「特別な想いの母娘台湾旅行」第2回目
こんにちは、ハワイ・アイランド料理研究家の藤沢セリカです。
躍動的で人々のパワーに溢れたインターナショナルな島、台湾。美食とアンチエイジングの宝庫であり、多くの観光客で溢れる国です。台湾生まれの台湾育ちながらも戦後引き上げて以来、70年間も台湾に足を踏み入れていなかった私の母を伴って、台湾を旅しました。米寿(80歳)を過ぎた母と行く「母娘台湾旅行」第2回目は、昔も今も変わらない台湾の魅力に迫ります。
昔も今も変わらない、台湾の魅力
台北の町を流れる大きな淡水河、街を歩けば目に入る寺院、若者で盛り上がる夜市、昔ながらの問屋街など、台湾には見どころ、遊びどころがいっぱいあります。食べるだけではありませんよ!
神様のOKが出ないともらえない赤い糸
台湾の人々は信仰深く、若い人でも月に一度はお参りに行くそうです。街を観光していると、常に寺院が目に入ります。台湾人の友人に聞くと、ほとんどの寺院には縁結びの神様がいるのだとか。
龍山寺は台北で最も有名な寺院。もちろん縁結びの神様がいて、ここではおみくじを床に投げて落ちた状態から神様の真意を読みます。神様からOKが出ると、赤い糸を頂けます。もちろん私もチャレンジし、赤い糸を頂きました。さて、出会いはあるのでしょうか?
龍山寺
http://www.taipeinavi.com/miru/19/
台湾に来たら見ないと損?ヒスイの白菜
国宝ともいえる見事なヒスイ細工が多く展示されている「国立故宮博物館」。中でも有名なのがこちらの白菜です。よく見るとイナゴとキリギリスが彫られていて、とてもリアル。そして想像していたよりも遥かに小さいのです。1階にはお土産屋さんがあり、携帯ストラップや箸置きなどのさまざまな白菜のレプリカが販売されています。
国立故宮博物館
https://www.npm.gov.tw/ja/
どこか南国を思わせる佇まい、祖父のいた総統府
台湾は島国ということもあり、独特な文化を築き今に至ります。その昔、母が生まれた頃、台湾は日本の領土でした。母の母、私の祖母も台湾生まれの台湾育ち。祖母は英語での教育を受けていたらしく、バイリンガルでした。祖父は大学を卒業して、すぐに日本から台北の総統府に派遣された役人でした。二人は台北で出会い、結婚して、母を含め5人の子宝に恵まれたそうです。
現在、総統府は月に一度内観覧日があり、その日を目指して訪れました。まるでハワイのような南国調の外観に、ヨーロッパ調の内観。重厚な椅子のある会議室、光の降り注ぐ廊下、緑の茂る中庭、祖父は若き日をここで過ごしていたのですね……。
総統府
http://www.taipeinavi.com/miru/14/
線路に立ち入ることが当たり前な「十分(シーフェン)駅」
少し遠出して「十分(シーフェン)駅」と「九份(ジォウフェン)」に行きました。台北から車で1時間ちょっとで行くことができます。今回はタクシーをチャーターして珍しい観光もしました。
十分駅は「天燈(ランタン)上げ」が有名です。毎年旧正月に願い事を書いたランタンをいっせいに夜空に放つ「天燈上げ」の行事がありますが、その行事を年中体験することができます。ランタン上げは、十分駅の線路で行います。電車が来ると急いで線路から離れ、電車を見送った後にまた線路上に戻ってランタンを上げたり、記念撮影をするのです。実際に電車が行き交う線路上で行われるとは、日本では考えられない光景ですね。ランタンは願い事の数により値段が変わります。もちろん、私は全部叶うカラーをオーダーしました。4面に願い事を書き、最後は空高く上げます。どうか願いが叶いますように!
※タクシーチャーターはドライバーにもよりますが、大体が6時間で3000TWD(8月現在日本円で約11000円位)です。
十分駅
http://www.taipeinavi.com/miru/301/
遠い昔のゴールドラッシュを支えた廃墟の軌跡
九份へ向かう途中、タクシードライバーの方の案内で、昔炭坑だった場所「金瓜石(キンカセキ)」に行きました。そこは観光地となっている九份の裏側になります。九份は昔炭坑の山で、廃墟になった後、現在のような観光地になったそうです。その裏側は依然廃墟のままで、当時賑わっていた建物や、使われていた大きなパイプなどがそのまま残っています。その中でも100年以上前、急斜面に作られた線路が印象的でした。トロッコのような車両で毎日炭鉱夫を仕事場へ運んでいたのでしょうね。当時、駅のような存在だった場所も朽ち果て、ところどころにレンガの名残を残していました。独特の雰囲気のあるこの場所は、今では、ウェディング写真の撮影場所としてよく使われているそうです。すぐ下の湾には鉱山の名残なのでしょうか、鉱物を含んだ水が流れ、海の色が二色になっています。
金瓜石
http://www.taipeinavi.com/miru/130/
終着点は八百万の神が体を癒す湯場
いよいよ九份観光のクライマックスは、スタジオジブリの長編アニメーション映画『千と千尋の神隠し』の舞台としても有名な茶屋です。九份の魅力は何と言っても夕暮れ。ライトアップされた茶屋はなんとも幻想的です。映画の中の“油婆婆”がいた油屋がそこにあります。
九份は山ひとつが観光地になっていて、登るところから終着点まで、お土産屋さんから食べ物屋台まで、さまざまな店があります。母は足が悪いので、山道を歩くことは無理でしたが、ドライバーの方が終着点にある観光名所の景色が眺められるように先回りをしてくれました。私がどうしても母に見せたかった景色が、これです。
九份
http://www.taipeinavi.com/miru/245/
いかがでしたか?次は第3回目、美食を味わう「母娘台湾旅行」です。どうぞお楽しみに!
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