脱・自己流スキンケア(12)「オイリー肌だから酸化する!?」酸化と糖化
私たちはこれまで
肌やスキンケアについて
さまざまな情報を得てきました。
積み上げてきた知識の中には、肌やスキンケアへの
「思い込み」も含まれています。
肌のお手入れも、この
「思い込み」をベースに
毎日繰り返している
としたら……?
私たちが知らず知らずのうちに
積み上げてしまった「思い込み」から
私たち自身を解き放ち、
一人一人が大切な自分の肌のエキスパートに
なるためのレッスンを始めましょう。
シリーズ第12回目は、
肌老化の三大要因第三弾
「酸化」についてです。
乾燥肌でも酸化は起こる?
美子さん、金属や食べ物を空気に触れた状態で放置すると、サビたり変色したりしてしまうことはご存知ですよね。
はい。買った時はピカピカのシルバーのアクセリーがだんだん黒くなったり、皮をむいたリンゴをそのまま置きっ放しにすると茶色くなったりするのは、酸素のせいだと聞いたことがあります。そのことでしょうか?
えぇ、食用油も酸化すると、色が濃くなって嫌な臭いがしますよね。実は、肌でも同じようなことが起こっているのです。
肌の表面で分泌された皮脂は時間の経過とともに、空気中の酸素と結びついて酸化を始めます。これが刺激物質となって、肌のバリア機能の低下やニキビ、炎症を起こしてしまう人もいます。
皮脂も食用油も「油」だから、同じということですか?肌がオイリーな人は酸化しやすそう。私はどちらかというと乾燥肌なので、その点はよかったような……。
いいえ、「脂性肌」でなくても酸化は起こりますよ。 美子さんは「活性酸素」という言葉を聞いたことがあるでしょう?活性酸素とは、 酸化力が強力な酸素のことです。
大切な活性酸素と迷惑な活性酸素
「活性」という言葉からは、悪いイメージはないのですが。
活性酸素は、外の刺激や体内のウイルス、細菌から細胞を守るために存在する必要な物質です。美子さんのイメージしている通り、確かに本来は悪者ではないのです。でも防衛力が強過ぎるために、増え過ぎると細胞を傷つけてしまうことがあるのです。
紫外線も肌に有害な外からの刺激ですから、紫外線を浴びると、その害から肌細胞を守ろうと肌の中にたくさんの活性酸素が生み出されます。オイリー肌も乾燥肌も関係ないのはわかりますよね。
なんと! 肌を守るために生み出された活性酸素に、肌がやられてしまうということですか。本末転倒というか……。
しかも、活性酸素は息をしているだけで作り出されます。呼吸によって酸素が体内に取り込まれ、エネルギーを作り出す過程で発生するからです。
私たちは生きている限り呼吸をしているので、活性酸素が作られるのは仕方がないことなのですが、活性酸素による細胞の酸化は、老化とイコールです。酸化は真皮のコラーゲンやエラスチン線維、表皮細胞を壊したり、変性させたり、しわやたるみに繋がったりします。
えっ、酸化は老化なのですか?老化を防ぐには、もう「息を止めるしかない」ということ!?
活性酸素はストレスや紫外線でも増える
ただ細胞の中には、活性酸素を除去する「抗酸化酵素」もたくさん存在しています。それによってバランスが保たれているのですしかし、年齢を重ねていくとその量も減ってきてしまうのです。
なんか年を重ねると大切なものが減って、逆にいらないものが増えてしまうのですね。私の贅肉も然り……。
その他にも、ストレスや睡眠不足、電磁波、喫煙なども活性酸素を増やす要因なのですよ。
そんなことも?今は電磁波の中で生きているようなもの。スマホのない生活なんて考えられません。現代人の環境は、昔の人より老化しやすいということではありませんか?
残念ながらそうですね。
活性酸素はストレスや紫外線でも増える
そういえばグレン先生、この間会社の先輩が「最近、糖化が進んで肌の黄ぐすみが気になる」って言っていたのですけれど、何の話かついていけませんでした。「糖化」とは何ですか。 酸化と糖化って違うのですか。
とってもいい質問です。糖化は近年注目されている老化要因のひとつ。酸化より怖いともいわれています。
ここでちょっとトーストを思い浮かべてみてください。 何もしていない食パンは白くてやわらかくフワフワですよね。でも、トーストにすると、どうなるでしょう。茶色く固くなりますね。これが糖化です。たんぱく質と糖分が結びついた状態を「糖化」と言います。
焦げということですか?
いいところに気がつきました。トーストと同じで、肌もたんぱく質の一種のコラーゲンやエラスチンなどが食事で摂った糖分と結びつくと、AGEという老化促進物質が作られてしまいます。これが糖化現象と言われるもので、黄ぐすみやごわつきを起こします。しわやたるみの原因になるとも言われています。
「酸化」を防ぐことが「糖化」予防にも
えぇ?しわやたるみの原因になることが紫外線や酸化の他にまだあるなんて!その糖化は、どうしたら防げるのですか?
「糖化」反応は、「酸化」反応でもあることがわかっています。まずは活性酸素が発生する原因となるものをできるだけ避けること。その上でビタミンCやビタミンEなどの抗酸化成分をスキンケアや食生活に取り入れることで「酸化」に立ち向かうことができますよ。
そしてもうひとつ、心がけたいのが食生活です。血糖値の急上昇は糖化につながります。
血糖値って、お腹の出たおじさんたちが気をつけるものくらいに思っていました。急上昇って防げるのですか?
糖分の摂り過ぎはやはり避けたいですね。でも糖は大事なエネルギーの素なので、制限のし過ぎはおすすめできません。栄養不足を引き起こしてしまうかもしれないからです。
そこで気をつけたいのが、食べる順番です。食事は野菜→肉・魚などたんぱく質→ご飯やパンなど主食の炭水化物という順番を守ると、空腹状態から血糖値が急激に上がるのを抑えることができます。食事は野菜からスタートです。
レストランなどでサラダが先に出てくるのは、理にかなっているのですね。コンビニのおにぎりで済ませてしまうランチを見直さなくちゃ。
解説していきます。
どうぞお楽しみに!
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