気になるマスク対策Vol.2「マスク老け」マスクでたるむ「口元」ほうれい線・マリオネットライン編
国民総マスクの2020年の夏。暑苦しさとの闘いではありつつも、女性たちの間でマスクは「ほうれい線が隠れるので、若く見える!」「人に顔を見せないからノーメイクでOK」という声も多く飛び交います。しかし、『気になるマスク対策Vol.1「マスク老け」マスクで目立つ「目元」たるみ・くぼみ編』でお伝えしたように、油断していると顔にたるみやゆるみをもたらすのがマスク生活なのです。感染対策には必須のマスクですが、美容的には隠れる安心感に浸ってばかりはいられません。今回は「マスク老け」Vol.2として、マスクでたるむ「口元」の代表格ほうれい線とマリオネットラインへの対策をご紹介します。
目次
口の周りの筋肉は、ゆるみっぱなし
鼻呼吸と口呼吸では顔つきに違いが!
舌の筋力低下も口呼吸の原因に
口角を下げる「食いしばり」にもご用心
たるみがもたらすほうれい線とマリオネットライン
ピンポイントではなく顔全体のお手入れを
続けることで効果が期待できる「フェイシャルヨガ」
生活習慣。意識したい「糖化を防ぐ食生活」
糖化を防ぐ食べ方5大ルール
「マスク老け」対策は体の老け対策でもある!
口の周りの筋肉は、ゆるみっぱなし
顔の下半分が隠れるマスク生活も早いもので半年以上経過しました。「新型コロナウイルスは、発症前の無症状の時期から人に感染させてしまう」というデータも集積され、外出時のマスクの装着は不可欠です。人との接触やコミュニケーションが格段に減ったコロナ禍。私たちは今、かつてないほど表情筋を使っていない生活を送っています。
筋肉は使わなければ萎えてしまいます。デジタル生活を送る現代人は、昔と比べて「顔の筋肉を使うこと」が少なくなったといわれていますが、このコロナ禍によりマスク生活が余儀なくされ、顕著に減少しているのが現状です。
しかも、マスクをしながらの鼻呼吸は苦しいがために、気がつけば口は半開きにしている状態です。他者から見られていないという気持ちのゆるみも、口元から緊張感を奪っていきます。口角が下り、ほうれい線やマリオネットラインが成長していることに薄々気付いている方もいるのではないでしょうか。実際、口の周りの口輪筋には、顔の表情筋の70%がつながっているので、口輪筋がゆるむと頬やあご、首の筋肉までもがゆるんでしまいます。
鼻呼吸と口呼吸はでは顔つきに違いが!
本来、人間の身体は鼻で呼吸するように出来ています。鼻から吸った空気はフィルターの役を果たす鼻腔を通ることで、細菌やウイルス、粉塵、花粉などが取り除かれた後に肺に届きます。コロナ対策としても鼻呼吸はとても大切なわけですが、マスク下での鼻呼吸はなかなか困難。無意識に⼝呼吸になってしまうのも⾃然なことです。
しかし、口呼吸にはたくさんの問題もあります。以下を確認してみましょう。
【口呼吸の問題点】
①細菌、ウイルス、粉塵、花粉など取り除かれることなく、そのまま肺に入ってしまう。
②噛み合わせに影響が出る。
③下の歯が出てしまうことがある。
④顔つきにも影響が出る。
上記②〜④は常態化による影響ですが、これからも続くマスク生活で起こりうる現象です。下の歯が出てしまうのは、口呼吸をしていると舌を下の前歯に押しつけるようになってしまうから。顔つきは咬筋(咀嚼するための筋肉)の働きが弱まってしまうからです。
舌の筋力低下も口呼吸の原因に
マスクをしているか、していないかに関わらず、舌の筋力低下もまた口呼吸を誘発してしまいます。舌は「赤身肉」といえるように大部分が筋肉でできています。重さは200g程度。かなりの重さですが、舌骨に付いて支えられているのは根元の部分だけ。残りはいわば宙ぶらりん状態。それだけ重力の影響を受けやすいということです。筋力が弱れば垂れ下がり、口が開きやすくなってしまうので、口呼吸になりやすくなってしまいます。
【口呼吸チェック】
唇が乾いて荒れやすい。
朝起きたときに喉が痛い。
舌を上あごに当てて「コン・コン・コン」と音を出せない。
(舌の筋肉が衰えていると音が出せません)
食べるときに音を立ててしまう。
(口呼吸の人は片側で噛みながら、もう片方で呼吸をしているので音が出てしまいます)
口角を下げる「食いしばり」にもご用心
口の周りの筋肉や舌の筋力のゆるみが、顔のたるみに影響するとご理解いただけたことでしょう。加えて、緊張と不安の中で生活をしていかなければいけないコロナ禍は、「食いしばり」も強くなりがちです。上の歯と下の歯は、接触していない状態が通常ですが、精神的ストレスは食いしばりを増長させるといわれています。
パソコンのモニターやスマホに集中している時も食いしばりがちです。この食いしばりによって硬くなり、口角を下げてしまうのが「咬筋」です。ゆるゆるでもコチコチでも、口角が下がる原因となる咬筋。時々意識して、食いしばっていないか確認してみてください。食いしばっていたら顎の力を抜いて、上下の歯を離しましょう。食いしばっているときは胸鎖乳突筋(首の筋肉)も凝り固まっているので、首のストレッチも大切です。
たるみがもたらすほうれい線とマリオネットライン
長引くマスク生活によって加速しかねない「顔のたるみ」。はっきりとしたサインとして現れるのが、ほうれい線とマリオネットラインです。ほうれい線は一見しわのようですが、実は頬の垂れによって出来る境界線。唇の両脇からあごにかけて出現するマリオネットラインも、口角付近のたるみが原因です。先回りのスキンケアと、肌の内側からハリを支えている筋肉の強化でぜひマスクに負けない対策を講じていきましょう。
ピンポイントではなく顔全体のお手入れを
紫外線や表皮の乾燥、酸化などによって失われていく肌の弾力を保つことは、大切なたるみケアです。ほうれい線やマリオネットラインはたるみが原因ですから、線の上だけを念入りにケアしても根本的な改善にはなりません。顔全体のお手入れが必要です。
マスクをしない家の中でこそUVA対策を
真皮まで届いてコラーゲンやエラスチンを破壊する紫外線UVA。私たちは日焼けを起こす紫外線UVBのほうに意識を向けがちですが、たるみやしわの原因になるのはUVAです。窓ガラスも容易に透過して部屋の中にも入ってきますので、ノーメークでも日焼け止めはつけて過ごすのが正解です。もちろん外出するときの日焼け止めはマストです。UVカット機能付きのマスクをつけていても、人の少ない道では外すときもあるのですから。
肌も水分補給第一。保湿を徹底する
肌の乾燥はバリア機能の低下へつながり、ハリを失う原因になります。乾燥は表皮のことと捉えがちですが、表皮が乾燥すると真皮層も水分を十分に保つことが難しくなり負担がかかります。乾燥によって新陳代謝が低下すると、真皮にも影響します。コラーゲンがしなやかさを失う、新たなコラーゲンが生成しづらくなるなど。しかもバリア機能が低下した肌は、とても無防備で外部からの刺激を受けやすい状態なのです。
はたらきが証明されている美容成分を味方に
たるみは老化、老化は酸化。抗酸化は保湿と並ぶスキンケアの基本です。抗酸化作用の代表といえるビタミンCは、ぜひともデイリーケアに取り入れたい美容成分です。また、肌のハリや弾力の基となるコラーゲンやエラスチン線維、ヒアルロン酸などを生み出す線維芽細胞を活性化するレチノールもいわずとしれたエイジングケア成分です。他にも表皮の基底層の働きを修復し、真皮の立体構造を立て直す製品なども登場している今、積極的に活用していきましょう。
リフトアップが期待できるマッサージ
リンパや血液の流れをスムーズにするマッサージには、肌の引き締めやリフトアップが期待できます。力を入れずに優しく、①〜⑧まで順を追ってゆっくり行いましょう。マッサージ美容液やオイルなど指すべりを良くして、肌に負担をかけないようマッサージしてください。
【リンパまで流すマッサージ法】
➀ 両頬に触れた左右の手を耳の方へすべらせます。➁ 左右の手で顔を包むように。
➂ 首を挟むように手を耳の前に添えます。
➃ 顎を少し上げます。
➄ その手を下へすべらせます。
➅ サイドから見た状態です。
➆ そのまま鎖骨まで手をすべらせます。
➇ サイドから見た状態です。リンパまで流すことを意識しましょう。
続けることで効果が期待できる「フェイシャルヨガ」
『気になるマスク対策Vol.1』でも紹介した「フェイシャルヨガ」。何よりも簡単にでき、続けやすいことが魅力です。Vol.2では口角アップが期待できる2つのポーズをご紹介します。表情筋の中でも大きな大頬骨筋を鍛えることができるので顔が立体的になり、小顔効果もあります。どのポーズも5分くらい行うと効果的です。血行も良くなりますよ。真皮のハリや弾力は毛細血管から届く栄養が行き渡ってこそのものです。
【びっくりスマイル】
【美味しい顔】
舌を使うことでより口角を支える筋肉を鍛えます。スムーズに動くよう、繰り返しトレーニングしましょう。
フェイシャルヨガは『b.glenish!』でも人気の企画です。ここでは口角アップをご紹介しましたが、フェイスリフトやシャープなフェイスラインのキープもぜひ!
『フェイシャルヨガ』で10歳若返る!! ~LESSON 1 フェイスリフト~
『フェイシャルヨガ』で10歳若返る!! ~LESSON 3 シャープなフェイスラインをゲット!~
生活習慣。意識したい「糖化を防ぐ食生活」
老化は酸化という話をしましたが、さらなる老化を招くのが糖化です。糖化とはタンパク質に糖がくっついて、AGEと呼ばれるたんぱく質に変性すること。糖化により肌の弾力が失われたり、黄ぐすみや深いしわがもたらされたりと、肌老化の主な原因の一つと考えられています。抗糖化を謳う製品も数多く販売されていますが、AGEをつくらない生活が大前提です。
【AGEがたまる2大ルート】
①体内のたんぱく質そのものが糖化する
②食事で摂ったAGEが体内に蓄積する
糖化を防ぐ食べ方5大ルール
では、具体的に糖化を防ぐための食生活とはどのようなものでしょうか?下記の5つのルールを心に留めて、毎日の食事に取り入れて行きましょう。
①AGEが多い食品を控える
食品中のAGEを最大限に増やしてしまうのが高温での調理。特に肉や魚、チーズなどタンパク質の多い食材は「焼く・揚げる」でAGE量が極端に増えてしまいます。調理法としては「ゆでる・蒸す・生」がおすすめです。卵料理もゆで卵と目玉焼きではAGE量は6倍も違うと報告されています。
②積極的に活用したい酢&レモン
酢やレモンに含まれるクエン酸には、食品中のAGEを減らす働きがあります。揚げ物や焼き物などAGEが多めのメニューにはレモンや酢をお供に。
③緑黄色野菜をしっかり食べる
葉物類やトマトなど緑黄色野菜に豊富に含まれるαリポ酸には、細胞での糖の代謝にかかわり糖化を防ぐ作用があります。強力な抗酸化作用もあるので、積極的に摂る習慣を。また、たんぱく質は血糖値が高い状態が続くと糖化しやすくなります野菜類を先に食べて、血糖値の急上昇を抑えましょう。
④AGE化を防ぐビタミンB1やB6、カテキン
ビタミンB1には糖質の代謝を促し、B6とカテキンはAGEの吸収を阻害する働きがあります。いずれもAGEを作らない大本命といえる抗AGE成分です。
⑤炭水化物は脂質と一緒ともに食べるのが正解
「甘いものを取り過ぎないこと」や「抗酸化作用のある食べ物を多く取る」ことは大前提ですが、炭水化物だけの食事よりも、オリーブオイルなどの脂質と一緒に食べた方が血糖値は上がりにくくなります。オリーブオイルで調理したパスタはAGE対策には適したメニューなのです。
「マスク老け」対策は体の老け対策でもある!
Vol.1とVol.2でお届けした「「マスク老け」。いかがでしたでしょうか?Vol.2の口元たるみ対策では、「抗糖化」についてたっぷり触れましたが、質のよい睡眠や抗酸化生活もとても大切です。活性酸素を発生させるタバコも吸わないにこしたことはありません。その理由は、一服するたびにコラーゲンの生成に必要なビタミンCを破壊してしまうのから。マスク老け対策は体の老け対策でもあります。生活習慣を一つ一つ改善することは、マスクを着用する本来の目的であるウィルス対策の面からも、免疫力は高めることに直結するのです。ウィルスに負けない体とトラブルに負けない肌、その両方を手に入れましょう。次回は、マスク対策のVol.3「マスク焼け」についてお届けします。