2018年注目の植物性ミルクは「ゴールデンミルク」と「ピーミルク」
健康的なライフスタイルを追求し、プラントベース(植物由来)の食品に高い関心を持つ人が増え続けているアメリカ。植物を原料としている植物性ミルクは、 もはやベジタリアンや乳糖不耐症の人のための牛乳の代替え品というよりも、「植物性ミルク」という新たなフードジャンルとして定着し、積極的に食生活に取り入れられるようになりました。豆乳、アーモンドミルクやココナッツミルクを筆頭に、カシューナッツ、フラックスシード、ヘンプなど、植物性ミルクの種類も年を追うごとに増えています。2018年、今年のフードトレンドとして注目されている植物性ミルクは、「ゴールデンミルク」と「ピーミルク」です。この2大植物性ミルクについてご紹介しましょう。
Golden Milk(ゴールデンミルク)
ミルクに配合されているターメリックの黄金色がそのまま呼び名の由来になっている「ゴールデンミルク」。インドでは、体調が悪いときに作ってもらう一般家庭の飲み物として古くから親しまれています。抗酸化作用と抗炎症作用に優れ、関節炎や筋肉の炎症を和らげたり、年齢とともに増える体内の活性酵素を排除したりします。また、肌細胞の活性化や、内臓や心臓、脳などに関連するさまざまな病気の予防・改善にも効果があるといわれています。これらの薬膳的な効能は、健康&美容マニアたちを引きつけて、今高い注目を浴びているのです。アメリカでエスニック料理やスパイスがフードトレンドの一つになっていることも、スパイシーなゴールデンミルクの人気を後押ししているよう。コールドプレスジュースで有名な「Pressed Juicery(プレスジューサリー)」のメニューにも登場するなど、植物性ミルク界でも「ゴールドの価値」が急上昇中です。
お好みのミルクに混ぜれば、自宅で簡単にゴールデンミルクが楽しめる、ターメリックとハーブをブレンドしたゴールデンミルクパウダーは手軽で人気を集めています。「Whole Foods Market(ホールフーズマーケット)」をはじめ、LA(ロサンゼルス)やOC(オレンジカウンティー)のオーガニックフードを取り扱うスーパーマーケットで購入できます。日本では、オンラインショップで、カリフォルニアに本社を構える「Sunfood Superfoods (サンフードスーパーフード)」社のオーガニックゴールデンミルクパウダーが購入できるようです。
女性にうれしい!ターメリックの効能豆知識
日本では「ウコン」と呼ばれているインド原産の香辛料「ターメリック」。インドの伝統医学アーユルヴェーダでは万能な薬として古くから重用されているメディカルハーブです。ターメリックに含まれる「クルクミン」は抗酸化作用、抗炎症作用、解毒作用に優れ、健康と美容効果が期待できます。抗酸化作用といえば、アンチエイジングには不可欠!活性酸素を抑え、肌細胞の老化を防ぎ、肌トラブルを改善して、若々しい美肌を保つ働きがあります。また、血中の毒素を排出し、血液をきれいにしてくれるデトックス効果も期待できます。さらに、クルクミンには胆汁の分泌を促す働きもあり、コレステロール値や中性脂肪が減って代謝が上がるため、ダイエットにも有効とのこと。まさにターメリックは女性の味方の香辛料といえます。
Pea Milk(ピーミルク)
シリコンバレーからスタートした「Ripple(リップル)」社の「ピーミルク」は、世界中で栽培がしやすく資源量が豊富なエンドウ豆を原料とする植物性ミルク。エンドウ豆は、ビタミン、タンパク質、ミネラル、食物繊維など体に必要な栄養素も豊富で、良質なタンパク質を持ちつつ、アレルギーとなる物質がなくてローファット、コレステロールフリー。栄養バランスに優れた植物性ミルクとして熱い注目を浴びています。
人にも環境にも優しい次世代ミルク
現在、酪農は地球温暖化の大きな要因になるといわれる「メタンガス」の大量排出が問題視されています。また、昨今人気のアーモンドミルクは、その製造過程で大量の水資源を必要とするそうです。続いて、豆乳の原材料である大豆は、遺伝子組換えのものも多く、農薬の大量使用も気になるところ。さらに、ココナッツオイルは過敏性腸症候群の人には合わないという難点も。このように、牛乳やこれまでの植物性ミルクは長所も数多くあるのですが、それぞれ問題性も指摘されています。
これらの牛乳や植物性ミルクの問題点を解消したいと開発されたのが、100%ビーガンのピーミルク。グルテン、ラクトース(乳糖)、ナッツ、遺伝子組換えのものは一切使用していないそうです。さらに製造過程での水の使用量は、牛乳、ナッツ系ミルク、豆乳などよりも96%も少なく、人にも環境にも配慮されています。そのため、「次世代ミルク」と多くの期待が寄せられているのです。
ピーミルクを試してみました!
私はココナッツミルクやアーモンドミルクの味が苦手で、ずっと豆乳を飲み続けているのですが、同じマメ科のエンドウ豆に興味を惹かれ、ピーミルクを試してみることに。
色味、口当たりは豆乳とよく似ていて飲みやすい!味はやや青臭く感じられますが、飲み慣れてくれば気にならない程度のものなので、豆乳を好む人なら受け入れやすい味ではないでしょうか。欠点は、豆乳より多少値段が割高であることと、まだどこのスーパーでも手に入るほど販売販路が確立されていないこと。これらの問題点に関しては、ピーミルクの人気度が上がってくれば次第に改善されると思われるので、今後の展開に期待したいです。
大豆の遺伝子組換えや農薬問題は気になるところ。また水不足で干ばつ危機のカリフォルニアに住んでいる身としては、製造過程で水の使用が大幅に少ないと知ってしまうと、今後はスーパーでこの2種が並んでいたら、迷わずピーミルクを手に取るつもりです。
選択技が広がる植物性ミルク
ヘルシー志向の高まるアメリカでは、どこのスーパーの乳製品売り場も数年前とは様変わりし、牛乳と互角の面積にアーモンドミルクやココナッツミルク、豆乳などの植物性ミルクがずらりと並ぶようになりました。万能薬スパイスのターメリックを配合したゴールデンミルクと、多くの種類の栄養素を含み、環境問題にも取り組んだピーミルクの参入。私たち、それぞれが求めるライフスタイルに合ったミルクを自由に選択できる時代になったことを強く感じます。「健康も美容も全て欲しい!」と欲張りな私たちには、隔週でミルクをローテーションという手もありかもしれませんね。
参照
http://sunfoodsuperfoods.jp
https://www.pressedjuicery.com/product/Golden-Milk
http://www.healthy-holistic-living.com/golden-milk.html
https://www.ripplefoods.com
https://techcrunch.com/2016/05/25/ripple-is-a-silicon-valley-based-startup-making-milk-from-peas/