今さら聞けないプロテインの基礎知識 美肌に!すこやか体づくりに!
いまやプロテインはアスリートや筋トレをする人だけのものではありません!医療やメンタル、介護などの分野でもプロテインの重要性が見直されています。美容やダイエットにとっても心強い存在のプロテイン。過去にもアメリカ、LA発信のプロテイン飲料事情についてお伝えしましたが、今回、改めてその魅力を総ざらいしました。上手に取り入れて、美肌キープに、すこやかな体づくりに活用しましょう!
目次
プロテイン(Protein)=タンパク質
成人女性に必要なタンパク質は一日50g
タンパク質が足りていない人も多い
必須アミノ酸も補える市販のプロテイン
プロテインの種類
摂取のタイミング。美と健康目的なら夜と朝
摂取のし過ぎには要注意
美肌キープ&すこやかな体づくりのために
プロテイン(Protein)=タンパク質
いきなりですが質問です。「プロテイン」と聞いて何が頭に浮かぶでしょうか?「お肉! 卵!」と答える方は少ないように思います。多くの方は、牛乳や水に溶かして飲む、“粉末のアレ”を思い浮かべるのではないでしょうか。それほど、栄養補助食品として定着しているプロテインですが、プロテインとは「タンパク質」のこと。英語か日本語かの違いですが、私たちが普段プロテインと呼んでいる粉末のものは、タンパク質を多く含んだ原材料から余分な糖質などを取り除いた加工品。そこがタンパク質を含む食品との違いです。ビタミンやミネラルを添加したものもあります。
成人女性に必要なタンパク質は一日50g
私たちの体はほとんどが水分です。その割合は60〜65%(成人)もあり、次に多いのがタンパク質。性差や個体差はありますが15〜20%を占めています。タンパク質が筋肉の材料であることはいわずもがなですが、タンパク質は全身のほぼ全ててといっても過言ではないほどの機能に関与しています。骨、肌、血液中のヘモグロビンやガンマ-GTP…、ほとんどの酵素やホルモンもタンパク質です。幸せホルモンと呼ばれるセロトニンやドーパミンにもつながって、精神面にも深く関わっています。タンパク質は体だけではなく、心もつくるというわけです。
こう羅列しただけでも、いかに大切な存在かがわかるタンパク質。免疫機能にも関係しているそうですが、タンパク質は体の中に蓄えておくことができません。“常に”分解され続けているからです。1度の食事でまとめて摂るのではなく、毎食バランスよく摂取する必要がある理由もここにあります。そして尿や垢、髪や爪となって一日あたり55〜70gほどが体の外に出て失われています。成人女性に必要とされる一日のタンパク質摂取量50〜55gは、失われる分を補うためのもの。日々、きちんと摂取しなければ不具合が出るのは当然のことというわけです。
タンパク質が足りていない人も多い
「タンパク質は大切」「タンパク質を摂取したい」、そう思っている方は少なくないはずです。「毎日、しっかり取っている!」という方もいるでしょう。ところが、1995年を境に日本人一日当たりの平均タンパク質摂取量が減っているという報告もあります(厚労省・国民栄養調査)。「一日50gぐらい」と思うかもしれませんが、朝はトーストとコーヒー、昼は生姜焼き定食、おやつにケーキを食べたから、夜は野菜カレーなんていう一日は、タンパク質が足りていない可能性があります。自分がどれくらいタンパク質を摂取しているのか、改めて一度、チェックしてみてください。
必須アミノ酸も補える市販のプロテイン
カロリーオーバーでタンパク質不足。カロリーもタンパク質も足りていない。そんな状態が続けば体だけでなく、肌や髪にも影響が出ます。肌のコラーゲン・エラスチン、髪の毛のケラチン、みんなタンパク質が関わっています。もちろん他の栄養素も一緒に摂れる食事でタンパク質を補うのが第一ですが、市販のプロテインはその多くが20種類のアミノ酸を含んだ、アミノ酸スコア100の良質なタンパク質。タンパク質だけにフォーカスするなら栄養補助職品としてのプロテインは便利です。「アミノ酸スコア」は、体の中で作ることができない必須アミノ酸(9種類)がどのくらい含まれているのかを表す指標ですが、下の表からも、トースト1枚の朝食よりも、ゆで卵を1個つけた方がタンパク質のバランスが良くなるのがわかると思います。
アミノ酸スコアを知っておく
肉や卵はアミノ酸スコア100の良質なタンパク源。だからといって、たくさん食べればカロリーオーバーになります。その点でも、プロテインは調整役としてもとても心強い存在なのです。この項目では、主な私たちが普段、食事で取っている食材のアミノ酸スコアを確認してみましょう。
食品 | アミノ酸スコア | 食品 | アミノ酸スコア |
豚肉(ロース) | 100 | 白米 | 61 |
鮭 | 100 | 小麦 | 42 |
たまご | 100 | トマト | 51 |
牛乳 | 100 | キャベツ | 53 |
大豆 | 100 | じゃがいも | 73 |
【代表的なアミノ酸スコア】
その他、あじやさばなどの良質な油を含んだ青魚は、ヘルシーなタンパク源です。
納豆やヨーグルトなどの発酵食品は良質なタンパク源であるだけでなく、腸活のためにも日常で取り入れていきたい食材です。
タンパク質の種類
プロテインといっても多くの種類があります。食品にも豚肉のような動物性のタンパク質と、大豆のような植物性のタンパク質があるように、プロテインにも動物性と植物性があります。筋力アップを期待するのか? 腹持ちを期待するのか? 美を追求するのか? 目的にあわせて選びましょう。
筋肉をつけたいなら動物性
トレーニング直後の摂取に向いています。
・ホエイプロテイン
原料は牛乳。からホエイ(乳清)タンパク質を精製して作ったもの。低カロリーで吸収が早く、ビタミン、ミネラルも豊富です。カラダづくりが目的なら、迷わずホエイを。
・カゼインプロテイン
カゼインも主成分は牛乳。アミノ酸や筋肉の修復や生成に不可欠とされているBCAAが豊富です。不溶性で固まりやすいため、長時間にわたって血中のアミノ酸濃度を高めることができます。
・エッグプロテイン
日本ではあまり馴染みがありませんが、卵の白身から成るプロテインです。ビタミンD、B群を多く含み、筋肉の引き締めや美容に効果を発揮します。
・チキンボーンプロテイン
タンパク質の中でもコラーゲンやゼラチンを多く含む鶏肉の骨。筋肉増強に加え、肌にツヤと弾力を与える働きも期待できます。
美容目的なら植物性
吸収がゆるやかで腹持ちがよく、肝機能にも負担がかかりにくいのが特徴です。植物性のプロテインは動物性プロテインと比較してカロリーも控えめなのもうれしいですね。
・ソイプロテイン
植物性プロテインの代表格です。大豆からできているため脂肪が少なく、ダイエットにも適しています。イソフラボンやビタミンB群やE、葉酸を含み美容効果も期待できます。
・ピープロテイン
ホエイ、カゼイン、ソイに次ぐ第4のプロテインとして注目されている、えんどう豆のプロテインです。必須アミノ酸が豊富で植物性タンパク質でありながら、ホエイプロテインと同等のBCAAを含有。疲労回復や免疫アップのアルギニンも含みます。
・ヘンププロテイン
スーパーフードとして最近話題のヘンプ(麻の実)が原料です。デトックス効果のあるビタミンB6やマグネシウムを多く含み、ミネラルも豊富。BCAAも豊富なので、脂肪を落としつつ筋肉をつけたい時にも向いています。
摂取のタイミング。美と健康目的なら夜と朝
「成人女性に必要なタンパク質は一日50g 」の項で、タンパク質は常に分解を続けていることをお伝えしましたが、つまりそれは一日の中でタンパク質が不足する時間は長くない方が好ましいということ。3度の食事で取るのが理想ですが、プロテインを活用するなら、夜は寝る前30分〜1時間前、そして朝は起きたらできるだけ早めに摂取するのがおすすめです。
寝る前30分〜1時間前が良い理由
寝ている間に分泌される成長ホルモンのピークが就寝後30分〜3時間だからです。口に入れてから体に吸収されるまでの時間を鑑みると、寝る前30分〜1時間前の摂取がちょうどよいタイミングになります。寝る直前でも間に合いますが、寝る直前の摂取は胃腸に負担がかかるので避けましょう。成長ホルモンは体の機能をコントロールする役割や筋肉量を増やす役目を担っています。成長ホルモンが活発に機能しているときにタンパク質を補ってあげると、よりタンパク質の吸収を高めることができます。
朝は起きたら早めが良い理由
寝ている間に分泌される成長ホルモンとタンパク質によって細胞や組織の修復が行われる私たちの体。朝は、体の中からタンパク質が使われてしまっている状態です。起床後何分といった目安はありませんが、体内のタンパク質枯渇状態はできるだけ短くするのが良いので、なるべく早めがおすすめなのです。
摂取し過ぎには要注意
上手に活用すれば健康や美容のためになるプロテイン。ただし普段の食事でタンパク質を十分に取れている場合は、飲み過ぎや食べ過ぎに注意が必要です。第一にプロテインを取り過ぎるとカロリー過多になる可能性があります。
第二に肝臓と腎臓に負担をかけてしまいます。なぜなら必要のないタンパク質は分解されて窒素となり、窒素を体外に排出するには肝臓で尿素に変換され腎臓で尿として排出されるからです。それだけ肝臓と腎臓に負担をかけるというわけです。
プロテインを摂取するようになって、ニキビや肌あれを訴える人もいるようです。プロテインだけ摂取していても、すこやかで美しくあることはできません。美肌も美髪も多くの栄養素がタッグを組んでつくられるもの。どんなときでもバランスの取れた食事が基本です。プロテインを飲んでいることで安心してしまい、食事がおろそかになってしまっては本末転倒です。実際、タンパク質の合成にはビタミンB6が必要ですし、コラーゲンもタンパク質(アミノ酸)だけではつくることができません。ビタミンCや銅の力が必要なのです。
美肌キープ&すこやかな体づくりのために
いかがでしたか?筋肉やダイエットのためのものと思われがちなプロテインですが、今回は、特に美容的な観点に着目してプロテインの魅力についてご紹介しました。良質なタンパク質をバランスの良い食事で取ることを前提に、加工されたプロテイン製品を上手に活用すれば、美肌を維持し、すこやかな体づくりに大いに役立つことは間違いありません。決して魔法の粉ではないものの、ライフスタイルにも好影響を与えることができるはずです。さっそくお気に入りの製品を探してみてはいかがですか?