目のくま解消!【中編】「茶くま」の原因と対策はコレ!
3つの種類のある目のくま。【前編】にて紹介した血流の改善で解消できる“一過性”の「青くま」に対し、皮膚自体が茶色くなって “定着”してしまったくまが「茶くま」です。効果が現れるまでに時間はかかりますが、必ず「ケアを続けてきてよかった」と思う日がやってきます。“今より、絶対に濃くしない”守りのケアも徹底しながら、じっくり向き合っていきましょう。
青、茶、黒。見極めを誤らないことが、くま対策の第一歩
「くま」には「青くま」「茶くま」「黒くま」の3タイプがあること。そしてそれぞれ原因が違うこと、解消法も異なることは【前編】でもお伝えしましたが、おさらいを兼ねて3つのくまの違いをここでもご紹介しておきます。ぱっと見の判断が難しかったら、目の下の皮膚を軽く引っ張ってみてください。引っ張った皮膚と一緒にくまも動いたら、それは茶くまです。このことからも皮膚そのものが茶色く色素沈着を起こしてしまった状態であることが分かります。
茶くまを発展させる3つの原因
茶くまの正体とは?
茶くまをつくってしまう色素沈着の正体は、メラニン色素です。頬やデコルテに出来るシミと同類ですが、「くま」は歌舞伎の「隅取(くまどり)」が由来といわれています。「隈取」は顔の筋肉や血管を強調した化粧法ですが、赤色、青色(藍色)、茶色(代赫色)があって、役柄によって描き分けられるのはご存知でしょうか?ちなみに、赤色は正義や勇気を表し「善」を意味し、青色は「冷酷さ」や「悪」を表し敵役に、茶色は鬼や妖怪など、人間ではない役に使われます。歌舞伎の世界とはいえ、鬼や妖怪のイメージの「茶くま」。
しかし、実際は本当にたくさんの方が茶くまに悩んでいます。まだシミが出来る年齢ではなくても、目の周りはまっ茶色という方もいるほど。理由は、皮膚が薄いがあまり、紫外線のダメージや摩擦の影響をどこよりも受けやすいのが目元だからです。頬の1/3程度の厚さしかない目元の皮膚。UVガードは鉄則ですが、丁寧にメイクや洗顔をしても、少しずつ刺激を受けメラニンを発生させてしまうのが現実です。
紫外線×摩擦×乾燥で茶くまに発展
「紫外線」に加えて、無意識に行ってしまいがちなのが、目をこする行為などの「摩擦」です。ゴシゴシ、グリグリ。コンタクトレンズを外したときやタオルで顔を拭いなど、ついやっていませんか?これもまた茶くまをつくる可能性を高めます。まぶたへの摩擦や刺激が続くとターンオーバーが乱れ、メラニン色素が蓄積されその結果、色素沈着してしまうからです。しかし、メラニン色素とアイカラーの色素は別のもの。「ブラウンのアイカラーを使うと茶くまになりやすい」という話はウソです。原因はアイカラーを塗るときに生じる摩擦であって、アイカラーの色素がまぶたに浸透することはありません。
また、「乾燥」は肌のバリア機能を乱します。ただでさえ皮膚が薄く、みずみずしい状態を常に保つことが難しい目元は、バリア機能を正しく働かせるのがいちばん難しい部位です。
茶くまはシミと同類。解消のポイントは“美白”
茶くまケアのポイントは、色素沈着を改善することにつきます。茶くまと「くすみ」を混同している人がいますが、2つは別ものです。くすみは古い角質が肌の表面にたまって質層が厚くなることで起こることですから、古い角質を取り除いただけでは、茶くまは消えません。そこで出番となるのが、美白効果を期待できる化粧品です。目元の皮膚は本当にデリケートなため、わずかなの刺激が大きな刺激になりかねません。そのためにも専用の製品である目元用美容液やアイクリームを使うようにしましょう。では、具体的にどのようなケアをしたらいいのか見ていきましょう。
茶くまのケア【スキンケア】
1に「保湿」、2に「美白」、3に目元も忘れず「UV対策」
保湿
茶くま改善の鍵を握るのは、皮膚が新しいものへと生まれ変わる「ターンオーバー」です。どうしても加齢とともに細胞が生まれる力も、古い角層がはがれる力も低下してしまうため、ターンオーバーを促すケアは必須です。とくに冬の血流低下と乾燥による水分不足は、一段とターンオーバーを滞らせる原因に。茶くまケアとして第一にやること、それは十分な保湿を心がけることなのです。
美白
美白が期待できる成分を含む化粧品の使用も検討したいところです。よく知られた成分に「ビタミンC」「ビタミンC誘導体」「アルブチン」「コウジ酸」「トラネキサム酸」がありますが、ビタミンCは高い抗酸化作用があり、ターンオーバーの正常化を図る重要な成分。メラニンの生成を防ぐ働きがあります。
ただし、ビタミンCは優れた成分でありながら、肌に浸透しにくい上にとても不安定で、すぐに酸化してしまう性質もあります。化粧品には多くの場合、「ビタミンC誘導体」という形で配合されています。ビタミンC誘導体は、肌への浸透を良くし、長時間活性を持続できます。また、クリームのような油性の化粧品に配合することも可能であるのが特徴です。なかには、ナノカプセル化した独自の技術で、ビタミンC誘導体を漏らさず的確に角層のすみずみまで届けることを可能した製品もあります。
さらに、アルブチンもメラニンの生成を抑える働きがあります。コウジ酸はメラニンをつくる酵素の活性を抑え、メラニンの生成が始まらないように先回りをしてくれる成分。トラネキサム酸は目元の肝斑にも期待でき、保湿効果も認められている成分です。これらの成分を取り入れていくことも効果を期待できますが、美白はじっくりと時間をかけてお手入れすることが、トーンアップへの近道です。だからこそ、感触がよく、長く使い続けられるお気に入りとなる製品を選ぶことも重要なのです。
アイクリーム(目元用美容液)の塗り方
スキンケアの順序としては化粧水→美容液→(乳液)→アイクリーム→目の周りを避けてクリームが一般的ですが、製品によって使うタイミングが異なることもあるので、説明書のチェックも忘れずに。アイクリームはベタつかないように設計されてはいますが、つけ過ぎることでアイメイクがヨレることもあります。特にメイク前は薄くつけるのがおすすめです。
①上まぶたと下まぶたに数箇所、アイクリームを点で置きます。
②薬指の腹を使って目頭側から目尻方向にポンポンポンと押さえながら、やさしくなじませます。ただし、目の周りの皮膚は薄いので合わないと感じたら即、使用を中止するのが鉄則です。
紫外線対策
紫外線は茶くまに直結する原因です。紫外線から肌を守ろうとして過剰にメラニンがつくられることで、色素が沈着してしまうからです。「紫外線対策は夏だけでなく一年中」は、茶くまをつくらないためにも必要なことす。眼球を守ること以外に、茶くまゾーンを紫外線からカバーできるサングラスも味方につけましょう。
茶くまケア【生活習慣】
摩擦や刺激に注意! マッサージは逆効果
皮膚の薄さを考えたら、目元は触れないに限るくらいデリケートな部位です。対策はメイクをするときも、メイクオフも、スキンケアをするときも、とにかく摩擦を避けること。頬や額と同じような力加減で行うのはNG行為になります。もちろん茶くまにはマッサージも禁物です。マッサージの刺激によりさらにメラニンを活性化させてしまう可能性があるからです。【前編】の青クマのケアでマッサージを紹介しましたが、青くまと茶くまが混在している場合は、茶くま優先。青くまの血流改善はマッサージではなく、“温めるケア”で行いましょう。
食事の度にビタミンCを摂取!
茶くまにはビタミンCがとても効果的な成分であることはすでにお伝えしましたが、ビタミンCは身近なフルーツや野菜から手軽に摂取できる栄養素です。ビタミンCには抗酸化作用、メラニンの生成を抑える作用、メラニンを淡色に戻す作用がありますが、タンパク質と一緒に取れば、コラーゲンの生成にも役立ちます。ただし、ビタミンCは数時間で体の外に排出されてしまうので、食事の度に摂取するのが理想的です。また、ビタミンCは水に溶け出しやすい性質があります。ビタミンCの損失を防ぐには、「茹でる」「煮る」より「炒める」「レンジで加熱する」がおすすめです。
ビタミンCが豊富なフルーツと野菜
キウイ
グリーンキウイよりもゴールドキウイの方がビタミンCの含有量が多いため、より効果を高めたい人はゴールドキウイがおすすめです。
イチゴ
7~10粒食べれば、一日分のビタミンCが摂取できるといわれるイチゴ。ヘタを取らずに洗った方がビタミンCの流出を防げます。
柿
日本を代表するスーパーフルーツ。ビタミンCがとても豊富で、カロテン・カリウム・タンニンなど多くの栄養素を含みます。
カムカム
ビタミンCやポリフェノールの他、美白作用があるエラグ酸も含まれています。
ミカン
ミカンの白い筋は食物繊維が豊富な上に、ビタミンP(ヘスペリジン)も含まれています。このビタミンPを摂取することにより、ビタミンCの吸収が高まるので、ミカンは筋を取り過ぎずに皮ごと食べるのが理想的です。
ピーマン
ミカンと同じようにビタミンCとビタミンPを含むのがピーマン。料理に積極的に使いたい野菜です。
もっとも簡単なメニューは、火を通した後に調味料や味付けした出汁に浸すだけの「ピーマンの焼き浸し」。定番メニューとして取り入れてはいかがでしょう?
ブロッコリー
「ビタミンC爆弾」ともいわれます。葉酸やビタミンE、植物繊維などさまざまな栄養素を含み、植物性タンパク質も摂取できます。時々加熱したブロッコリーは水にさらす方も多いようですが、そのまま冷ましましょう。水にさらしてしまうとビタミンCが溶け出してしまうだけでなく、味も香りも食感も損なわれてしまいます。
ゴーヤ
加熱しても壊れにくいといわれているのが、ゴーヤのビタミンCです。ただし塩もみや水につけると失われてしまうので、炒め物にするのがベスト。コラーゲンの材料となるタンパク質を多く含む肉や卵とビタミンCとの相乗効果が期待できるゴーヤチャンプルは、理にかなった美肌食です。また、ゴーヤのワタには、果肉の1.7倍ものビタミンCが含まれています。きれいに取ってしまいがちですが、ワタの部分は苦みも少ないので、少し残して料理に活かすのもおすすめです。
摩擦を避けて明るい目元へ!
いかがでしたか?茶くまについてじっくりご紹介しました。どうしても気になる場合はコンシーラーでカバーするのも一つのテクニックですが、コンシーラーを使う行為が摩擦にならないように、気をつけてくださいね。そして目指したいのはコンシーラーのいらない目元。色素沈着を阻止しながら淡色化もしてくれるビタミンCを味方につけて、明るく美しい目元を取り戻していきましょう。