こんにちは、皮膚科医の佐藤都雅(さとうみやか)です。こちらのコラムでは、医師としての視点から、スキンケアに関する正しい情報と知識をお届けしております。さて今回は、「ニキビ予防とニキビ跡」についてお話ししたいと思います。

朝も洗顔料を使って!ニキビ菌を撃退

美容皮膚科医が伝授、今よりもっと美を高めるための正しい知識【5】

ニキビ肌のケアでまず大切なのは「洗顔」です。原因となる菌は、顔の皮脂などを栄養にして増えてしまうため、朝晩一日2回洗顔料を使用した洗顔を心がけて、しっかり皮脂や汚れを落としましょう。特に朝はお湯で流すだけ、という方も多いですが、夜間に分泌された汗や皮脂はお湯だけでは落ちません。洗い残しがある顔にファンデーションを重ねて一日過ごしていては、ニキビ肌はなかなか治りませんよね。

メイクをする場合には洗顔料+クレンジングも必要ですが、少ない刺激できちんと落としてくれる製品をお選びください。炎症性の赤いニキビのときには、なるべくメイクは避けましょう。どうしても必要な場合には、ノンコメドジェニックテスト済みの化粧品を使用してみてください。

ニキビ肌に必要なのは「正しい」保湿

美容皮膚科医が伝授、今よりもっと美を高めるための正しい知識【5】

一般的に、ニキビ=オイリー肌が連想されやすく、ベタベタしているとニキビが出来そうだから、化粧水は使わない方がいます。しかし、ニキビ肌にも適切な保湿は大切です。肌が乾燥していると、バリア機能が低下して炎症が強くなったり、過剰な皮脂が分泌されたりする原因にもなります。「ベタベタした肌」と「うるおった肌」はまったくの別物。正しい保湿は、皮脂バランスを整えてくれます。さらにphコントロールができて、肌を弱酸性に傾けてくれる化粧水を使用することで、肌をよりすこやかに保つことができます。

ニキビにも「レチノール」!そのマルチな効果

ニキビやニキビ跡の改善に欠かせない成分の一つにレチノールがあります。レチノールと聞くと、しわ改善を思い浮かべるかもしれませんが、実はマルチな効果を持つ優秀な成分です。ニキビやニキビ跡も、ダメージを修復し健康な肌をつくることができます。もともと私たちの肌の中にある成分ですが、紫外線の影響や自然老化によって減少してしまいますので、しっかり外から補っていく必要があります。レチノールの効果は短期では得られませんので、毎日のスキンケアに取り入れていくことが大切。適切なレチノールを使用することで、肌のターンオーバーが整い、ニキビの出来にくい肌をつくります。

実際に皮膚医療や美容クリニックの現場でも、ニキビやニキビ跡の治療には、古い角質をオフしてターンオーバーを促すピーリング治療やニキビ跡のようにダメージをうけた肌の修復再生を促すニードルRF治療がされています。つまり「ターンオーバー」や「ダメージ修復」は、ニキビケアには必要不可欠。それを自宅のスキンケアで応用するのが、「レチノール」という成分になるわけです。

ただし、レチノール使用初期には、赤みや乾燥や皮向けなどの副作用が強く出る場合もあるので、心配なときには医療機関の受診をおすすめします。

忘れちゃいけない「ビタミンC」との相乗効果

美容皮膚科医が伝授、今よりもっと美を高めるための正しい知識【5】

レチノールとともにビタミンCも毎日のスキンケアに欠かせない成分です。シミ予防のイメージがあると思いますが、ニキビ跡の色素沈着などにも効果的です。また使い続けるうちに肌の透明感もアップします。

繰り返す大人ニキビには生活習慣の見直しを

ニキビの改善には、スキンケアとともに生活習慣の見直しも大切です。生活リズムや食生活、また腸内環境を整えることも美肌につながります。さらにホルモンバランスとの関連もありますので、繰り返すニキビに悩む場合には、一度婦人科でチェックしてみると良いかもしれません。



 

コラム連載予告(変更の可能性もございます)
●美容クリニックの賢い利用法

 

これまでの『美容皮膚科医が伝授、今よりもっと美を高めるための正しい知識』

【1】 はじめまして。皮膚科医の佐藤都雅です
【2】 皮膚科医が実践する5つのスキンケア法
【3】 美白化粧品では解決できないシミの改善法
【4】 自宅でできるたるみ改善法

この記事を書いたライター

Dermatologist

クエスク スキンクリニック院長。女性の美しさに必要なのは、美容治療を受けることだけではなく、毎日少しずつでも時間をとり、ご自分の肌を大切にすることが、まずはなによりも重要だと考えています。理想の美肌づくりのために、医師の視点から、正しい情報を発信しています。

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