日本vs. アメリカ、異なる美意識から見える美しさの共通点
「キレイになりたい!」と願う女性の気持ち。この美しさを追求するという行動は、日本もアメリカも共通する文化ですが、一体何に美しさを求めるかとなると、両国の女性たちの間でまったく異なる美のこだわりがあるように思います。
私がアメリカで暮らして気づいたこと、それは女性の美意識の違いです。日本からやってきて間もない頃は、それほど深く考えたことはありませんでした。しかし、長い間生活し、異文化にとけ込んでいくほどに、その美的感覚の違いが見えるようになったのです。それは、メイクやファッションのような外見のものだけに限りません。異なる文化を理解し、そのライフスタイルに馴染んでいくことで得られるものは計り知れません。また新しさを知ることで見えてくる共通点もまた興味深いもの。「日本vs.アメリカ」からなる美の文化交流は、私たちのキレイへの可能性を大きく広げてくれるような気がします。
ダイエット:スレンダー vs. メリハリボディ
美しい体づくりの方法で第一に挙がる美容といえば、やはり「ダイエット」。どちらの国も、今日までダイエット熱はまったく下がらないように見受けられますが、その目的に大きな違いが見られます。日本女性の考えるダイエットとは、スレンダーさを求めて美しくなるために減量を行うこと。それに比べてアメリカでは、主に肥満対策として健康のために行うことが一般的です。
それでは、アメリカ人の女性がどのようにして美しい体を手に入れるのかというと、フィットネスやエクササイズなどでの体づくりです。食べることが大好きな私は、ダイエット中は気分が滅入ってしまいがち。痩せることではなく、メリハリのある体を手に入れることに意識を向け、きちんと食べて運動するという方法であれば、気持ちのいいダイエットができそうだと共感してしまいます。
スキンケア:美白 vs. 小麦肌
日本女性が大切にする「美白」というスキンケア。色白は、アメリカ人にとっては病弱なイメージがあり、小麦色のちょっと日焼けした肌の方が魅力的です。そもそも色素が薄い白人の肌は、日焼けをするときれいな黄金色になりますが、私たち日本人は黒っぽくなります。元々持っている肌の性質から、「美白」または「小麦肌」と違う方向に関心が行くのかもしれませんが、どちらも「美しい肌」を求めることに違いはありません。日差しが強いLA(ロサンゼルス)に住む私にとっては、日焼けをするつもりはなくても、日光を浴びずに過ごすのは難しいこと。やはり美白はあこがれの肌です。
パーソナリティ:おしとやか vs. 自己主張
協調性のある日本人と、個人主義を風習とするアメリカ。日本では古くから、女性はおしとやかな方が美しいという考え方がありますが、アメリカではしっかりとした自己主張をすることの大切さを子供の頃から教えられます。これは、両国の独特な女性の理想像、「可愛い」と「きれい」の違いにつながるのではないでしょうか。
両方とも魅力的な女性の姿であると思いますが、日本人女性も可愛らしさやおしとやかさの中に強い芯を持つことが大切ですし、アメリカ人女性の大人びた美しさの中にもチャーミングさは求められます。バランスを取り、両方をうまく取り入れていきたいと考えさせられる美的感覚の違いです。
オーラルケア:八重歯vs. きれいな歯並び
口元のケアに関しては、実に興味深い文化の違いを実感します。女性の八重歯が可愛らしいとされている日本に対し、アメリカでは真っすぐ整った歯並びが重視され、子どものころに歯を矯正することが一般的です。そんななか、最近ではスーパーモデルのララ・ストーンや女優のヴァネッサ・パラディスの影響により、前歯の間に隙間のある歯並びが一部のアメリカ人女性の間でブームになるというおもしろい一面も。清潔で白い歯を保つことが、笑顔をもっと魅力的にしてくれるのではないかと思います。
異なる文化の中で、今までにはなかった美的感覚を得ることで自分を知り、さらに新しい自分を見つけることにもつながったと感じました。日本にもアメリカにも、それぞれ異なる美の文化が存在しています。どれが正しく、どれが間違いというのはありません。その中で、全ての女性に共通する最高の美容法とは、自分を愛するということなのではないでしょうか。