目のくま解消!【後編】「黒くま」の原因と対策はコレ!
3つの種類がある目のくま。【中編】にて紹介した「茶くま」が濃くなったものが「黒くま」と思われがちですが、黒くまの正体は“影”です。茶くまのように皮膚の色が変わっているわけではありません。美白ケアをしても、影が消えないのはそのためです。目のくまシリーズ最終章の【後編】は黒くまにスポットを当て、原因と対策方法を紹介していきます。
黒くまは、エイジングのサイン
血行不良が原因の「青くま」、色素沈着による「茶くま」。この2つは若くても悩まされるくまですが、年齢を重ねて加わるのが「黒くま」です。若い世代でも涙袋が大きいために目の下に影が出来てしまう人もいますが、黒くまの原因は多くの場合、加齢によってハリを失った目の下の皮膚のたるみです。たるむことで影ができ、それが黒く見えるので「黒くま」と呼ばれています。黒くまが気になる人は、目の下の皮膚を引っ張ってたるみを伸ばしてみてください。もしくはあごを少し上げて鏡を見てみましょう。黒くまだけなら、影なので消えてしまうはずです。「薄くなるけれど、消えはしない」という人は、茶くまと黒くまが混在している可能性があります。
目の下の皮膚をたるませる原因は大きく3つ
1. 目元の筋肉の衰え
目の下のたるみといちばん深く関わっているのが、目の周りを覆っているドーナッツ状の「眼輪筋」という筋肉です。眼輪筋は目の開閉に使われる筋肉ですが、骨で支えられていないため、目の下の脂肪(眼窩脂肪)がクッションの役割を果たし眼球を守っています。同時に、眼球が前に出てこないように押し留める役割も担っています。ところが加齢によって筋力の低下が起こると、脂肪を支えられなくなってきます。その結果現れてしまうのが目の下のたるみです。
2. コラーゲンやエラスチンなどの減少
筋力の低下に輪をかけるのが、肌の老化です。私たちの肌は真皮層のコラーゲンやエラスチンなどの組織に支えられハリを保っていますが、これらもまた加齢や乾燥、紫外線のダメージなどによって失われて行ってしまいます。
3. 目の酷使や目元への刺激
加齢だけでなく、パソコンやスマートフォンを見続ける行為も、目の下をたるませる原因の一つです。集中して画面を見ていると、当然まばたきの回数は減ります。まばたきをしないということは、眼輪筋が運動不足になるということ。筋肉は使わないと硬くなり劣化を起こします。また、まばたきが少ないと涙の量が減ってしまうので眼精疲労も起こしやすく、さらに女性はメイクオフの度に“摩擦”という負担を与えています。マスカラの落ちやメイクのヨレが気になって、無意識に下まぶたを触ってしまうこともあるはずです。茶くま同様に、コンタクトレンズを外したときや、タオルで顔を拭いた時などにやりがちな目をこする(かく)行為も、下まぶたの皮膚を相当痛めつけているのです。
黒くまのケア【筋トレ】
眼輪筋トレーニングで筋力アップ
茶くまと同じように、黒くまも悩みが深刻にならないよう防ぐことも大切なケアです。そのために習慣にしたいのが、眼輪筋トレーニング。「えっ、筋トレ?」と思うかもしれませんが、いくつになってもトレーニングで復活させることができるのが筋肉の素晴らしいところです。眼輪筋トレーニングは、マッサージによる摩擦の心配がいらないので、茶くまと黒くまが混在している方にもおすすめです。
紹介するのは、眼輪筋の緊張をほぐして、眼輪筋の弾力をキープする筋トレです。ハリが出て顔の印象も変わるので、継続は力なり。目をギュッと5秒間閉じたあと、ゆっくりと大きく目を開くだけでもエクササイズになりますが、ここでは、さらなる効果が期待できる方法を紹介します。ウォーミングアップとして、額の前頭筋をほぐしてから始めましょう。皮膚を引っ張らないために、マッサージクリームを使うなど十分に滑りの良い状態で行いましょう。
1. 額をほぐす
①手を軽く握り、額に置きます。
②眉間からスタート。頭の重みを利用して、額に圧をかけながらこぶしをグルグル回す。1か所につき3~5回。第二関節の平らな面を使いましょう。
③眉間からこめかみに向けて、眉上から生え際まで均等に。
2. 下まぶただけを使って目を閉じる
①人差し指を伸ばして、上まぶたの眼輪筋を捉え、軽く押さえます。
②人差し指を固定したまま、下まぶただけを動かして目を閉じます。右目、左目各5~10回。上手にできなくても、「ここの筋肉を使う!」という意識を持ってやってみてください。
上手にできなくても、ここの筋肉を使うという意識をもってやってみてください。
黒くまのケア【スキンケア】
エイジングケア成分で積極的なお手入れを
筋トレを続けながら、スキンケアでは「十分な保湿+エイジングケア成分」でハリを高めていきましょう。アイケア製品の選び方としては、肌のハリをサポートするセラミドやレチノール、コラーゲンの生成を促すビタミンC誘導体などを配合したものがおすすめです。なかでもビタミンC誘導体は、茶くまにも黒くまにも効果的な、本当に心強い成分。レチノールはコラーゲンやエラスチン繊維、ヒアルロン酸などを生み出す線維芽細胞を活性化する成分です。そして日中のケアは、紫外線対策も忘れずに。真皮にまで届く波長の長いUVーAは、たるみをもたらす恐ろしい紫外線です。
ちなみに化粧品のコラーゲンはあくまでも保湿成分。そのまま肌のコラーゲンになるものではありません。もちろん保湿は全てのお手入れの基本ですから、成分としてのコラーゲンには役割があります。たるみケアにおいては、コラーゲンがつくられるようサポートする成分に着目すると良いでしょう。
青くま、茶くまと同じくアイケアはやさしく!
アイケア製品の塗り方は青くま、茶くまと同じです。上まぶたと下まぶたに数ヶ所、アイクリームまたは美容液を点で置き、薬指の腹を使って目頭側から目尻方向にポンポンポンと押さえながら、やさしくなじませていきましょう。
黒くまのケア【生活習慣】
食生活は抗酸化を意識
スマホやパソコンを使わない日はないといって過言ではない現代。私たちの眼輪筋は昔の人以上に酷使されています。それだけたるみやすいということですから、生活習慣の見直しも必要です。黒くまを即時に解消してくれる食べ物はありませんが、食生活では抗酸化を意識しましょう。トマト、ブロッコリー、タマネギ、ブルーベリー、アーモンド、ナッツ類、大豆製品など。どれも身近で抗酸化成分を含む食材です。
良質なタンパク質なくして、ハリは出ず!
またビタミンCには抗酸化作用があり、タンパク質と一緒に取れば、コラーゲンの生成にも役立つことを茶くまの【中編】でお伝えしましたが、タンパク質×ビタミンCは黒くまの改善にもなくてはならない組み合わせです。厚生労働省が発表している「日本人の食事摂取基準」では、18歳以上の女性に対しては一日50gのタンパク質摂取を推奨しています。朝食はパンとコールドプレスジュース。ランチはパスタとサラダ。夕食はダイエットモードで少なめに。そのような食生活は一見、健康的に思えますが、タンパク質不足になりがちです。朝食はご飯、納豆、卵焼き、アジの干物、豆腐の味噌汁、昼食は豚生姜焼き定食、夕食はマグロの刺身と冷奴の方が、タンパク質もしっかり取れてよりヘルシーなのです!しかも、タンパク質、糖質、脂質の三大栄養素において、タンパク質だけは体内で自由につくり出すことができません。毎食、肉、魚、卵などのタンパク質を取るように心がけたいものです。
毎日のお手入れで明るい目元を!
【前編】【中編】【後編】と3回に分けて「青くま」「茶くま」「黒くま」についてじっくりご紹介しました。くまは三者三様です。なかでも茶くまと黒くまは、10時間寝たからと簡単に消えるものではないことを理解していただけたことでしょう。毎日の丁寧なお手入れが目元の明るさを左右するのです。また、くま隠しにコンシーラーを使う場合は、茶くまはイエロー系、青くまはオレンジ系、黒クマはベージュやオークル系など、基準色が異なることも覚えておくと便利です。コンシーラーを購入する際はお店の方に相談してみると安心ですね。茹で卵の皮ほどの薄い目元の肌、もちろん摩擦にならないようにやさしく塗ることも忘れずに!