美肌のポイントはターンオーバー。肌は生まれ変わるからキレイになれる!
毎日コツコツと小さな積み重ねが大切なスキンケア。そしてトラブル知らずの美肌をキープするには、肌のターンオーバー周期を保つことが重要です。肌のターンオーバーとは、肌の生まれ変わりのサイクルのこと。一般的には約28日間の周期といわれますが、年齢とともに減速してしまいます。順調なターンオーバーを促すケアは、美しく年齢を重ねていく上で大切なお手入れです。まずはターンオーバーとは何か、その基本から効果的なケアについてご紹介します。
目次
ターンオーバーとは?30・40代のターンオーバーは28日周期ではない?
順調なターンオーバーと不調なターンオーバー
ターンオーバーの乱れが肌に与える4つの影響
ターンオーバーを整える食べ物はコレ!
ターンオーバーとは?30・40代のターンオーバーは28日周期ではない?
ターンオーバーにより肌は生まれ変わり続けます。どのようなメカニズムで生まれ変わっているのかを理解するために、まず、肌の構造から見ていきましょう。肌は「皮下組織」「真皮」「表皮」の3層から構成されていますが(下のイラスト)、ターンオーバーが行われるのは一番上層にある表皮です。この厚さはなんと約0.2mm。
表皮の細胞は基底層で生まれます。そして新しい細胞が古い細胞を少しずつ押し上げ、最後はアカとなって自然に剥がれ落ちます。この表皮の一連の生まれ変わりを「ターンオーバー」と呼び、およそ28日周期といわれています。しかし、28日周期というのは、20代のすこやかな肌に当てはまること。若くても乱れることもあり、さらに年齢とともに遅くなりがちです。30~40代では、40日以上かかるのが現実です。
順調なターンオーバーと不調なターンオーバー
20代は28日周期で、30~40代は40日超と知ると「ターンオーバーのサイクルは早いほどいい」と思うかもしれませんが、実はそうではありません。ターンオーバーは早過ぎてもダメ。まだ成熟していない細胞が肌の表面に押し上げられてしまうからです。未熟な細胞同士がどんなに集まっても、強固なバリア機能をつくることはできません。未熟な細胞を成熟させながら、適切な周期でターンオーバーが行われる肌こそが、すこやかな肌であり、肌トラブルとは無縁の肌というわけです。
ターンオーバーが順調に行われている場合は、真皮の毛細血管からの酸素や栄養も充分で、水分やNMF(水分を保つ働きのある成分)、外気から肌を守るバリア機能を担う細胞間脂質を産生する表皮の細胞がスムーズにつくり出されます。ところが、未熟な角質によってバリア機能が低下すると、強い紫外線や乾燥、摩擦などのトラブルにも見舞われやすくなります。また、バリア機能が低下することで、肌を保護・修復しようとする機能が作動。急いで表皮細胞をつくり出そうとするため、ますますターンオーバーが乱れるという悪循環が起こります。
ターンオーバーの乱れが肌に与える4つの影響
「生理の周期は意識しても、肌の周期までは意識していない」、当てはまる方が多いことでしょう。でも、ターンオーバーの乱れが原因でなかなか肌悩みが改善しないということはよくあります。この項目では①しわ、②ニキビ、③毛穴、④シミ・くすみとよく聞かれる4つの肌悩みにターンオーバーがどのように関係しているのか説明していきましょう。
①しわ
ターンオーバーの乱れは、肌のバリア機能を弱めます。機能が弱まれば、肌内部の水分は蒸発しやすくなります。乾燥が続くと小じわがつくられ、慢性的な乾燥は肌の弾力を失い、しわの原因となります。
②ニキビ
本来は剥がれ落ちるはずの角質が居座り肌が硬くなってしまいます。ターンオーバーの乱れはそんな状況も引き起こし、毛穴を塞ぎ、皮脂を詰まらせます。皮脂はアクネ菌の栄養源。菌の繁殖はニキビの原因につながります。
③毛穴
剥がれ落ちるはずの角質が剥がれずに、毛穴に詰まった角質は皮脂と混ざり合い角栓をつくり出します。また、バリア機能の低下によって肌の水分が不足すると、毛穴の収縮が悪化。一見、関係がないような毛穴の開きにもターンオーバーの乱れは大いに関与しています。
④シミ・くすみ
ターンオーバーが正常であれば、メラニン色素も徐々に肌の表面へと押し上げられ、古くなった角層と一緒に剥がれ落ちていきます。ところがターンオーバーが乱れると、メラニンは停滞。スムーズに排出されずに、シミやくすみの原因となります。
ターンオーバーを整える食べ物はコレ!
ターンオーバーを整えるには、食事からの栄養素が必要
肌は「皮下組織」「真皮」「表皮」の3層から成り、表皮の細胞は基底層で生まれるという話を最初にしましたが、ターンオーバーを活発にするためには、新しい細胞をつくり出す“栄養素”によるチームプレーが必要です。この項目では、肌にもたらす栄養素の働きを紹介しますが、新しい細胞をつくるにはこれらの栄養素の適切な量も必要になります。無理なダイエットもターンオーバーのサイクルを乱す原因になることも心に留めておきましょう。
積極的に取りたい「タンパク質」
タンパク質は体内のあらゆる細胞をつくり、コラーゲンの素にもなる大切な栄養素です。タンパク質が豊富なのは、肉類、魚介類、卵類、大豆製品、乳製品。成人女性が一日に必要なタンパク質は50gほど。朝食に卵を一つ、昼と夜で肉100~150g、魚を一尾程度食べれば必要な量はだいたい摂取できます。サバやイワシなどの青魚には細胞膜をつくる必須脂肪酸も豊富に含まれています。
タンパク質を効率よく摂取するには「ビタミンB6」
ビタミンB6はタンパク質の分解や合成を促進させて、皮膚や粘膜をつくる働きを助けます。多くの野菜や果物に含まれていますが、含有量が高く、肉や魚の調理に使いやすいのが唐辛子とニンニクです。調理する時間が取れない時は、サバやサンマの缶詰、ゆで卵、惣菜などを活用して、“タンパク質を取ること”を意識しましょう。
細胞の増殖や分化をスムーズにする「ビタミンA」
ニンジン、ホウレン草、カボチャなどの緑黄色野菜、サバ・イワシなどの青魚、ウナギ、アナゴ、乳製品がビタミンAを多く含む食材です。ビタミンAには皮膚や粘膜を正常な状態に保つ働きもあり、油分と一緒に摂取すると吸収率がUP! 油で炒めたり、オイルドレッシングをかけたり、ナッツ類と一緒に食べる工夫をしましょう。
細胞の再生を助け、皮膚の粘膜を守る「ビタミンB2」
「発育のビタミン」ともいわれるビタミンB2はレバー、ウナギ、納豆、卵などの動物性食品に多く含まれているほか、納豆やアーモンド、乳製品にも豊富です。水溶性のビタミンなので、余剰分は尿として排出されます。
コラーゲンの生成を促す「ビタミンC」
体内でビタミンCをつくり出すことができませんが、皮膚や腱、軟骨などの結合組織を構成する、コラーゲンの合成に不可欠なビタミンです。柑橘類、イチゴ、菜の花、赤ピーマン、カボチャ、カリフラワーなどに多く含まれています。
肌の血行を促進し、新陳代謝を促す「ビタミンE」
アーモンドなどのナッツ類、アボカドやイワシ、イクラなどの魚介類に豊富に含まれます。
細胞の分裂と再生に不可欠な「亜鉛」
日常的に足りなくなることはほとんどない栄養素ですが、牡蠣、カニ、煮干し、牛肉、豚レバー、チーズなどから摂取が可能です。亜鉛は免疫力の向上にも必要な栄養素ですが、過剰摂取は禁物です。
腸内環境を整える「食物繊維」
栄養素を吸収するのは腸。腸内環境が荒れていたり、腸の粘膜が弱っていたりすると栄養素の吸収がよく行われません。食物繊維の豊富な身近な食材としては、ゴボウ、ジャガイモ、オクラ、しいたけ、まいたけ、グリーンピース、インゲン豆など。ラッキョウも植物繊維が豊富です。
コツコツとできることからターンオーバを整える生活を!
多くの肌悩みがターンオーバーに深く関係していることが分かります。肌のお手入れは日々コツコツと、また食生活はできることから始めていくようにしましょう。また、普段の生活においても、睡眠不足やストレス対策にも気を配りたいですね。しかし、すぐに変化が見られなくても、続けることが何よりも大切、そして決して焦らないこと。これこそがターンオーバーの全ての過程をスムーズに整えていく秘訣なのです。