脱・自己流スキンケア(3)「薬用化粧品だから効く⁉︎」薬用の意味とは
私たちはこれまで
肌やスキンケアについて
さまざまな情報を得てきました。
積み上げてきた知識のなかには、肌や
スキンケアへの「思い込み」も
含まれています。
肌のお手入れもこの
「思い込み」をベースに
毎日繰り返している
としたら……?
私たちが知らず知らずのうちに
積み上げてしまった
「思い込み」から
私たち自身を解き放ち、
一人一人が大切な自分の肌の
エキスパートになるための
レッスンを始めましょう。
シリーズ第3回目は、
スキンケア製品をどう選べばいいのか、
まずは「薬用化粧品」について
考えてみましょう。
- 思い込み その3
薬用化粧品は
薬と同じように
効くはず!
薬用化粧品は薬と同じように効くはず!
グレン先生、私の同僚が「スキンケア製品は“薬用化粧品”だけを使っている!」と豪語していたのですが、近頃よく聞く「薬用化粧品」って“薬用”というだけあって、薬と同じように効くのですよね?
化粧品と何が違うのでしょうか?
職場での話題もスキンケアとは、さすが美子さん、美肌意識が高いですね!
美子さんの言う通り、「薬用化粧品」の表示を目にすることも増えましたね。
化粧品は、法律により、この
薬用化粧品と化粧品に分類されます。
化粧品には
薬用化粧品と化粧品
の2種類あるということですね。
あれ?
でも、薬用化粧品の他にも
医薬部外品という表示も見かけるのですが、これは「薬用」とはまた違うのでしょうか?
美子さん、よく気が付きましたね。
そうです。実は、薬用化粧品は、
医薬部外品という大きなカテゴリのなかの一種です。
そこで、薬用という表記があったり、
医薬部外品という表記があったりするのです。
それで、「薬用△△」や「薬用〇〇化粧水」という商品名の下に
医薬部外品の表示があったわけですね。
……ん?医薬の“部外品”ということは、医薬品ではないということになりますよね?
「薬用」の意味と、「化粧品」の利点
美子さん、鋭いですね。
美子さんの言う通り医薬部外品は医薬品ではありません。
化粧品との違いは「認定された有効成分を、一定の濃度で配合しなければならない」という点です。
また、
薬用化粧品は、化粧品のように全ての成分を表示する義務がないため、認定された有効成分以外の成分は、各企業が自らの基準で表示するかしないかを決めることができるのです。
薬用化粧品とは、認定された有効成分が一定量含まれている製品、でもその他の成分は、表示されるとは限らない……ということなのですね。
薬用化粧品と比べると、
化粧品のパッケージの成分表記がズラーと長いのは、配合されている成分の全部を表示しなければならないからなのですね。
その通りです!
有効成分が厚生労働省に認定されて薬用と表示できるようになるまでには、数年、数十年と長い時間がかかることも多いですね。
美子さんが気づいたように、
化粧品のパッケージを見れば、その化粧品に配合されている成分を全て知ることができますよね。
また、化粧品には、発明されたばかりの新しい成分なども配合できる「自由度」があります。
最新の成分も配合できる「化粧品」
「自由度」とはどういうことですか?
海外や国内の最新研究で生まれた最先端の成分を配合したり、悩み解決のために、最適な成分の濃度や組み合わせで自由に製品を作ったりできるという点です。
認定成分の縛りや、
配合濃度の制限のない
化粧品は、最新の研究開発成果をいち早く商品という形にできるのが、特色です。
最先端の成分が入った製品をいち早く私たちの肌で試せるというのは、
化粧品ならではなのですね!
スキンケア製品、どう選ぶ?
薬用化粧品も化粧品も、利点もあれば課題もあります。
しかし、どちらも治療のための「薬」と異なるという点は、押さえておいてください。
特に薬用化粧品は、その名の通り“薬用”と謳われているので、薬のような効果を期待してしまいますが、治療のための効果はありません。
でも、効果が強い分、副作用もある薬と異なり、
化粧品は、長期間に渡って使用できるよう開発されていますから、安心して使うことはできますね。
なんとなく「薬用」という言葉の持つイメージで確実に効果があると思い込んでいました。
言葉のイメージに惑わされず、
薬用化粧品も化粧品も製品ひとつひとつを吟味する必要がありますね。
そうです!
どの製品も企業の研究成果の賜物ですから。
はい、私もしっかりと知識をつけて、確かな目でスキンケア製品を選べるようになりたいと思います。
解説していきます。
どうぞお楽しみに!
「脱・自己流スキンケア」シリーズ連載中。
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