美容液の正しい使い方とは?塗り方や順番が効果に影響!
化粧品の歴史の中で誕生して40年と意外にも短い「美容液」は、各社が研究開発にしのぎを削る化粧品界のスターのような存在です。その魅力はなんといっても、肌悩みに合った美容成分をたっぷり投入できること。それなのにもかかわらず、なんとなく使っているという方も少なくはありません。そこで今回は、高額な美容液の恩恵をしっかり受けるためのノウハウとして、知っておきたいことをまとめました。
美容液は最強のプラスワンアイテム
1980年代は、まだスペシャルケアの位置付けにあった「美容液」。今はどうでしょうか?美容液はスキンケアにおいて日常使いのアイテムとして認識されるようになりました。最大の特徴は同じ水溶性アイテムでも、化粧水では補い切れない保湿成分や美容成分が高濃度で配合されていることです。選択肢も拡大の一途ですが、大きく分けると「保湿美容液」「美白美容液」「エイジング美容液」の3つに分類されます。「乾燥をどうにかしたい」「シミが気になる」「たるみを防ぎたい」など、明確な目的に合わせた使い分けができることも美容液の魅力といえます。
化粧水と美容液の違い。美容液とクリームの違いは?
化粧水の主な役割は、肌に水分を与えることです。乳液やクリームは肌悩みに対しての働きももちろんありますが、スキンケアの仕上げとして、油分で蓋をすることで肌を保護するミッションがあります。これらに対して、保湿や美白、しわ対策などにフォーカスしたお手入れができるのが美容液です。役割が異なるので「美容液を使っているからクリームは必要なし」ということにはなりません。洗顔→化粧水→美容液→乳液・クリームは、スキンケアの基本4ステップと心得ましょう。
薬用化粧品と化粧品の違い
スキンケア製品は「薬機法」と呼ばれる「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」によって「医薬品」「医薬部外品」「化粧品」に分かれています。普段、私たちがお手入れに使っているものは「化粧品」ですが、容器や外箱を見ると「医薬部外品」と表示されているものもあります。医薬部外品は「ニキビを防ぐ」「日焼けによるシミ・ソバカスを防ぐ」など、厚生労働省が許可した効果・効能に有効な成分を配合したものです。規定の有効成分が一定量入っているため、効果を期待できるのが特徴です。「化粧品」にはそのような規定がないため、逆に、医薬部外品に規定されていない、しかし、特定の肌悩みに効果を発揮する成分や新しく開発された新成分が含まれる製品もあります。そのため、一概に「医薬部外品の方が化粧品よりも優れている」という考え方に固執するのではなく、製品を見極めることが大切です。自分の肌質に合っているもの、自分の肌悩みに合っているものを安心して使えるか否かということが、正しい化粧品を選ぶ基本です。ちなみに「薬用」の表記されている製品は「医薬部外品」となります。
美容液の選び方、3つのポイント
1.保湿力が十分に感じられるものを選ぶ
どの美容液にも共通していえることですが、保湿力が十分感じられるものを選ぶことは大前提。シミであろうと、ほうれい線であろうと、肌悩みを改善するには、角層がうるおいで満たされていることが絶対条件だからです。乾いた肌にどんなに優れた美容成分を与えても、焼け石に水で角層まで届かないからです。保湿力のある美容液の選択に加えて、その前段階である化粧水にも保湿力を重視したいですね。
2.肌悩みなど目的に合わせて選ぶ
保湿力の次にチェックしたいのが、肌悩みに合った成分が配合されているかです。
たとえば
【保湿に徹したいとき】
アセチルジペプチド-1セチル、セラミド、スクワラン、グリセリン、トレハロース、トリペプチド-10シトルリン、シャクヤク根エキスなど
肌のバリア機能の低下やターンオーバーの乱れにも影響するうるおい。年齢を重ねるにつれて水分保持能力は衰えていくので、「肌が乾燥して乾燥して仕方がない」という人は「保湿」に焦点を当てた美容液を選ぶといいですね。
【日焼けによるダメージを防ぎたいとき】
ビタミンC誘導体、アルブチン、ナイアシンアミド、アスコルビン酸、APPS、コウジ酸、トラネキサム酸など。
シミの元となるメラニンがつくられないように働く成分と、メラニンに働きかける成分で、アプローチしてくれるのが「ホワイトニング美容液」です。夏使うものと思いがちですが、紫外線のパワーが弱まる冬も使用して、年中無休で味方にしたい美容液。
特に紫外線による肌ダメージが気になる前から使用するのがおすすめです。【エイジングケアを積極的にしたいとき】
レチノール、レチノイン酸トコフェリル、パルミチン酸レチノール、プロテオグリカン、フラーレン、アスタキサンチン、トリフルオロアセチルトリペプチド-2、キサンタンガムクロスポリマー
「エイジングケア美容液」はハリを与えてくれるものやしわ、くすみのケアに効果的なものなどがあります。過保護に使う必要はありませんが、肌のエイジングは30代に入れば確実に始まります。数年後・⼗数年後の肌のためにも使用していきたいですね。
3. 浸透テクノロジー
高濃度な成分も肌に届いてこその効果です。美容成分をナノサイズ化したりナノ加工して浸透させるナノテクノロジーは化粧品開発によく使われている技術ですが、独自のテクノロジーは研究開発の腕の見せ所でもあります。たとえばビーグレンの「QuSome(キューソーム)」。成分を安定させて⾓層のすみずみへ届けることで効果を持続させる技術です。
4.香りやテクスチャーなど使用感も大切
美容液といっても、リキッド、ジェル、クリーム状、とろみの強いものまたは弱めのものなど一つ一つ異なります。肌に塗布するとサラサラになるものやペタペタしやすいもの、無香料のものからフローラル系や柑橘系の香りなどさまざまです。スムーズに心地よくお手入れを続けるためにも、好みの香りや使用感は、化粧品を選ぶ上でとても大切なポイントです。また、容器もボトル、チューブ、エアレスノズル式、スポイト式などこちらも多種多様。美容液は成分の変質や参加を防ぐため、密閉性や遮光性に工夫が凝らされているものが目立ちます。一見、仰々しい容器も実は各メーカーにおいて製品や成分に関わる深い意味があるのです。
効果を引き出す使い方7ヶ条
1. 順序を守る
最近は化粧水の前に使うブースター美容液などもありますが、最もスタンダードな使い方は化粧水→美容液→乳液・クリームの順です。順番を守って、一つ一つしっかりと浸透させながら肌に入れていくイメージでお手入れしましょう。美容液は水溶性のアイテムなので、油分の多い乳液やクリームの後だと浸透しにくくなります。
2. 化粧水で十分水分を与える
洗顔で汚れや不要な角質はオフし、化粧水で水分を与えて肌をふかふかな土壌にしておくことも美容液の浸透を高めるコツです。乾いた土に肥料を与えても養分が行き渡らないように、肌も乾いた状態ではせっかくの美容成分をすみずみまで⾏き渡らせることができないのです。
3. 複数使いはOK。混ぜて使うのはNG!
肌悩みは一つとは限りません。美容液も1種類しか使ってはいけないという決まりはありません。ただし、面倒だからと複数の美容液を混ぜて一度につけようとしないこと。成分はバランスを考えて配合されています。混ぜて使うと成分が分離することも考えられます。なじみの良い順序で重ねるのがポイントです。コクがある美容液と、さっぱりとした美容液の場合は、さっぱり→こっくりが正解。各メーカーのラインでスキンケアを行っている場合は、そのメーカーの推奨する順番を守るようにしましょう。
4. 手の温度で温めて塗布する
美容液を手のひらに適量を出したら、両手を合わせて美容液を体温で温めます。温めの一手間で、浸透がよくなるからです。あとは手の平で美容成分を肌に優しく押し入れるイメージで。ペチャペチャとパッティングしながらつけるのはNG。基本的にはこのように手の温度で温めてつけるようにしますが、中には各化粧品メーカーによって、その製品の推奨するつけ方が異なる場合もあります。その場合は説明書に記載されていますので、説明書に従った使い方を行うようにしましょう。
5. 使用量の微調整もあり
適量を守ることはとても⼤切です。しかし、顔の部位によって乾燥の度合いは違いますし、季節によって、また体調によっても肌のコンディションは異なります。その場合には使用量の“微調整もあり”でしょう。
6. 継続して毎日使う
いくら美容成分が贅沢に配合されていても、確かな効果実感を得るには時間が必要です。美肌はすこやかなターンオーバーとともに育てていくものと心得て、コツコツと毎日お手入れを続けていくしかありません。ただし、使い始めてかゆみや赤みなどの症状が出たら、すぐに使用を中止してください。
7. 少量使いで、半年も一年も使い続けない
高額な美容液は、長く持たせたいと思うのも当然の心理です。でも、化粧品は開封した時から少しずつ劣化が始まってしまうもの。使っていくうちに雑菌が繁殖することもあります。30㎖程度の美容液は2~3ヶ月で使い切るのが理想です。
美容液は基礎化粧品
美容液に関する基本は押さえられましたか?肌質や肌悩みに合った美容液を見つけて、ベストな肌コンディションの味方にしてください。「毎日使うのは肌を甘やかすことになる!」というのは根拠のないウワサ話です。今や美容液は基礎化粧品。毎日、正しく使い続けることで効果が出やすくなるのも、美容液なのです。