アメリカで話題の「アンチエイジング薬」とは?
待望のアンチエイジング薬として発売されているのは、エリシウム・ヘルス(Elysium Health)社が発売する「ベイシス(Basis)」という名のサプリメント。アンチエンジングをうたったサプリメントはすでにたくさんありますが、「ベイシス」は薬レベルの効果が期待できると注目を集めています。
このサプリメントを開発したのは、今最もノーベル医学・生理学賞に近いと噂のマサチューセッツ工科大学生物学部のレオナルド ・ガレンテ教授。長寿に深く関わり、寿命遺伝子とも言われるサーチュイン遺伝子、「Sir2」(サーツー)を世界で初めて発見し、アンチエンジングのパイオニアとして注目されている遺伝子研究者です。ガレンテ博士によると、「ベイシス」は販売促進のためFDA(アメリカ食品医薬局)の認可が必要無いサプリメントとして発売しますが、実際には処方箋が必要な医薬品レベルの効果が期待できるのだそうです。
この主な有効成分は代謝に深く関係するNADの前駆体である「ニコチンアミドリボシド」と、次世代レスベラトールとして注目されている「プテロスチルベン」。
ガレンテ博士の研究によると、必要とされるカロリーを30%制限して空腹状態になるとNADが増え、サーチュイン遺伝子が活性化して寿命が20〜30%延びるのだそうです。このためカロリー制限が長寿の秘訣と考えられています。このアンチエイジングの鍵を握るNADのレベルは年齢とともに低下するため、NADの代替となるニコチンアミドリボシドを補給することはアンチエイジングにとても効果だと専門家の間で注目されています。
もう一つの有効成分のプテロスチルベンは、ブルーベリーやブドウに含まれる抗酸化物質で、化学構造も働きもレスベラトールと似ています。老化を早める細胞の酸化を防ぐ抗酸化作用の他に、NADとは別の方法でサーチュイン遺伝子を活性化する働きがあるそうです。この二つの成分を配合することで相乗効果が期待できるとガレンテ博士は言います。
ガレンテ博士の試みは、アメリカのアンチエイジング業界に大きな衝撃を与えています。
参考
http://www.technologyreview.com/news/534636/the-anti-aging-pill/