体も肌も、もっとキレイになる「スパイス」活用術
スパイスの需要が高まっている昨今、料理に加えるだけで本格的な味や香りを楽しめるものの、「イマイチ使い方が分からない」「体や美容にいいらしいけれど、何がどういいのか分からない」という声も耳にします。そのような方のために、今回は簡単で今すぐにでもスパイスを活用できてしまう方法をご紹介します!いつも食べているあの料理も、また違った味で楽しむことができますよ。
需要が増え続けているスパイス
日本では野菜や木の実など昔から食材として親しまれてきたものには、特有の香りがあり、それを大切に調理してきました。食材へのこだわりからか、調味料の種類も少なく、素材の味を大切にする文化だったのでしょう。一方、西洋や中東、東南アジアでは、食材を美味しく食べるために、昔からスパイスやハーブが活躍しています。近年では、日本でもスパイスの需要が高まり、スーパーの品揃えはもちろん、スパイスの専門店まで登場してきました。料理に加えるだけで本格的な味や香りを楽しめるスパイスをもっと気軽に楽しんでみましょう。
おさらいしよう!スパイスの基本知識
まずはスパイスとハーブの違いをご存知ですか?分かっているようで意外とあやふやではありませんか?どちらも香りがあって食べられるもの。でも、ハーブと呼ばれるものは全て植物に対し、スパイスには植物以外のものもあります。例えば、南方で料理に使用される「モルジブフィッシュ」というスパイス。これはスリランカの「かつお節」といわれるパウダーです。ということは、日本のかつお節も、スパイスということになりますね。改めて、スパイスとハーブの特徴と定義をおさらいしてみましょう。
【スパイスの特徴と定義】
・香りがあり、食べられるもの
・ドライの物が多い
・食べ物や飲み物に香りや辛み、刺激、色を加える調味料。
・効果的な使い方:つぶす、ちぎる、たたく、ナイフなどでこそぐ
【ハーブの特徴と定義】
・植物で薬効がある
・香りが強く、フレッシュなものが多い
・効果的な使い方:ちぎる、こする、そのまま。
スパイスは美容に効果はあるの?
スパイスには多様な種類があり、香り、色もさまざまです。料理に香りを付けたり、色を付けたり、味を刺激的にする役割などで、欧米では頻繁に使用されています。その理由の一つに「美容にいい」と広く認識され、現在では特に若い世代にもスパイス料理が浸透しているのです。健康に対する効果が認められ、「天然の薬」とも呼ばれていますが、美容にもプラスになる成分が実は豊富に含まれているのです。では、具体的に何がどのように効果的なのでしょうか?次項より見ていきましょう。
特に注目されているスパイス「シナモン」
日本人にもなじみの深い、デザートの定番スパイスともいえる「シナモン」。シナモンは樹木の内側の皮から採れるもので、人類が使っている最も古いスパイスの一種です。紀元前3000年頃からエジプトではミイラの防腐剤として使用されていました。他にもさまざまな健康効果が評価され、古くから生薬としても使用されています。シナモンの持つ美容効果の最も重要なものがアンチエイジングに不可欠な強い抗酸化作用です。毛細血管の傷を修復し、老化を防ぎ、髪や肌に充分な栄養を届けてくれる効果が期待できます。シナモンを食べることで血流を良くし、肌のターンオーバーを活発にする働きがあるといわれています。この他にも、シナモンには不要な水分や老廃物の排出に役立つカリウムも多く含まれています。そのため、デトックス効果もあり、脂肪細胞の燃焼もサポートしてくれるのです。
簡単シナモン・パンケーキ
<材料 2人分>
- ホットケーキミックス・・・200g
- シナモン・・・小さじ2
- 牛乳・・・140ml
- 卵・・・1個
- プレーンヨーグルト・・・大さじ2
- メープルシロップ・・・適量
<作り方>
ボウルに牛乳、卵、プレーンヨーグルトを入れて混ぜ合わせる。
①のボウルにホットケーキミックス、シナモンを入れ、よく混ぜ合わせる。
弱火で熱したフライパンに生地の1枚分を流し入れ、ぷつぷつと穴があいたら裏返し、両面こんがり焼く。残りの生地も同様に焼く。
皿に盛り、メープルシロップをかけ、お好みでバター(分量外)を乗せて完成。
ちょい足し「シナモン」の活用術
◯ミルクティー、アイスクリーム、トーストなどに一振りする。(パウダー)
◯カレー、ハヤシライス、肉じゃがなどに一振りする。(パウダー)
◯ホットワイン、ホットミルクを作るときに加える。(ホール)
肌の調子を整える「ターメリック」
日本語では「ウコン」と呼ばれる黄色のスパイスの「ターメリック」。「クルクミン」という成分が二日酔いに効く、ということで錠剤やドリンク剤になり、一躍有名になりましたね。最近では、このクルクミンの成分がアルツハイマー病などにも効果があるという研究がなされてまた新たな期待をされているスパイスです。そのようなターメリックですが、実は美容効果もかなり期待できます。インドでは、花嫁が結婚前夜に全身ターメリックでパックし、肌の調子を整えることは有名です。ターメリックには強い抗酸化作用があり、肌にうるおいとつやを与えてくれます。また、クルクミンの持つ成分には、体内で発生する活性酸素の活動を制御し、肌荒れやくすみなどのトラブルの防止にも役立つといわれています。さらに食物繊維も豊富なので、腸内環境も整うという嬉しい効果も。積極的に取り入れていきたいスパイスですね。
ターメリックたっぷり豆カレー
<材料 4人分>
- レンズ豆・・・200g
- ココナッツミルク・・・100ml
- 水・・・100ml
- タマネギ・・・1/6個(みじん切り)
- ニンニク・・・1片(すりおろし)
- ターメリック・・・小さじ1/2
- カレーパウダー・・・小さじ1/2
- シナモンスティック・・・1本
- 塩・・・小さじ1/2
A
<作り方>
レンズ豆は水できれいに洗う。
鍋に①とAの材料を入れ、ひたひたの水(分量外)を加える。
②をよく混ぜてから中火にかけ、水分が飛ぶまで煮る。
③にココナッツミルクと水を入れ、沸騰寸前まで加熱をして塩(分量外)で味を整えて出来上がり。
ちょい足し「ターメリック」活用術
◯ポテトサラダやマカロニサラダに一振り。
◯ルーで作るカレーやシチュー、外食で食べるカレーに一振り。
◯トマトスープ、コーンスープに入れる。
誰もがよく使う「ブラックペッパー」にも美容効果!
一番身近な存在のスパイスといっても過言ではない「ブラックペッパー」。中世のヨーロッパでは大変な貴重品で、一握りのペッパーが牛一頭分に相当していたとか。このため、当時は金銀財宝用の精密な計りを使って一粒ずつ量り売りされていました。そんなブラックペッパーには、各種ビタミンやミネラルが多く含まれています。その中でも特に「ピペリン」という成分が交感神経を刺激して血流を良くし、冷え症の改善が期待できます。
芽キャベツのオーブン焼き、ブラックペッパー風味
<材料 2人分>
- 芽キャベツ・・・10個
- ニンニク・・・1片
- アンチョビ・・・1枚
- オリーブオイル・・・大さじ2
- バルサミコ酢・・・大さじ1
- ブラックペッパー・・・適量
<作り方>
芽キャベツは半分に、ニンニクはスライス、アンチョビはみじん切りにする。
材料を全てボウルに入れてオイルとバルサミコ酢をかけて20分ほどおく。
②を耐熱皿に入れ、200℃に温めたオーブンに入れて約15分焼き、取り出してブラックペッパーをたっぷり振ったら出来上がり。
ちょい足し「ブラックペッパー」活用術
◯アイスクリーム、ドーナツ、生クリームに一振り。
◯どのような料理にも合うので、食べる前に一振り。
◯ピクルス液を作るときに利用。
さらに手軽に摂取するなら、プラスαのパウダーもおすすめ
前述した通り、スパイスには多様な種類があり、形状もさまざまです。その素材そのものである、ホール状のものやパウダー状のものなど、それぞれのスパイスごとにいくつかの形状を持つものも少なくはありません。これらの形状は、使用する用途に合わせて選びますが、栄養成分を効率よく摂取したいものです。こちらは私も愛用しているおすすめのスパイスです。メインのスパイスにさらにプラスαの美容効果が期待できる栄養成分をブレンドしたもの。サッと振りかけるなど、手軽に食生活に取り入れることができて便利です。
写真左・ターメリック:オルニチンとクルクミノイドが配合されているので、カレーや野菜炒めなどに一振りするだけでOK。コーヒーに入れても美味しいのです!
写真中・ジンジャー(生姜):生よりパウダーの方が長持ちし、さまざまな料理に重宝します。ジンジャーパウダーは、ビタミンE配合なので、炒め物などはもちろん、紅茶や炭酸水などのドリンクに入れても美味しく頂けます。
写真・右シナモン:コラーゲンも配合されているので、美肌には最適。紅茶やコーヒー、ミルクなどのドリンクや、ケーキ、プリンなどのデザートに一振り。またはスパイスカレーを作るときにも活躍します。
新しい味に挑戦して、美味しく、美しく!
いかがでしたか?スパイスは私たちの食生活の身近にあるものですが、意外にも活用できていなかったりします。まずは、馴染み深いスパイスをいろいろな料理や素材に振りかけてみましょう。ブラックペッパーがアイスクリームや生クリームなどデザートにも好相性であることなど、新しい発見もあるかもしれません。もちろん、今回紹介していないスパイスにも美容効果があるものがたくさんあります。積極的にスパイスを取り入れて、美味しく、楽しく、健康と美容に役立てていきましょう。
参考サイト
ハチ食品
http://www.hachi-online.net/body_spice.html