脱・自己流スキンケア(6)「複数の美容液を少しずつ使えば完璧!?」美容液の役割とつけ方
私たちはこれまで肌やスキンケアについて
さまざまな情報を得てきました。
積み上げてきた知識の中には、肌やスキンケアへの
「思い込み」も含まれています。
肌のお手入れも、この
「思い込み」をベースに
毎日繰り返している
としたら……?
私たちが知らず知らずのうちに積み上げてしまった
「思い込み」から私たち自身を解き放ち、
一人一人が大切な自分の肌のエキスパートになるためのレッスンを始めましょう。
シリーズ第6回目は、
スキンケア製品をどう選べばいいのか、
「美容液」について考えてみましょう。
- 思い込み その6
- 毛穴もシミもしわも気になる…
複数の美容液を
少しずつ使えば完璧!?
もはやベーシックケアの美容液
グレン先生、
「スキンケアは化粧水だけでは不十分」と前回のレッスンで教えていただいた通り、
洗顔と化粧水の後は、美容液をつけて肌への栄養補給を行っています!
ちゃんとレッスンの実践をしていますね、美子さん。
美容液は保湿成分や美白成分、エイジング対応成分など有用成分が豊富に含まれていて、スキンケアの基本となるアイテム。
もはや美容液はベーシックケアといえますからね。
肌にとって、美容液は必要不可欠なのですね。美容液ってスペシャルケアに使うものという印象がありました。
そんな私も、今では毛穴用美容液に、シミ用美容液、しわ用美容液と数種類を少しずつ重ねてつけています。
気になる肌の悩みは一つではありませんからね。
もう、私の頭も肌もいっぱい、いっぱいな状態です!
これだけ美容液を使っているのだから、ちゃんと美肌になれるはず!そうですよね、グレン先生?
肌にいい成分が豊富に含まれた美容液
鏡の前で奮闘している美子さんが目に浮かびます。
複数の美容液を使ったからといってそれだけで安心はできませんよ。
あらあら、肩を落とすのはまだまだ早いですよ。
それでは、美子さんが今夢中になっている美容液について、もう一度確認してみましょうね。
実は、「美容液とはこういうものである!」という明確な定義はないのです。
一般的には、肌にいいといわれる成分が豊富に含まれている化粧品を指します。
各メーカーは、それぞれ、美容効果を期待させる化粧品を“美容液”として開発、発売しています。
そのため、美容液は多種多様なのです。
たしかに、私の使っている美容液も、化粧水を濃密にした蜜のようなもの、さらりとしたジェル状のもの、しっかりとしたクリームなどテクスチャーも全て違います。
テクスチャーの違いは、配合される美容成分の違いともいえますよ。
テクスチャーはあくまでも使い勝手の好みに応じて作られているのかと思っていました。
前回のレッスンで触れた、化粧水に適した水溶性の美容成分とは反対に、例えば、レチノールなどは水溶性の物質ではないため、ある程度の油分も含む美容液に配合する方が適しています。
配合されている美容成分を確認することは、美容液を上手に使いこなす第一歩といえます。
肌の悩みや「こうなりたい」という目的に、効果が期待できる美容成分を配合した美容液を選ぶようにしたいですね。
美容液は主に3種類
その点は万全です!
私の肌の悩みに応えてくれそうな美容液、
全て使っていますから!
さすが、美子さん!
気合いが入っていますね。
では、その美容液が大きく3種のカテゴリーに分けられることは、もう知っていますね?
保湿ケアの美容液、ホワイトニングケアの美容液、エイジングケアの美容液です。
まず、肌のうるおいを保ち逃さない効果を期待する保湿ケアは、大人の肌悩みの多くに働きかけてくれます。
コラーゲンや各種アミノ酸、ペプチド、ヒアルロン酸などの保湿成分を多く配合する美容液です。
次にホワイトニングケアの美容液です。
シミのもとであるメラニンの生成を抑えたり、すでに出来てしまったシミに働きかけたり、万能なビタミンC、アルブチン、ハイドロキノンなどの美容成分ですね。
最後に年齢を重ねた肌のハリや弾力のもととなる線維芽細胞に働きかけてくれるエイジングケアの美容液です。
レチノールはこのカテゴリーの美容成分ですね。
美子さんは全てのカテゴリーの美容液を使っていますか?
うーん、保湿ケア美容液は使っていないみたいです。
保湿ケア美容液は、複数の美容液を使う場合のはじめの一本でもありますよ。
特に年齢を重ねた肌には必要な美容液ですね。
美肌への効果が期待できる成分を配合している美容液ですが、保湿ケア、ホワイトニングケア、エイジングケアなど、たった一本で全てをまかなうのは、なかなか難しいですよね。
そうなのです!一本で済んだら楽なのですけれど……。
それぞれの目的に合った美容成分がちゃんと入った美容液を用意しましょう。
でも、使い方を間違えてしまったら、せっかくの効果も期待できませんよ。
化粧品の説明書は「使い方の教科書」
美容液の使い方?
少しずつ数種類を重ねてつけているのですが、これって間違いなのですか?
美容液に限ったことではないですが、説明書に記載されている適量をつけることで、はじめて効果が期待できるように設計されています。
つける量が少な過ぎると美容効果が感じられませんよ。また説明書に記載されていないのに、例えば目元や口元など顔の一部だけにしか使わないのも、期待する効果を得ることができません。
説明書を読むことは、面倒でついつい怠っていました。何より、高価な美容液だから「もったいない」と思ってしまって、ちょっとずつ大事に使っていたのですが…。
グレン先生のご指摘通り、しわ用美容液は口元しかつけていません。
美子さん、高価な美容液なのに、
満足する結果を得られないのはもったいないですよ。
化粧品の説明書は、「使い方の教科書」のようなものですから。
それと、複数の美容液を重ねてつけるときに、順番を守ってつけていますか?
美容液を重ねて使う順番とは?
意外な盲点なのですが、美容液を順番問わずに闇雲につけてしまっては、浸透が損なわれることもあります。
まず、水分を多く含むテクスチャーのものから、油分を多く含むものへと重ねてつけるようにしましょう。
水っぽい化粧水やジェルのような美容液からということですね。
そう、「水っぽいものから油っぽいもの」と覚えておいてください。
美容液をしっかりと肌になじませるように、手のひらで優しく押さえることも忘れないでくださいね。
グレン先生。
今回のレッスンで、美容液といっても奥が深いことがわかりました。
最新の化粧品技術が現れやすい美容液
美容液は化粧品の中でも、私たち、女性が特に効果を期待するアイテムです。
それは、化粧品メーカー側からも同様で、研究・開発に力を入れて取り組んでいます。
配合される成分の開発はもちろんのこと、成分が肌に浸透していく技術やきちんと留まる工夫など、メーカーの研究開発の成果が現れやすいのも美容液といえますよ。
最新の化粧品技術は、まず美容液で試すというのも、ありですね。
そう、だからこそ、スキンケアの主役である美容液の効果を存分に得るためにも、
説明書もよく読んで、正しく使ってくださいね。
これからは、もっと丁寧に美容液を使いたいと思います。もちろん、「キレイになれ、キレイになれ」と念じながら肌になじませていきますからね!
いい心構えですね!
念じるのに夢中になって、順番間違えないでくださいね。
解説していきます。
どうぞお楽しみに!
脱・自己流スキンケア
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