オイルで若返る!料理研究家おすすめのオイルと活用方法!
オイル(油)が体に悪いと叫ばれていたのは一昔前のこと。どんどん変化していく食への考え方に戸惑いがあるのは、私だけではないはずです。料理研究家の私、藤沢セリカは国内で広く名前の知られた著名なドクターたちとご一緒に仕事をさせていただく機会が多いのですが、彼らにお会いするたびに、食に関わるエビデンスが更新されていて、驚かされます。体に「良い食べ物」「悪い食べ物」が目まぐるしく変化しているのです。
今回は、「オイル(油)」を取り上げてみます。すでにビーグレンイッシュでも『MCTオイル』『調理オイルの上手な使い方・食べ方ナビ』記事として掲載されていますが、ここでは、簡単に作れるオイルを使用したレシピとともに私のおすすめのオイルについてもお知らせします。以前は「ダイエットや健康維持にオイルは控えよう」と考えられていましたが、最近では上質のオイルは「体に良いから積極的に摂取するべき」とされています。本当のところ、どうなのでしょう?知っているようで知らないオイルについて改めて勉強していきましょう。
オイルの分類とは?
オイルには分類がありますが、全てのオイルは「脂肪酸」と「グリセリン」が結合して出来ています。脂肪酸には「α-リノレン酸」「リノール酸」「オレイン酸」という種類があり、この脂肪酸が重要なのです。脂肪酸は常温では固まらない「不飽和脂肪酸」と常温で固まる「飽和脂肪酸」に分かれます。「不飽和脂肪酸」は分子の結合状態により「オメガ3系」「オメガ6系」「オメガ9系」に分けられます。
【不飽和脂肪酸の分類】
■オメガ3系:α-リノレン酸、EPA、DHAなど
■オメガ6系:リノール酸など
■オメガ9系:オレイン酸など
肌や髪がキレイになるオイルとは?
オイルとは脂質で、三大栄養素の一つです。人間の細胞の膜に作用するので、オイルの選び方で体や肌への影響は変わってきます。良質なオイルは自律神経やホルモンのバランスを整え、代謝を促進する働きもあります。では、実際に美容に良いとされるオイルとは何でしょう?
ずばり、「オメガ3系」のオイルです。これは一般的に販売されているものとして挙げると、「アマニオイル」「エゴマオイル」、そして魚のオイル(EPA、DHA)です。さらにこれらのどこにも属さない「中鎖脂肪酸」である「ココナッツオイル」も私のおすすめです。
まずは、オメガ3系ですが、これは体内で生成することができない必須脂肪酸です。肌ツヤを良くし、生活習慣病の予防や、うつ症状、アレルギー症状の改善など、さまざまな効果が期待できます。特に魚離れしている食生活ではEPA、DHAが不足しがちです。ここ近年安定した人気を誇る「サバ缶」などでも摂取できるので、積極的に食べるといいでしょう。
ネバネバが美肌へ導くレシピ「サバの5色納豆」
サバの5色納豆<材料 2人分>
- サバ水煮缶・・・1缶(水気を切る)
- 納豆・・・50g(良く混ぜる)
- オクラ・・・6本(さっと茹で、3mm幅の薄切り)
- 山イモ・・・80g(皮をむき1cmの角切り)
- しば漬け・・・30g(粗みじん切り)
- 醤油・・・少々
<作り方>
サバ水煮は大きめにほぐす。
器に全て盛りつけ、醤油をかけて出来上がり。
私の一押しオイルは、断然「ココナッツオイル」!
数年前の一大ブーム以前からもココナッツオイルを愛用してきた私は、自他ともに認める私はココナッツオイルのヘビーユーザーです。もう20年以上使い続けています。ココナッツ独特の香りは個人的に大好きなのですが、その香りゆえに食べることに戸惑いを持つ人も多いようです。しかし、それはもったいない!
ココナッツオイルには非常に多くの効能や効果があり、料理や飲み物はもちろん、スキンケアやヘアケアなど口にする以外にも幅広い用途があります。ココナッツオイルの持つ、中鎖脂肪酸は体内に吸収された後、肝臓でケトン体に変換されて脳や体にエネルギーとして利用されます。このケトン体が脂肪を分解し、ダイエット効果があるのです。また、人の肌にも近い成分なので、ボディケアやヘアケアに利用することで乾燥を防いでうるおいを保ちます。ココナッツについては語りきれないほど素晴らしい成分とその効果・効能があるので、詳しくは次回にお伝えするとしましょう。
罪悪感なし!キレイになれるスイーツ「ココナッツオイルのチョコレート」
ココナッツオイルのチョコレート<材料 約200g分>
- エキストラバージンココナッツオイル・・・100ml
- ココナッツシュガー・・・大さじ3~4(初めての人は多めの方が食べやすい)
- ココアパウダー・・・大さじ2
- 塩・・・少々
<作り方>
鍋に水を入れて中火にかける。温まってきたら弱火にする。
ボウルにココナッツオイルとココナッツシュガーを入れて①に浮かべ、湯煎で溶かす。
オイルが溶けたら鍋から出し、ココアパウダーと塩を入れてよく混ぜ合わせる。
チョコレート型、またはタッパーなどに流し入れ、冷蔵庫で冷やし固める。
固まったら型から外し、大きい場合は食べやすい大きさに切って出来上がり。
定番のオリーブオイルは安定の優秀さ!
最近では、オリーブオイルを飲むなどの健康法もありますが、古代ギリシアの医学ヒポクラテスも「偉大なる医薬」と称した記録があります。オリーブオイルは、オレイン酸やトコフェロール、各種ポリフェノール類、体に必要な微量成分を豊富に含み、心臓病や糖尿病、動脈硬化、癌などの発生予防に効果があります。さらに肌や髪など美容にも効果的であることが実証されてきています。オリーブオイルとは、オリーブの実から抽出されたオイルで、酸化しにくいオレイン酸を多く含んでいます。また、常温では固まりにくいので、調理にも使用しやすく、世界中で愛されています。
オリーブオイルの主な生産国は、スペイン、イタリア、ギリシャで、食用のほかに化粧品や薬品、石鹸などの原料にもなっています。オリーブオイルは、βカロテンが豊富で体内で抗酸化作用を強く発揮することで、前述した成人病への予防効果や認知症の発症を防ぐという研究結果も知られています。酸化を防ぐということは、老化防止に役立ちます。また、肌や髪、爪、粘膜などをすこやかにし、免疫機能が正常に働くように作用します。視力維持にも効果が認められています。今では、どこでも手軽に入手できるオリーブオイル、炒めたり、かけたりするのは当然のこと、揚げ物にも活用するのが得策です。毎日に食卓で積極的に摂取しましょう
オリーブオイルの恵みがたっぷりのレシピ「アンチョビキャベツのカツレツ」
アンチョビキャベツのカツレツ<材料2人分>
- 豚ロース・・・2枚
- 塩・コショウ・・・少々
- 小麦粉・・・大さじ4
- 水・・・大さじ5
- パン粉・・・適量
- オリーブオイル(揚げ油用)・・・適量
- アンチョビ・・・2枚(ペーストなら小さじ1)
- キャベツ・・・6枚
- 塩・コショウ・・・少々
- バルサミコ酢・・・小さじ1
- オリーブオイル・・・大さじ1
<作り方>
豚ロースに塩・コショウし、分量の水で溶いた小麦粉にくぐらせ、パン粉をつける。
キャベツは一口大の大きさに切り、沸騰したお湯に入れて5秒、ザルに上げて置く。
アンチョビはみじん切りにし、ボウルに入れ、そこへオリーブオイル、バルサミコ酢を加え、黒コショウも加える。
ロースは180℃のオリーブオイルで揚げて、食べやすい大きさに切って皿に盛る。
③にキャベツを入れてサッと和え、カツの上にのせて完成。
サクッと香ばしいレシピ「オリーブオイルのオニオンリング」
オリーブオイルのオニオンリング<材料2人分>
- タマネギ・・・2個
- 小麦粉・・・150g
- 片栗粉・・・大さじ1
- 水・・・1カップ
- パン粉・・・2カップ
- パセリ(みじん切り)・・・小さじ1
- 塩・・・小さじ1
- コショウ・・・少々
- 揚げ用オリーブオイル・・・適量
<作り方>
タマネギを輪切りにする。
小麦粉、片栗粉を合わせて水で溶く。
パン粉にパセリ、塩とコショウを入れて混ぜ合わせる。
オリーブオイルを中火にかけ、180℃程度にする。
①を②にくぐらせて③をしっかりつけ、④に入れてカラッと揚げる。
ケチャップとマスタードを添えれば出来上がり。
もう一品に最適な簡単レシピ!「ジャガイモのしゃきしゃき炒め」
ジャガイモのしゃきしゃき炒め<材料2人分>
- オリーブオイル・・・大さじ2
- ニンニク(スライス)・・・2片
- ジャガイモ・・・2個
- パセリ(みじん切り)・・・少々
- 塩・コショウ・・・少々
<作り方>
ジャガイモは皮を剥き、まずは2cm幅に切り、薄くスライスする。
ボウルに①を入れ、たっぷりの水を加えて10分ほど置く。その後ザルに上げ、水気を切る。
フライパンにオリーブオイルを入れて中火にかけ、ニンニクと②を加えて炒める。
ジャガイモが透き通ってきたら、塩・コショウで味を調える。
皿に盛り、パセリを振って出来上がり。
気をつけたい、体に悪いオイル
体に悪いオイルはずばり、最近よく耳にする「トランス脂肪酸」や「酸化した油」です。では、「トランス脂肪酸」とは一体どのような油でしょうか? 私たちがよく知っている食べ物では「マーガリン」に当たります。そして、ファットスプレッド、ショートニング、また多くの加工食品に含まれる植物油脂も該当します。
次に「酸化した油」とは何でしょう? 油(オイル)は空気や熱、光に弱いものです。本来なら開封後は使い切ることがベストですが、なかなかそうもいきませんよね。開封後は冷蔵庫で保存して1ヶ月以内に使い切ることです。最近では、少量で真空状態になるものも販売されているので、1ヶ月以内に使い切る自信がない場合は、そのようなものを購入するのも安心です。
話題のオイルを使いこなすには?
オメガ3系のオイルが体には良いので積極的に取り入れたいのですが、保存もしっかりしないといけません。前述したように、なるべく1ヶ月以内で使い切れるようにするために、少量のボトルで購入するようにしましょう。話題の「アマニオイル」や「チアシードオイル」は加熱せずに生が基本なので、毎朝食べる「ヨーグルト」や「サラダ」にかけるといいでしょう。「納豆」や「冷奴」などの和食にも合います。また、和洋中の「スープ」にかけるのも、手軽に使えて、食べやすく、とても美味しいですよ。
基本的にオイルはカロリーも高いので、一日大さじ1杯を目安にします。仕方なく余ってしまったオイルは、アロマオイルやエッセンスなどを加えて、マッサージ用に使用するのも手です。私は残ってしまったオイルにお気に入りのアロマオイルを足して、体や頭皮のマサージ用に使用しています。そちらも、もちろん冷蔵庫で保存するようにしましょう。
「悪いのは糖質、カロリーは気にしなくて大丈夫!」って本当⁇
良いオイルは食べるだけで肌にうるおいをもたらし、髪に艶を与えてくれます。病気予防や健康維持にもかかせませんが、そうとはいえ、オイルは油です。そう、カロリーはとても高いのです。最近では「糖質オフ」志向が高まり、「太る原因はカロリーではなく糖質。だからカロリーは気にしなくていい」と謳っている方も多く見受けられます。日本中で「糖質重視!カロリー無視!」という食スタイルが流行中ですよね。でも、これって私たちが食事制限しないでお腹いっぱい食べるための都合の良い言い訳にも思えませんか?私が多くの専門医たちに伺ったところ、「カロリーはもちろん気にした方がいいですよ」とどなたも口を揃えて仰います。「ひざが痛い」などの症状がある方は特にカロリーにも気を付けて、ダイエットをしたほうがいいとのこと。やはり、オイルの摂取は適量であることが大切なのです。
オイルは適量こそが若々しい美しさに拍車をかける!
いかがでしたか?オイルは良質なものを選んで、適度な量を使用することで、十分効果が期待できます。私がおすすめする使い分けは「オリーブオイル」「ココナッツオイル」は加熱すること、「アマニオイル」「チアシードオイル」などはフレッシュな状態で頂くこと!糖質オフもいいけれど、カロリーにも十分に気を付けること!若々しいうるおいのある肌と輝く髪のためにも、賢く美味しくオイルを食生活に取り入れていきましょう。