腸活で美肌効果あり!生ハチミツの「生」ってなに?
生ビール、生チョコ、生キャラメル。生食パンや生クッキーなどもあって、今やさまざまな食品に「生」が付けられています。「熱殺菌をしていないから」「生クリームを加えているから」など定義はさまざまですが、密かにブームの「生ハチミツ」はどうなのでしょう?純粋ハチミツとの違いを含めて、美肌効果も期待できるハチミツについてもっと知りたいこと、ご紹介します。
目次
・働きバチがハチミツをつくる仕組み
・採集から商品になるまで
・ハチミツの種類として表記できるのは3種類
・「純粋ハチミツ」と「生ハチミツ」の違いとは?
・加熱と非加熱
・「それでもやっぱり、非加熱の生ハチミツ!」という方は
・ハチミツは、そのまま頂くのがベスト!
・キレイのために毎日ハチミツ
働きバチがハチミツをつくる仕組み
本題に入る前に、まず働きバチの仕事をおさらいしておきましょう。花の蜜を採りに行くのは働きバチの仕事です。一回の採蜜飛行で約40mgの花蜜を体内に集めて巣箱に持ち帰ります。これは体重の半分に相当する重さだそうです。巣に戻った働きバチは採取した花蜜を吐き出し蓄えます。吐き出される段階で、花の蜜はハチの唾液や体内に含まれている酵素によってショ糖からブドウ糖と果糖に分解されています。この工程あっての「ハチミツ」なのです。
巣箱の中では、貯蔵担当の働きバチが羽をパタパタさせて仕事をしています。羽を使って風を起こし、花蜜の水分を飛ばしているのです。これによって巣に持ち帰った時点では水分量70%の水分たっぷりの蜜が、濃縮されたハチミツになっていきます。そして巣房が蜜でいっぱいになったら、ミツバチの分泌液であるミツロウで蓋をします。本当に頭の下がる働きぶりです。
採集から商品になるまで
ミツロウで蓋がされ、熟成が進んだところで、ようやく採集が始まります。私たちが手にするハチミツは、養蜂家の方が蜜の溜まった巣板を遠心分離器にかけ、十分に濾過をしてミツロウの破片やハチの子などを取り除き、瓶詰めしたものです。これが正真正銘の「生のハチミツ」ですが、商品ラベルには「純粋ハチミツ」と表記されます。デザインラベルの方に「生ハチミツ」という表現が使用されることはありますが、商品ラベル上の名称はあくまでも「純粋ハチミツ」になります。商品ラベルには他に「原産地名」「原料名」「採蜜花名」「養蜂園名」などが明記されます。
ハチミツの種類として表記できるのは3種類
なぜ「生ハチミツ」とは表示れていないのでしょうか。商品ラベルに記すことができるのは「純粋ハチミツ」「加糖ハチミツ」「精製ハチミツ」の3種類と決まっているからです。分類上、生ハチミツは純粋ハチミツに含まれます。
ちなみに純粋ハチミツは、加熱処理が行われるケースはあるものの、そのほかの加工を一切施していないハチミツのこと。加糖ハチミツは水飴や砂糖など人工の甘味料を加えて仕上げられています。その分安価ですが、栄養面では純粋ハチミツの比ではありません。精製ハチミツは加熱して色や匂いや栄養成分を取り除いたもの。ハチミツから製造される甘味料になります。品質が安定しているため、ジュースなどの加工品、菓子だけではなく、化粧品などにも使われています。
「純粋ハチミツ」と「生ハチミツ」の違いとは?
「生ハチミツ」という種類はないことがわかりましたが、ではなぜ「生ハチミツ」と謳っているのでしょうか。「純粋ハチミツ」にもいろいろ種類があるからです。最初にハチミツがつくられる過程を紹介しましたが、ミツバチがつくるハチミツは巣の中で熟成させるため、とても時間がかかります。そのため、大量生産で生産のスピードアップを図るために、熟成を待たずに水分を多く含んだ状態で蜜を巣箱から出して、熱を加えて水分を蒸発させる製造方法があります。この過程を経たとしても他の加工を施すことがなければ「純粋ハチミツ」として販売することができます。
一方で、あくまでもミツバチの働きに任せ、巣の中で熟成するのを待ち、水分20%近くになったところで遠心分離機にかける生産者もいます。このような背景もあって、熱を加えずに古来の製法で仕上げているハチミツを「生ハチミツ」と呼ぶようになったというのが経緯です。
加熱と非加熱
「生ハチミツ」という表現とは別に「非加熱」という表現も見かけることがあります。輸入品の場合は、「Raw」や「Non-Heat Treated」「Unpasteurized」といった英語表記がされています。
逆に、わざわざ「加熱」という表記をしているところはほぼなく、消費者の方も「非加熱が良くて、加熱は良くない」というイメージを抱きがちです。実は、「加熱」といっても40℃以下がほとんど。「加熱」に過敏になり過ぎている傾向があるようです。「加熱ハチミツは、栄養素や酵素が壊れている」という記事も散見されます。実際はどうでしょうか。ハチミツの栄養素が壊れるほどの高温でなくても、熱で水分を飛ばすこともできます。とろとろのハチミツを濾過しやすくするために湯煎を使う場合も、35℃もあれば十分柔らかくなります。
養蜂が盛んなヨーロッパやニュージーランドで採れた生ハチミツでも、輸送中にコンテナの中で高温にさらされることはあり得るかもしれませんが、製造の段階でビタミンや酵素が壊れるほどの高温処理する必要はないのが実情です。(45℃以上になると栄養成分の破壊が始まり、60度でほぼ死滅するといわれています) 専門店などでは、湯煎のために35℃程度のお湯を使っても、生はちみつとして扱っています。
「それでもやっぱり、非加熱の生ハチミツ!」という方は
ここまでで、純粋ハチミツと生ハチミツの違い、加熱と非加熱について、おわかりいただけたことでしょう。実際、加熱したとしても35~38℃程度なら巣箱の温度範囲です。それでも花の香りや風味が豊かで、はちみつ本来の美味しさを丸ごと味わえるのは、非加熱の生ハチミツに軍配が上がります。
購入方法として確実なのは、信頼できる生産者や専門店を選ぶこと。そして良質で安全性の高い生ハチミツを見分けるには、価格が安過ぎないこともポイントになります。ホームページに採蜜工程が記載されている、除草剤などの残留農薬が基準値以下である保証があることなども、選ぶ上での参考になります。
ハチミツは、そのまま頂くのがベスト!
ハチミツが「スーパーフード」といわれるのは、その驚くべき栄養成分です。ビタミン類だけでも、ビタミンB1・ビタミンB2・ビタミンB6・葉酸・ニコチン酸・パントテン酸・ビオチン・C・K・コリンなど約10種類。ミネラルは27種類、アミノ酸は22種類、天然酵素は80種もあります。その他、ポリフェノールやオリゴ糖、グルコン酸などもバランスよく含まれ、なんと総計は150種類以上。腸内環境を整え、疲労回復に働き、殺菌効果にも優れ、もちろん美容にも良いことはいうまでもありません。
実際、ハチミツは古くから薬としても使われてきました。特に寝る前に摂取すると睡眠の質が上がるとされています。ただし熱によって栄養成分は壊れますので、スプーンでそのまま頂くのが一番です。
一日の摂取量の目安は15g〜20gです。以下のレシピで振って混ぜれば経口補水液の出来上がり。ハチミツにはブドウ糖が含まれるので、体に速やかに吸収されます。マラソン選手がレースの途中で水分を補給するとき、特製のハチミツドリンクを用意しているというのは有名な話ですが、体にとって理にかなった摂取方法です。ちょっと疲れたなと感じるときにおすすめですよ。ちなみに市販の経口補水液はブドウ糖加糖液糖やスクラロースなどの人工甘味料が含まれています。
材料を混ぜるだけ【ハチミツドリンク】
●水:500ml
●天然塩:小さじ1/4
●レモン汁または酢:大さじ1
●ハチミツ:大さじ2
キレイのために毎日ハチミツ
いかがでしたか。初心者にはクセがなくやさしい味わいの「アカシア」や「レンゲ」のハチミツがおすすめです。ハチミツは、花の種類が異なれば味わいも変わります。いろいろ食べ比べてみるのも楽しいものです。食品ラベルに花の表記がないものは、ほとんどが「百花蜜」。百花蜜とは、いくつもの花の蜜が集まったハチミツです。さまざまな香りや味わいが特徴です。
ハチミツは、毎日摂取してこそ、肌や体の調子に変化を得ることができるもの。美味しく続けるために、好みの味を探すのもいいですね。筆者は、毎晩大さじ一杯のハチミツを摂取して、なんと1ヶ月で悩んでいた便秘が解消され、驚くほど快腸になりました。腸がすこやかだと肌も気持ちもすこぶる調子良くなるものです!まずは、寝る前のスプーン一杯のハチミツ、ぜひお試しください。