失われた鎖骨の救世主!?1日5分からはじめるフォーム・ローラーワークアウト
東京からLA(ロサンゼルス)に移り住んで6年。電車や徒歩での移動が多かった東京暮らしと比べて、LAは車社会。デスクワークが増えたことも追い風となり、体重増加に悩んでいる今日この頃。そんな私をさらに追い込んだのが、先日、日本のファッション事情に詳しい方から伺った、「良く売れるジーンズのサイズが24インチ」という事実!さすがにそこまでとはいきませんが、せめて好きな洋服を不便なく着ることができるプロポーションになりたい。そう思っていた頃、とあるタレントさんが、自宅で行っていたワークアウトとして紹介していたのが、フォーム・ローラーだったのです。
そのタレントさんはスレンダーながら、ほどよく筋肉もついて、まさにモデル体型。ダイエットの必要なんてからきしなさそうに見えるのですが、彼女いわく「メイクさんから“鎖骨が綺麗になった”と褒められた」のだとか。鎖骨……正直言って存在すら忘れていました。恐る恐る確認してみると、ない!!ということで、私の最初のミッションは「鎖骨との再会」に決定しました。でもこれまでさまざまなダイエットやワークアウトをしても長続きしなかった私。フォーム・ローラーと教則本を手に入れて、お風呂上がりの5分間続けることにしました。開始から2週間の結果がこちらです。
フォーム・ローラーの魅力その①:リーズナブル
フォーム・ローラーといってもサイズはもちろん、形状ですら文字通り円筒のものもあれば、半円もあります。その中から、例のタレントさんも使っていた半円をチョイス。自宅でのワークアウトなので持ち運びよりも使い勝手の良さを優先して、ロングタイプを選びました。そして、そのものズバリなタイトルの本『フォームローラーワークブック(Foam Roller Workbook)』を購入しました。かかった費用は35ドル(1ドル114円換算で約4000円)。ここに格安のストレッチマットやヨガマットを加えたとしても、ヨガやスピニングクラスの2回分ほどのお手頃価格。
フォーム・ローラーの魅力その②:体幹を鍛えると同時にフィジカル・セラピーも可能
『フォームローラーワークブック』の記述から、フォーム・ローラーを使ったワークアウトにより期待できる効果を抜粋してみます。
- 体幹の強化を促進
- 柔軟性を高める
- 緊張を解く
- 痛みの緩和
- 怪我のリハビリテーション
LAの高級スポーツジムの前を通りかかったときに、フォーム・ローラーを使ってワークアウトしている人を見かけたこともあったので、米国の人気マガジン『シェイプ・マガジン(Shape Magazine)』で検索したところ、「フォーム・ローラーの使い方」と題された動画つきの記事を発見。こちらを見ると「フォーム・ローラーを使わないなんて本当に良い効果を得るチャンスを逃しているわ」とまで!筋肉のマッサージやヨガ・ブロックとしての利用、バランス感を整えるのにおすすめと紹介されています。実はフィジカル・セラピーとしてフォーム・ローラーは1950年代から使われていたそうです。
超初心者向けフォーム・ローラーを使ったエクササイズ例
『Foam Roller Workout』には約50のエクササイズが紹介されています。でもいきなりガツガツやっても三日坊主になりそうなので、運動不足の私でも2週間5分程度で、挫けずに続けられそうなエクササイズだけをピックアップして行いました。現在の私のプロポーションをこうして公開するのはかなり恥ずかしいのですが、勇気を振り絞ってご紹介します。
エクササイズのコツ
はじめは3~5回、慣れて来たら30回。静止するポーズは10秒からはじめて30~60秒まで伸ばす。動く際は、特に呼吸を意識して行うようにしてほしいとのこと。鼻呼吸か口呼吸かの指定はありませんが、止めずに続けることがポイントです
例1:脊椎を安定させる腕のエクササイズ
(1)両手を床につける。
(2)両腕を天井へ向けて、胸の上の辺りでまっすぐ伸ばす。(写真)
(3)ゆっくりと片方の腕を頭の方へ、もう片方を足の方へ伸ばす。脚の方へ伸ばす腕を床につけないようにすること。
例2:体幹を鍛えて肩を楽にするエクササイズ
両手を胸からまっすぐ天井へ向かって伸ばし、そこからまっすぐ頭の上へゆっくりと移動。
(1)上から見るとアルファベットのIの形になるようにする。
(2)両手の親指を先頭にゆっくりと外側へ移動しアルファベットのYの形に。
(3)IからYへの動きを数回繰り返す。(写真)
(4)Yから肩のラインから水平に広がるように下ろして、アルファベットのTの形に。
例3:1の発展型の脊椎を安定させる腕と脚のコンビネーションエクササイズ
(1)両腕を真っ直ぐ天井へと伸ばして、両膝はつける。
(2)右腕を耳の真横に向かって倒すと同時に左脚を持ち上げて伸ばす。(写真)
(3)(1)の位置に戻ったら下ろす腕と脚を入れ替える。
例4:脊椎と骨盤を強化するエクササイズ
(1)体と腰をローラーにつけた状態から写真のように起こす。
こちらのエクササイズは、フォーム・ローラーを使わずに行っている方が多いのでは?フォーム・ローラーを使うと腰への負担が軽いように感じました。また、大腿後面にあるハムストリングスのけいれんを回避してくれるようです。
例5:ただ立つだけなのに難しい!体幹を整えるスタンディング・スライド
(1)ローラーの上に脚を揃えて立つ。
(2)片方の脚を肩幅程度に開き、開いた方にもう片方の脚を移動させてくっつける。
例6:スタミナ+脚力アップ+バランス感もUPのスクワット!
(1)脚を肩幅に開いた状態からスクワット。
(2)ローラーの上から落ちないようにバランスを意識して。
(3)ゆっくりで、かつ小さな屈伸からでOK。
フォーム・ローラーを使った率直な感想:気持ちいいし、続けられそう!
慣れてくれば回数や長さを増やすだけでなく、半円のローラーを裏返して使用したり、円柱のローラーを使えば難易度が増します。「スポーツジムへ行くのは億劫、外でジョギングやウォーキングするのは日焼けが嫌、辛いだけじゃ無理」と思っている方もきっといらっしゃるのでは?そんな方にフォーム・ローラーをおすすめしたい最大の理由は、「エクササイズしているのに気持ちいい」こと。ただフォーム・ローラーに体を委ねるだけでも、肩が広がってリラックスできたことが、個人的に挑戦して最も良かったと思えた点です。これまでヨガマットに寝そべるだけでは、腰が痛くて下にタオルを置くこともあったのですが、フォーム・ローラーを置くことで、腰への負担が軽減。前述した一連のエクササイズの最中も、自分のバランス感の悪さにジレンマを感じつつも、それ以上に体が伸びる感覚が気持ち良くて、毎日最低5分、自分のペースで続けられています。「鎖骨が綺麗だね」と褒められるその日まで、あとどの位かかるかは分かりませんが、首や肩の滞った血流の活性化に役立っているような気がします。鎖骨が綺麗に見える救世主になってくれるのでは……?露出の増えるシーズンへ向けて、鎖骨美人目指してみませんか?
参考文献
Dr. Karl Knopf : Foam Roller Workout
参考ページ
Shape Magazine: 10 Ways Use Form Roller
http://www.shape.com/fitness/workouts/10-ways-use-foam-roller