Photo by MICAFOTO

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SNSの普及により、さまざまな思い出をスナップして投稿している方も多い今日この頃。パーティー、デート、旅行や食事、ヘアカットをしたばかりの姿、子どもや家族の写真など、撮ることも撮られることも随分と増えましたが、子どもの命を宿った喜びを伝えるマタニティフォトも、以前と比べてかなり多くの方が挑戦して人気を集めています。私が住むアメリカではすっかり定番といってもいいほど、多くの方が撮っているんですよ。マタニティフォトといえば、私がふと思い出すのが上の写真です。

写真に写る妊婦さんは、LA(ロサンゼルス)を拠点に活動するシンガーソングライター、aileさん。そして彼女を撮影したのが、同じくLAを拠点に活動するフォトグラファー、MICAFOTOさん(以下MICAさんと略)。2人と私はSNSで繋がっていて、昨年この写真が投稿されていたのです。aileさんは同性からみてもため息が出るほど凛とした美人。そんな彼女が母という新たなフェーズに向かい、たおやかさを備えた姿が捉えられていました。MICAさんは日本版『ELLE girl』や 日本でも配布されているLA発のフリーマガジン『JPy Magazine』の表紙撮影、ハリウッド映画のレッドカーペット撮影など幅広い分野で引っ張りだこ。カリフォルニア・サンシャインそのままの眩しい笑顔で彼女が撮影すれば、どんな人でも笑顔がこぼれてしまう、まるでマジシャンのような女性。そんなとても魅力的な2人がマタニティフォトというカタチでコラボしていたことを思い出し、マタニティフォトとはどんな体験なのか、はたまた綺麗に撮ってもらうコツなどはあるのか、直接お話を伺ってみることにしました。

こちらがMICAさん。彼女の笑顔や心遣いで何人もの幸せな妊婦さんが一生の記念を素敵に残しています。(photo by MICAFOTO)

こちらがMICAさん。彼女の笑顔や心遣いで何人もの幸せな妊婦さんが一生の記念を素敵に残しています。(photo by MICAFOTO)

ビヨンセも公開したマタニティフォト

マタニティフォトといえば、最近はあのビヨンセが双子の妊娠を、マタニティフォトとともにSNSを介して発表して話題になりましたよね。「いいね」の数はあっという間に伸びて、それまでセレーナ・ゴメスが持っていた記録を超えて、2月20日現在は約1052万件!彼女の写真に影響を受けてマタニティフォトに憧れを抱いた人も増えたことでしょう。亜流ですが、憑依型なりきり芸人のロバート秋山さんもマタニティフォトに挑戦なさっていましたし(笑)、これは日本でもますますブームになりそう!

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こちらがビヨンセのマタニティフォト。背景の青空、ふんだんにあしらわれた草花。ヘブンリーなマタニティフォトで神々しくすらありますね。

マタニティフォトの始まり、撮影のベストタイミング、場所とは?

MICAさんのバースデーパーティーの日に、2人の共通の友人が「撮ってもらったら?」というきっかけで誕生したというaileさんのマタニティフォト撮影。「一応考えてはいたのですが、いつ頃行うのかなど、リサーチすらしていませんでした」というaileさん。撮影するのに適したタイミングも分からなかったそうです。

「出産の1ヶ月ほど前に(妊婦さんの)お腹はとても大きくなるんです(個人差があります)。マタニティフォトの撮影は、それまで待つので、大体出産予定日の1ヶ月前〜2週間前に行うのが普通ですね。そうしないとあまりお腹が目立たない場合もあるのです。脱衣して行う場合は別ですが、着衣状態で行う場合は、お腹がぽっこりと出ている時の方がマタニティフォトらしくていいんですよ」(MICAさん)ちなみにMICAさんが最初にマタニティフォト撮影を依頼されたのは約7年前。当時はまだ珍しい依頼だったようです。

「初めてマタニティフォトを撮影して話題になったのは、デミ・ムーア。彼女がマタニティ姿で雑誌の表紙を飾ったのが話題になりましたよね(1991年)。それまでは妊婦さんは自分のお腹を見せるのは恥ずかしいという気持ちだったのを、“美しいことなのです”ということを彼女が表現しました。子どもが宿ることはミラクルなことですよね。でもそのことに気がついていない人もいるかもしれません。妊娠が発覚して、赤ちゃんがお母さんのお腹にいることに気がついてからだと8〜9ヶ月。生涯80年だとすれば本当にわずかな時間の出来事で、しかもお腹が大きく膨らむのはたったの1ヶ月。そんな限られた時間を(写真として)残すという行為は素晴らしいのではないでしょうか」これにはaileさんとともに深く共感。

では、そんな貴重な瞬間を収めるにはどんな場所が適しているのでしょうか?
「妊婦さんなので大きな荷物は持ってもらうことは出来ませんし、過去に撮影した妊婦さんで海など、外での撮影を希望した方もいるのですが、(撮影地まで)車で移動してもらうのは大変。ということもあり、なるべく外やスタジオよりもご自宅での撮影を行うようにしています。その方がリラックスして撮影に臨んでもらえます。すでに上のお子さんがいる妊婦さんもご自宅なら子どもたちもテレビを見たりしてリラックスできますし」(MICAさん)実際、aileさんの撮影も自宅での撮影です。

Photo by MICAFOTO

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マタニティフォトで便利だったもの、綺麗に収めるコツとは?

aileさんはシンガーとして写真撮影されることに慣れているとはいえ、マタニティフォトは初体験。彼女がとても助かったのは、MICAさんが持ち込んでくれたモニター代わりのラップトップ。鏡も同時に使いながら、どういう角度が綺麗に撮れるのか話し合いながら行ったそうで、「まるでセッションのようだった」とのこと。また、MICAさんの撮影スタイルはあえてかしこまったものではなく、自然な会話を楽しみながら行ったのもaileさんの緊張をほぐしてくれた様子。

ちなみに、事前に用意したものはあったのでしょうか?「全裸よりもベールを通して、少し透き通った雰囲気を出した方が可愛いかなとベールを用意しました。それはそれでよかったのですが、結局私が選んだのはMICAさんが用意してくれた衣装(笑)。彼女は撮影に適したチュニックなどを用意してくれていたんですよね」撮影の話が浮上してからPinterestというSNSでマタニティフォトを検索しまくったというaileさん。たくさんのアイデアの中から気に入ったものをMICAさんにあらかじめ伝え、小物や衣装のアイデアも参考にしたそうです。それから、メイクは限りなく控えめ目がオススメだけど、横向きの撮影になることも多いので、つけまつげはした方がいいかもとのこと。

また、MICAさんからのアドバイスとしては「もし誰かに(撮影を)お願いするのが恥ずかしい場合は、陽当たりの良い室内で、自然な環境で撮影するのもいいかもしれません。フラッシュを扱うのは難しく、フラットなイメージになってしまうので、綺麗に撮るには自然光を使うのがおすすめです」とのこと。マタニティフォトに限らず、普段のスナップ撮影にも役立つ情報ですね!

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結論:もっとも輝いている自分の姿を残し、子どもに伝えるためのマタニティフォトはあり!

綺麗なマタニティフォトを撮ることはできたものの、SNSに公開することによるリアクションを考えてしまい、公開をためらっていたというaileさん。その背中を押してくれたのが彼女のご主人。「せっかく良い写真を撮ってもらったのにどうして公開しないの?」その言葉に促されて投稿することに決めたそうです。その結果、ファンの方からの反響は「とても良かった」のだとか。

「妊婦さんって、優しさと強さと神々しさが出る気がします。撮影で、“お腹を触って赤ちゃんを見てください”とお願いすると、皆さん本当に優しい表情をするのです。もちろん不安なども抱えていらっしゃるんでしょうけれど、他の時には出せない表情をしている気がします」(MICAさん)

「今振り返っても自分が一番輝いている時なので(撮影するのは)おすすめです。子どもが大きくなったら、“こんな風にお母さんのお腹にいたんだよ”ということを伝えたいですね。周りの人と(幸せな気持ちを)共有したいし、一番素敵だった自分の姿を残したいという気持ちもあります」(aileさん)

将来2人目が生まれてもマタニティフォトを撮る?との問いかけに「もちろん」と即答していた彼女。大きくなって彼女のお子さんがどんな風にこの写真を眺めるのか、早くも楽しみです。

現在のaileさん。彼女のお腹にいた赤ちゃんも現在9ヵ月。彼女の優しい眼差しに包まれながらすくすくと育っています。(Photo by MICAFOTO)

現在のaileさん。彼女のお腹にいた赤ちゃんも現在9ヵ月。彼女の優しい眼差しに包まれながらすくすくと育っています。(Photo by MICAFOTO)

子どもたちへの愛情を伝えるツールであり、自分の最も輝いている瞬間をキャプチャーするマタニティフォトって素敵ですね! マタニティフォトを撮ることが注目され始めるようになってきましたが、この先、挑戦する人は増えていくのでしょうか。MICAさんはこう答えてくれました。「おそらく、マタニティフォトを撮ることがとても自然なことになるのかもしれませんね。もちろん撮らない人もいるでしょうけれど、マタニティフォト自体が珍しいことではなくなるのでは?」

我が子への愛情を伝えるツールとして、自分自身の最も輝いている瞬間の記録としてのマタニティフォト。SNSなどで公開することは、そんなこの上ない幸せな瞬間を多くの人と共有したいという思いから、というお話を聞くと、今まで以上にマタニティフォトに心が和みそう!私もその時が来たらぜひ挑戦したくなりました。

参考記事(英語)

aileさんの楽曲が聴けるサイト
http://beatgalleryrecords.com
MICAFOTOさんのwebsite
http://www.micafoto
http://micafoto.tumblr.com

この記事を書いたライター

音楽ライター/DJ/司会者として、TV、ラジオ、雑誌で活動。2011年に移住後も日本のメディアへ、LA発のエンタメやゴシップ、美容やファッションなど幅広い最新情報をレポートしている。在米生活でふくよかになりすぎた体をシェイプアップすることが最近の目標。

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