こんにちは、皮膚科医の佐藤都雅(さとうみやか)です。こちらのコラムでは、医師としての視点から、スキンケアに関する正しい情報と知識をお届けしております。さて今回は、「ほうれい線」についてお話ししたいと思います。

丸顔さんは要注意!? ほうれい線の真実!

老け顔の象徴とされ、メイクでも隠れないほうれい線。実はシミより厄介?なんてお声もいただきます。一般的に、額や目尻に出来る「しわ」の一種と思われがちですが、実は違います。

ほうれい線の主な原因は、頬のたるみです。まず皮膚においては、真皮層のコラーゲンやエラスチン線維が変性・減少することでハリや弾力を失っています。それと同時に、頬を支える筋肉の衰えや皮下脂肪の低下により、皮膚全体が下がってしまうことで、口周りに頬の皮膚が垂れ下がる形で、深い溝のようなほうれい線が出来てしまうのです。

皮膚自体にもハリがなく、それを支える土台までもその皮膚や皮下組織を支えきれなくなっている、というわけですね。もともと丸顔の方や顔に脂肪が多い方は、筋肉が少ないことや皮下脂肪が減って皮膚がたるむことで、ほうれい線が出来やすいといわれています。急激にダイエットした方も、同じ理由でほうれい線が出来てしまう方が多いですね。

自宅でできる!たるみ改善ケア

ほうれい線は皮膚のたるみと土台の衰えが原因なので、肌表面だけでなく真皮層へのアプローチが大切です。

コラーゲンやエラスチン線維の減少には、加齢の他に紫外線やストレスによる活性酸素、血行不良による代謝の衰えなどさまざまなダメージへのケアが不可欠。特に紫外線A波は季節問わず一年中降り注ぎ、室内や車内・曇りの日であっても、真皮層に到達してコラーゲンやエラスチン線維を破壊します。そのため肌表面の紫外線ケアや保湿ケアはもちろんですが、コラーゲンやエラスチン線維を産み出す元となる線維芽細胞にも働きかける製品がおすすめです。

一般的にビタミンCはエイジングケアの主力選手として知られ、肌のコラーゲン生成を促し、酸化を防ぐよう働きかけます。レチノールも線維芽細胞の活性化に効果的な注目成分です。ビタミンCとレチノールを効果的に取り入れ、日焼け止めは年中無休でお使いください。

現代女性は「たるみ」やすい

スキンケアと同時に意識したいのが、生活習慣です。特に長時間のスマホ使用はたるみを悪化させる原因の一つで、理由は「ブルーライト」と「姿勢」。実は携帯のブルーライトは、紫外線A波の性質と非常に似ていて、真皮層のコラーゲンやエラスチン線維にもダメージを与えます。さらに、スマホを見るときの下向きの姿勢も、頬やあごの皮膚を重力でさらに下に引っ張りながら、同じ姿勢が続くことで首や顔周りの筋肉も硬直させています。血行不良や代謝の低下、表情筋の衰えから、たるみにつながるというわけです。

食生活においても、糖質の多い食事が続くと、肌も「糖化」の影響を受けます。糖化とは、タンパク質や脂質が余分な糖と結びつくことで、体の細胞などを劣化させていく現象で「肌老化」を促進させるといわれています。甘いものの食べ過ぎや、炭水化物が多いバランスの悪い食事は避けていきたいですね。

美容医療と機器の発展で、短期間でできる効果的な施術もたくさんありますが、日々、一番外側のコルセットにあたる肌のホームケアや生活習慣への意識が、たるみ改善への鍵です!



 

コラム連載予告(変更の可能性もございます)
●ニキビの予防とニキビ跡の改善
●美容クリニックの賢い利用法

 

これまでの『美容皮膚科医が伝授、今よりもっと美を高めるための正しい知識』

【1】 はじめまして。皮膚科医の佐藤都雅です
【2】 皮膚科医が実践する5つのスキンケア法
【3】 美白化粧品では解決できないシミの改善法

この記事を書いたライター

Dermatologist

クエスク スキンクリニック院長。女性の美しさに必要なのは、美容治療を受けることだけではなく、毎日少しずつでも時間をとり、ご自分の肌を大切にすることが、まずはなによりも重要だと考えています。理想の美肌づくりのために、医師の視点から、正しい情報を発信しています。

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