媚薬効果があり?!不思議な果実「カカオ」から作られる「チョコレート」
私たちの身近なスイーツ「チョコレート」は甘く、独特な香りととろける舌触り。そのままでも美味しいのですが、時には料理に使ったり、ミルクに溶かしてホットチョコレートにして飲んだり、ソースにして他の料理を引き立てたりと、チョコレートは個性的でありながら、どのような食材とも合う不思議な食べ物です。世の女性で「チョコレートが嫌い」という人はあまりいないのではないでしょうか?チョコレートの美容・健康効果は、近年ではもう常識のように浸透しています。また、チョコレートを食べると恋する気持ちが盛り上がるとか、恋愛がうまくいくとか、まるで都市伝説のような話題も後を立ちません。これまでもチョコレートについてはご紹介してきましたが、今回は、カカオとチョコレートについて基本に戻っておさらいしてみましょう。
謎の植物「カカオ」とは?
「カカオ」は暑い国で育つ南国フルーツなの?YES!
チョコレートの原材料「カカオ」は、もともと赤道直下の暑い国で育つ植物です。最近ではハワイやインドネシアなどでも栽培され始めましたが、主にコロンビア、アフリカなどで育つ熱帯の植物、フルーツです。カカオは効果効能など、いまだ解明されていない謎が多く、不思議なフルーツといわれています。私たちがよく目にする楕円形のものは「カカオポッド」といって、中にカカオ豆がたくさん詰まった殻のようなもの。それは形もさまざまですが、色も多彩で、まったく同じものはありません。まん丸でツルツルしたものやゴツゴツしたもの、先が尖っているもの、細長いものなど、その形と色もさまざまです。また、熟す前と後ではカカオポッドの色が変わり、カカオ畑はカラフルなオーナメントをぶら下げたクリスマスツリー畑のようになるのです。
上の写真のように木にぶら下がるように生っているものがカカオポッド。枝からではなく、木から直接生えています。下の画像をご覧いただくと分かるように、大きさはラグビーボールくらいでポッドの中に実(カカオ豆)がギッシリ詰まっています。
カカオは受粉してから約半年で成熟するので年に2回は収穫できるそうです。
カカオポッドを割ると、中から白い果肉が出現します(上写真左)。その果肉を取り除くと、現れるのが「カカオ豆(種)」。カカオ豆の多くは割ると紫色をしていて(上写真右)、かじると苦みしか感じません。しかし、この苦いカカオ豆があのチョコレートになるのです。ちなみに、白い果肉部分はフルーツそのもの。ライチやランブータンのような南国フルーツの味がしました。
実際にカカオ畑での工程では、収穫したカカオポッドから取り出した白い果肉ごと専用の木箱などに入れて発酵させます。するとカカオ豆は茶色くなり、化学変化で苦味や渋みがやわらいで、チョコレートの香りの素がつくられるのです。そのカカオを乾燥させたものが麻の袋に詰められ、チョコレート工場などへ出荷されます(上写真左)。工場では、豆の大きさや状態で仕分けされ(上写真右)、なめらかにすり潰されて砂糖やミルクと混ぜることで、私たちが日頃食べるチョコレートへと変身するのです。
現代ではカカオ豆をすり潰してなめらかにするのには、専用の機械を使用していますが(上写真左)、昔は石の台にカカオを置き、石の棒ですり潰していました(上写真右)。私もこの方法を試してみましたが、意外とすぐにカカオから油分が出てきました。しかし、なめらかになるには数時間はかかるそうです。
未だ謎に包まれた「カカオ」の効果・効能
カカオで美肌は叶うの?YES!
チョコレートはカカオという不思議な果実が原材料であるということは分かりましたが、カカオにはどのような効果・効能があるのか、というと実はまだ全ては解明されていないのです。現時点では下記のような効果・効能があるとされています。
【カカオの効果・効能】
●カカオポリフェノール・・・血管を広げる、活性酸素を抑える、脳の活性化
●カカオプロテイン・・・整腸作用
カカオにはカカオポリフェノールとカカオプロテインが豊富に含まれています。ポリフェノールの効果・効能として上記のように、体内の酸化を抑える働きがあるため、活性酸素により生じるトラブルを予防すること期待できます。肌でいえば、しわやたるみに対抗することができるというわけです。
チョコレートには恋愛化学物質が潜んでいる?YES!
では、古今東西より囁かれている媚薬効果は実際にあるのでしょうか?実はあるのです。それは、チョコレートに含まれている「フェネチアミン」という成分。フェネチアミンは「恋愛化学物質」と呼ばれるもので、性的に刺激された時に脳内で分泌される成分です。でも、チョコレートを食べたからといって、突然興奮したりするわけではないのでご安心を。また、チョコレートを食べると「エンドルフィン」という脳内物質が分泌されます。これは別名「幸せホルモン」「恋愛ホルモン」といわれ、好きな人と一緒にいるときの幸せな気持ちを生み出します。チョコレートを食べることでそのホルモンが分泌され、媚薬成分として活躍するのかもしれません。
このような成分が発見されたのは最近の話。バレンタインデーにチョコを贈る習慣が始まったのは、20世紀前半だったため、昔の人はチョコレートが恋愛に効くということを科学的な根拠はなくてもすでに分かっていたのかもしれませんね。ちなみにカカオが食べられるようになったのは紀元前から。15世紀のアステカ王国では不老長寿の薬とされ、皇帝は毎日数十杯のチョコレートを飲んでいたそうです。
本場の味!「ショコラショー(ホットチョコレート)」
前述したように、もともとチョコレートは飲み物でした。しかも甘くなくて苦酸っぱい、とても美味しいとはいえない代物だったそうです。それを甘く、美味しくしたものが「ショコラショー(ホットチョコレート)」です。フランスのバスク地方、バイヨンヌという街の「ショコラ・カズナーヴ」というお店がショコラショーの発祥だとか。フワフワの泡を浮かべた、あっさりしているけどコクのあるショコラショーのレシピをご紹介します。
「ショコラショー」<材料 1人分>
- 牛乳・・・100ml
- 水・・・20ml
- クーベルチュールチョコレート(カカオ分70%)25g
- 砂糖・・・小さじ1
<作り方>
鍋に牛乳、水、クーベルチュールチョコレート、砂糖を入れて弱火にかけ、チョコレートを溶かす。
チョコレートが溶けたら泡だて器でよく撹拌する。→乳化させるような感じで。
なめらかになったらカップにそそぐ。
お好みでホイップクリームを添えたり、マシュマロを浮かせても美味しい!フワフワの泡を作りたい場合は、小さ目の電動ホイッパーをカップに入れて撹拌します。ちなみに本場のカフェでは、ホイップクリームとトーストを添えて頂くのがスタンダードなスタイルでした。ぜひ、お試しくださいね!