美肌にもダイエットにも効果的!舌磨きで目指せ!腸内美人【理論編】
忙しい朝のルーティン、洗顔・歯磨き・メイク・朝ご飯…バタバタと終わらせてしまうことも多いでしょう。しかし他にも大切にすべきケアを忘れてはいませんか?実は「舌磨き」も朝の日課の一つとして、習慣化すべき重要なパーツケアなのです。舌の状態は、内臓や血液の状態を反映する健康のバロメーターともいわれるほど、毎日感度良く変化しています。特に胃腸のコンディションには敏感に反応するため、舌磨きは、虫歯・口臭予防よりもさらに深いところで、体とつながっているのです。肌にも大きく関係する腸内環境の管理と改善に、舌磨きを活用していきましょう!そこで、2回にわたって舌磨きについてお届けします。前編の【理論編】では、舌磨きの効果や舌で分かる健康状態について、後編の【対策編】では舌磨きの方法・舌磨きクリーナーについてご紹介します。まずは【理論編】で舌磨きについて理解を深めていきましょう。
朝の新習慣!舌磨きの4つの効果
歯並びや歯のホワイトニングなど、口内ケアに意識の高いアメリカでも、歯磨き・デンタルフロスとともに習慣となりつつある舌磨き。健康意識の高い女性の間でも実践する人が増えています。舌磨きを習慣化するメリットはどこにあるのでしょうか?具体的な4つの効果をご紹介します。
効果①口臭予防
性別問わず重要なエチケットである口臭。さまざまな原因がありますが、その一つが舌の汚れ。鏡で舌をチェックしてみると、表面に白い苔のような付着物が見られますが、これは「舌苔(ぜったい)」と呼ばれる舌の汚れの一種です。一般的な構造として、舌の表面には非常に細かいヒダ(糸状乳頭)があり、そのくぼみに食べ物のカスや口内で剥がれた粘膜、そしてそれらをエサにして繁殖する細菌などが入り込み、舌苔として表面に付着しています。これが増加すると口臭の原因となりますが、健康的な方でも全体的に薄っすらと付いているのが普通。しかし、加齢やストレス、体調不良などにより、口内が乾燥し唾液量が減少することで、舌苔が増えてしまうのです。逆に舌苔がまったく付いてない場合も、栄養不足などの問題があります。(詳細は後述の「舌で分かる健康状態」にてご確認ください)口臭の原因となる舌苔をキレイにするためにも、舌磨きは効果的というわけです。
効果②風邪などの感染症予防
健康にとっても有益な効果として挙げられるのが、口内炎や風邪、インフルエンザなどの感染症の予防です。特にインフルエンザに関しては、舌磨きをすることで感染する確率が1/10にまで減るというデータも報告されています。実際に、インフルエンザや風邪など多くの感染症は経口感染が多いため、口内の汚れを適切に取り除くことが大切。舌苔などに蓄積された食べ物の残りカスから発生する「プロテアーゼ」という酵素が口の中に残っていると、ウィルスは増殖しやすく、細菌の温床になってしまいます。さらには、口の中を清潔にしていると、体全体の免疫力がアップするため、口内炎や感染症の予防としても有用性が高いのです。
効果③ダイエット効果
意外な効果ですが、女性にとっては嬉しいニュース!ご存知の通り、舌には味を感じる器官である「味蕾(みらい)」があります。この味蕾の機能が舌苔の蓄積により、味覚が鈍くなってしまうと、濃い味や脂っぽい食べ物に偏ったり、どれだけ食べても満足感を得られない状態に陥ったりしてしまうのだそう。舌をキレイに保つことで、さっぱりとした味付けでも旨味を感じることができ、少量でも満足感を得られることにつながります。また過剰に塩分や脂質が含まれていると、内臓に負担をかけ、消化までエネルギーが効率的に回せず、脂肪として蓄積されてしまいます。素材への加工度が低い食べ物は消化がしやすく、ダイエットだけでなく、肌にとってもメリットがありそうですね。
効果④体調管理
先述した通り、舌は体の健康状態を表すバロメーターともいわれています。舌の表面に付着した舌苔の量や、舌そのものの形・色でも体調の良し悪しがつぶさに分かるのです。舌磨きは、体調管理という点でも、肌と同じように、体のSOSを発見できるメリットがあるのです。次章では、具体的に舌でどのように健康状態を判断するのか、詳しく見ていきましょう。
目視できる内臓!舌で分かる健康状態
日常生活において、私たちは内臓器官や血液の状態を簡単に見ることはできません。しかし中国医学では、舌、食道、胃、腸、肛門までを一続きの“内臓”と捉えており、その最も先端にあるのが、口内にある舌というわけです。実際に舌にはたくさんの血管が密集しているため、最も速く全身の血液に届けるために、舌下で溶かすタイプの薬も存在していますよね。体の中で唯一、普段から簡単に目で確認することができる内臓が舌であり、そこには体内情報が集結しているのです。
以下では、「舌苔」「形」「色」の3つのチェック項目で、健康状態を判断するポイントをご紹介していきます。舌磨きの際に健康状態のチェックも同時に行うのが理想的です!
①舌苔
☑白く厚く溜まっている
舌苔には、舌の粘膜を保護する役割があり、適切な量においては必要な物質です。健康な人の舌にも白く薄っすらと舌苔がありますが、舌の色はちゃんと透けて見える程度。この白い舌苔が厚く蓄積し、舌の色がほとんど見えない場合は、胃腸に問題がある状態です。胃や腸が炎症を起こしたり、衰弱していたりすると、急激な回復を目的に新しい細胞がつくられます。胃腸と舌は粘膜でつながっているため、舌の細胞も増殖し、表面にある乳頭と呼ばれる突起が成長してしまいます。その結果、舌苔が表面に蓄積しやすくなり、白く見えてしまうのです。また風邪などの感染症の初期段階に現れることもあります。
☑黄みを帯びている
体の抵抗力が落ち、胃腸のバランスが激しく崩れた状態。食べ過ぎで胃炎を起こしているときも黄色が強くなるそう。風邪やインフルエンザで高熱が出ていることもあるかもしれません。基本的には上記のさらに悪化した段階であり、口臭も強くなっていることで多いです。
☑舌苔が黒ずんでいる
一般的にはあまり見られませんが、細菌のバランスが異常になり、体力が極端に低下しています。何か重篤な病気が進行している、または、服用している薬の影響も考えられますので、一度病院での受診をおすすめします。
☑舌苔がまったくない
ミネラルや鉄分不足が考えられ、貧血の場合もあります。体力や抵抗力が下降し、全身が衰弱しているので、たっぷりの栄養と休息を取る必要があります。
②舌の形
☑ふちがデコボコしている
健康状態が良好な人の舌は、ふちが滑らかで自然なカーブを描いています。しかし舌がむくんでいると、歯にあたり、歯型が残ってデコボコしてしまうのです。冷たいものや水分の過剰摂取で胃腸が弱り、むくみが生じている状態。そこから悪化すると、頭痛や全身のだるさにつながりますので、気づいたら意識することが重要です。特に夏の季節は冷たい食べ物や飲み物を摂取することが多くなりますが、内臓に負担をかけます。胃腸の働きが低下すると、肌のコンディションにも大きく影響しますので、注意したいところです。
☑ひび割れのような線がある
舌の表面には、真ん中を走る「正中線」という線があります。この線以外に、表面に細かい線やヒビ割れ、亀裂が入っている場合は、肌のしわと同様に乾燥が原因です。水分不足や脱水症状、極度の疲労が主な原因と考えられますので、こまめな水分補給を心掛けましょう。
③舌の色
☑白っぽい
舌苔の白さとは別に、舌全体が白さを帯び、血の気がないような舌の状態は、全身の血行が悪いときに見られます。特に女性に多い冷え性の場合、舌の血色が薄い方が多いようです。また疲労や貧血などが原因となることもあるので、夏でも冷房で体を冷やし過ぎないように、たっぷり栄養補給もしていきたいですね。
☑赤味が強い
一般的に、健康な人の舌はピンク色。舌表面の赤みが強い場合は、体内に熱がこもり、水分不足の可能性があります。カロリーの高い食事や刺激の強い食べ物、そしてアルコールなどの過剰摂取が続くと、舌の赤味が強くなるようです。
☑紫色を帯びている
舌が紫色に近い濃い色をしている場合、血液がドロドロしているサイン。血管や血液に老廃物やコレステロールが蓄積されている状態で、体内循環も悪化していきます。肩こりや腰痛、生理痛などの悪影響が出てきます。たっぷりの水分と適度な運動で、デトックスを促しましょう。
上記のことからも、胃腸の健康状態を筆頭に、全身の体調が舌を通してチェックできることが分かります。舌磨きを習慣化することの大きなメリットの一つは、実はそこにあるのです。舌ケアを意識することで、自然と自分の体調管理に目を向けるようになりたいですね。次回の【実践編】では、効果的な舌磨きの方法や舌磨きクリーナーについてご紹介します。
出典
https://www.mindbodygreen.com/0-12028/5-reasons-why-everyone-needs-a-tongue-scraper.html
https://www.healthline.com/health/dental-and-oral-health/tongue-scraping
https://www.self.com/story/how-to-clean-your-tongue