依存にご用心!“過剰”は禁物のヘアトリートメント

髪を保湿し、ダメージを補修してくれる大切なヘアケアアイテム「トリートメント」。トリートメントを毎日のヘアケアの定番にしてはいませんか?実は、これ、本当に髪にとっていいことなのでしょうか?今回は「ヘアトリートメントを毎日使ってもいいの?ダメなの?」についてご紹介します。

 

ヘアケアには気もお金も使っているのに…?

「パーマもかけていないし、カラーも髪の毛全体ではなくて基本リタッチ。美容室に行ったときはもちろん、ホームケアでもトリートメントは毎日。ヘアパックも定期的にやっている。それでもダメージから抜け出せずにゴワついて、まとまりが悪い」思い当たりませんか?

この原因としてまず考えられるのは、使っている商品が自分の髪質もしくは現在の髪の状態に合っていないこと。ところが、別の製品に差し替えても状態は改善されなくて、また違うものを探してしまう。バスルームには使いかけの商品がけっこうあるという方、いませんか?こうなってしまう一番の理由は、髪の毛のコンディションを良くするために、“何かを付ける、足す”ことに意識が向き、“何かを止める、引く”という発想にはなかなかならないからです。

容器に印字された説明書き通りが鉄則!

依存にご用心!“過剰”は禁物のヘアトリートメント

実際はそんなに髪は傷んでいないのに、トリートメントやヘアパックのし過ぎでゴワつきやバサバサ感が出ることもあります。なかには毎日使用可能なヘアケア製品もありますが、パッケージには「週に2〜3回」と印字されているのに、「毎日使った方がより効果的」と思い込んではいませんか?髪のために良かれと思ってやっていることが、実は逆効果になってしまうことがあります。

トリートメントはするほど髪が良くなるというのは思い込みです。頻度を多くし過ぎると、髪に油分が残ったままの状態の上に、さらに油分を重ねることになるので、ベタつきや、乾かしにくさ、指通りの悪さの原因になることがあります。3日に1回の使用をすすめている商品は、3日間油分がキープできるように設計されていると理解しましょう。「週に2〜3回」は「少なくても2〜3回」ではありません。特にサロン専売品など補修効果の高いトリートメントは、使い過ぎると油分が髪に残り、逆にダメージを受けやすくなる可能性があります。高濃度のケア成分が配合されて即効性にも優れたサロンのトリートメントをした翌日から自宅でも日々トリートメントを行う…これも「過剰」になります。

コンディショナーとトリートメントとヘアパックの違い

「シャンプー」と「コンディショナー」がヘアケアの基本2ステップですが、「コンディショナーは使わない。トリートメントだけ」「コンディショナーだけだと心配で」という方も多いようです。ともにシャンプーの後に使って髪を保護するアイテムですが、働きかける「場所」が違います。

コンディショナーは髪の表面をコーティングし、キューティクルを整えつやを出し、なめらかな手触りでからみにくい髪に仕上げるのが目的です。トリートメントはコンディショナーの働きに加えて、髪の内部に栄養を浸透させて髪の内側からダメージを補修します。ここで気をつけたいのがトリートメントの役割は髪の「保湿」と「補修」であること。保湿と補修は「修復」や「復元」とは異なるのも理解しておきたいですね。

そして、より高い補修機能を目的としてつくられているのが「ヘアパック(マスク)」です。ただし、市販のトリートメントやヘアパックは髪の内部に成分が入っても髪の毛のタンパク質とくっつき合うことはできません。そもそも髪の毛は役目を終えた死んだ細胞であり、厳密には角化した細胞の集まりです。髪の毛自身にダメージを修復する力はありません。しかも残念なことに、現代の化学では、髪を根本的に治す技術や成分がまだないのが実情です。どのような成分であっても、髪の内部に入るものの出てきてしまうのが宿命です。そのため、できるだけ出てこないように、シリコンやポリマーで表面をコーティングして閉じ込めます。これが一般的なトリートメント、ヘアパックの仕組みになります。

成分がもたらす影響

依存にご用心!“過剰”は禁物のヘアトリートメント

使い過ぎの弊害と併せて、知っておきたいのが“成分”について。頻度を高めて使うことで髪に残る成分が蓄積され、本来の髪質や健康状態を悪くしてしまうことがあるからです。特に「シリコン」「ポリマー」「カチオン」は、髪のつやを出したり、柔らかさを出したりするのに必要な成分ですが、蓄積するとダメージの原因になります。週に2〜3回推奨のトリートメントを毎日使用し続けるのは、コーティング成分がまだ残っている状態であるにも関わらず、またさらにコーティングしているようなもの。結果、だんだんゴワつく、バサバサ感が目立つという状態になってしまいます。カチオンの蓄積によるパサつき、シリコンやポリマーによる被膜の重みは、髪のダメージにつながることを覚えておきたいですね。

トリートメント成分の過剰な蓄積は、薬剤浸透の邪魔もします。「カラーが入りにくい」「色落ちしやすい」「パーマがかかりにくい」といった状態を招き、ヘアサロンで「少しお時間長めに置きますね」「少し強めのお薬を使いますね」と言われてしまう事態に。

適切に使うことで髪はもっと美しく

依存にご用心!“過剰”は禁物のヘアトリートメント

これまで、トリートメントの「使用回数」に焦点を当て紹介してきましたが、「使い方」はどうでしょう?トリートメントの効果を存分に引き出せるようなケアについて確認。下記の項目に当てはまるものにチェックを入れてみましょう。

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☑️ 一回の使用量は製品パッケージに記載された推奨量を守っている。
☑️ シャンプー後、トリートメントの前にタオルドライで濡れた髪の水気を取っている。
(髪がびちゃびちゃに濡れていると、髪の内部まで成分が浸透しにくくなります)
☑️ トリートメントは手のひらに取り、手のひら全体に広げてから、毛先を中心にまんべんなく塗布している。
☑️ 前から後ろ、右から左、左から右と、目の粗いコームで髪をとかして、全体に行き渡らせている。
(手で伸ばしただけでは、髪の表面だけで、内側の髪にはついていない可能性があります。手だけで付ける場合は髪全体の5割程度にしか行き届かないともいわれています)
☑️ 製品パッケージに記載された使用法に従って、適切な放置時間を守っている。
☑️ 頭皮や生え際にもすすぎ残しなく、ヌルヌル感がなくなるまでしっかり流している。
(目安はシャワーで1〜2分。ぬめりを残したがる人がいますが、この場合髪にぬめりは必要ありません)

 

トリートメントに全託NG、バランスの良いケアを!

今では毎日シャンプーすることが当たり前になっていますが、液体シャンプーの歴史はまだ70年。毎日髪の毛を洗うなんて程遠く、1950年代はなんと月に2回。1980年代になって週に3、4回が一般的でありながら、若い女性たちが毎日シャンプーするように。やっと1990年代に入って、若い世代から広がった毎夜または朝シャンの習慣が広い世代に浸透して、現在に至っています。さすがに現在では週に1回とはいきませんが、日常生活のなかで少し意識を変えるだけで、髪の健康を守ることは可能です。

まずは正しいシャンプーの選び方と使い方

シャンプーは洗うもの、「剤」なので、頭皮や髪は清潔になりますが、反面髪にあるべき油分も剥ぎ取ってしまいます。だからトリートメントをつけたくなってしまうのですが、よほどの脂性でなければ、シャンプー選びは洗浄力の強過ぎないものが鉄則です。スタイリング剤を使わなかった日は、湯シャンで済ませることもありです。ブラッシングをしてからシャワーを頭皮に当てながら、もう片方の手で頭皮を揉みほぐすように洗うと、シャンプーを使わなくてもたいがいの汚れは落とせます。ただし湯シャンには向き不向きがありますので、まずは週1回程度のお試しから始めてみてください。

タオルドライはやさしく、ヘアドライヤーは的確に

タオルドライはゴシゴシ擦らずにやさしく行いましょう。タオルドライ後のヘアドライヤーの使用は、特にヘアドライヤーの熱によるダメージを受けていないか、もう一度見直しを。一箇所、同じ場所に熱風を長く当てないように注意してください。ヘアドライヤーについても製品の説明書を良く読み、髪の毛とヘアドライヤーの距離にも意識を向けてください。また、髪の表面ではなく、髪の根元から乾かすようにしましょう。

ヘアブラシもヘアケアデバイスも活用!

ヘアケア製品以外でのケア方法としては、ヘアブラシやヘアケアデバイスの活用があります。ブラッシングは「頭皮ケア」と「髪のつや出し」の大いなる味方です。頭皮の血行が良くなるブラッシングをより効率的に行うために、さまざまな機能を盛り込んだヘアケア用のデバイスを利用するのも賢明です。頭皮がすこやかであると髪もすこやかに発毛、成長します。さらに、頭皮のブラッシング、マッサージは、顔のたるみを引き上げる効果も期待できます。もちろん、頭皮に栄養の良い血液を送り込むためにも、ビタミンやミネラルが豊富な食事を心がけることも忘れずに。頭皮ケアで美髪はもちろん、美肌も手に入れてしまいましょう。

すこやかで美しい髪のために

依存にご用心!“過剰”は禁物のヘアトリートメント

いかがでしたか?過剰なトリートメントは髪にとって必ずしも良いとは限りません。「トリートメントだけで髪の毛がつやつや、キレイになる!」という妄信的な意識を切り替えて、「適材適所。適量を適度な頻度で適切に」を念頭に入れて、バランス良いヘアケアを行なっていきましょう。髪も肌同様に、季節、外的環境、そのときの体調に影響を受けます。自分の髪の状態を丁寧に観察して、変化を敏感に感じ取れるようになりたいですね。そのときの髪の状態に応じて柔軟にヘアケアを調整できると、よりすこやかで美しい髪を維持することができます。また、必要に応じてプロのアドバイスを求めることは、美髪にとって非常に役立ちます。ヘアサロンはもちろん、ヘアケア製品を製造販売している企業の無料相談やカウンセリングなどを大いに活用してください。

美髪育毛のDr.Keller(ドクター・ケラー)でも髪のお悩みにお答えしています。
お電話でのお問い合わせ: 0120-288-875 (受付時間:月~金/10時~19時 ※祝日除く)

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