうです。感覚システムが蘇ると思考と感情がつながり、本来の自分に戻ることができると言います。
実際に「JK7」を体験したところ、海水プールに浮かんでいる状態は思ったより安定感があり、肌温度に調節された海水の肌触りがとても心地よく感じました。アロマの香りとミストで充満した薄暗い室内は、チャクラの色に基づいて約5分間ずつ7つのカラーが変わり、それに合わせて香りや音楽も変わっていきます。次第に意識が薄らいでいき、 深い冥想状態になります。この感覚は、ハワイ島のマウナラニ・スパで体験した「ワッツ」というハイドロセラピーに似ています。セラピーの後は穏やかで清々しい気分になりました。
そして、海が一望できるテラスで小鳥のさえずりや波の音を聞き、優しい風を感じながらハーブティーとグルテンフリーの手作りチーズパンをいただきました。自然の営みの素晴らしさを感じながら、穏やかで優雅な気分に浸ることができました。このひと時がとても贅沢で幸せな時間に感じたのは、眠っていた五感が研ぎ澄まされ、心身ともにリラックスできたからかもしれません。
「JK7」アンチストレスセラピーを受けることで、その後に続くフェイシャル又はボディマッサージトリートメントを心身ともにリラックスした状態で受けることができるそうです。
リトリートは最低3日間からの予約制で、滞在期間中の施設は完全な貸切状態。ヨガクラス、トリートメント、食事の内容はゲストの要望に合わせてカスタマイズ可能。また、パーソナルトレーナーによるトレーニングやアーユールヴェーダ、太極拳、心理カウセリングなどもオプションで手配可能など、至れり尽くせりです。
スパのメニューはこれまで、リトリートプログラムのゲストだけのサービスでしたが、現在はスパだけの利用も可能になりました。日本からのゲストにオススメのメニューを伺ったところ、シナジャイズド(Synergized)という体と心と魂のバランスを整えるプログラムを紹介してくれました。
まずは、スチームサウナと水風呂で筋肉をリラックスさせた後、アンチストレスセラピー「JK7 」でストレスを解放して心と体のバランスを取り戻し、最後にアロマオイルを使った全身マッサージで整えるという内容です。全てのプログラムはドリンクと軽食付き。こちらの軽食もプライベートシェフがオーガニックの食材で作るベジタリアン。食事にもこだわりとサービス精神が感じられます。
最近は日本でもこのようなリトリート型のスパや、リトリートプログラムを提供するリゾートホテルなどが増えてきているようです。慌ただしい日常から解放されることが難しくなってきている現代だから、自分だけのために贅沢に時間と空間を使う、このようなリトリートが求められているのかもしれません。
取材協力
The Sullivan Estate & Spa Retreat(ザ・サリバン・エステート&スパ・リトリート)http://www.sullivanestate.com