乾燥肌の正しいスキンケア方法で、この冬は「しっとり肌」を実現!

冬は、日本の外気がもっとも乾燥する季節。私たちが思っている以上に、素肌は乾き切っています。そっと頬に触れてみてください。鏡に映る小じわだけでなく、ざらつきやごわつきも「乾燥」のサインです。湿度がぐっと下がる冬をしっとり肌で乗り切るためにも、「乾燥肌」について理解を深めておきませんか。スキンケア製品の選び方やお手入れ方法も併せてご紹介します。

 

乾燥した角層は、なんと「水分量10%!」の真実

乾燥肌の正しいスキンケア方法で、この冬は「しっとり肌」を実現!

私たちは肌に対して「乾燥」という言葉をよく使いますが、「乾燥肌」とは角層内の水分がかなり蒸発してしまっている状態のこと。数値で表すと、水分量が10%以下ということになります。10%では肌のハリ、なめらかさ、柔らかさを維持することはできません。ちなみに、うるおっている時でさえ角層の水分量は20~30%しかありません。真皮や生体内の水分量は60~70%なので、もともと角層は水分を保つことが難しいことがわかりますよね。しかも角層は外部環境の影響を大きく受けます。夏は湿度に助けられますが、外気が乾燥する冬は逆。瞬く間に角層から水分を奪っていきます。加えて冷えや運動不足による血行不良も乾燥を助長。ホルモンバランスの乱れや間違ったスキンケアなども乾燥に大いに関与しています。

うるおいを保つには皮脂・NMF・セラミドが必要

乾燥肌の正しいスキンケア方法で、この冬は「しっとり肌」を実現!

次に肌の「水分」の中身ですが、うるおいは肌の表面と角層に存在する3つの保湿因子「皮脂」と「NMF(天然保湿因子)」と「細胞間脂質(セラミド)」によって保たれています。理想のバランスは皮脂2~3%、NMF17~18%、セラミド約80%といわれていますが、加齢に伴って皮脂分泌量と水分保持機能は低下。保湿しても保湿しても、うるおいが保てない肌は、NMFやセラミドが減少していることが大いに考えられます。

皮脂膜

皮膚の表面を覆って角層の水分蒸発を防ぎます。

NMF(天然保湿因子)

アミノ酸や乳酸などから成る、水となじみやすい性質を持った天然の保湿因子。角層内の水分を保っていますが、日焼けや睡眠不足、ストレスもNMFを不足させる要因になります。

セラミド

細胞間脂質の主成分です。角層の細胞と細胞の間を埋めて、細胞同士を密着させるセメントのような役割を担っています。セラミドが足りないと水分が逃げやすくなり、バリア機能も低下してしまいます。

肌の乾燥はさまざまな肌トラブルの引き金になる

「保湿はスキンケアの基本」と唱えられています。その理由は、角層のうるおいが保たれていることは美肌の絶対条件だからです。ニキビや毛穴のトラブルも根本に「乾燥」が関わっています。

ニキビと乾燥

ニキビ=脂性肌という印象がありますが、乾燥はニキビの原因になり得ます。乾燥した肌から水分が逃げないよう、皮脂を分泌し毛穴が詰まりやすくなるからです。 水分保持を意識すれば、自ずと余分な皮脂は抑えられ、肌のバリア機能も強化されます。

毛穴と乾燥

乾燥と毛穴にも密接な関係があります。水分を失い、弾力を失った肌は、皮溝が浅くなり、毛穴を目立たせてしまいます。毛穴の数は生まれた時からほとんど変わりません。赤ちゃんや子どもの肌も毛穴がないのではなく、ハリやうるおいが十分なので見えないだけなのです。

しわ・たるみと乾燥

一時的な乾燥による小じわは、うるおいを与えることで、比較的簡単に回復しますが、慢性的な乾燥はそうはいきません。肌は弾力を失い、一度出来た線は元に戻りにくくなり、しわとなって残ります。

シミ・くすみと乾燥

肌の透明感や明るさ、肌に含まれる水分量によって変わってきます。乾燥した肌は、くすんで暗く見えます。うるおいに満ちた肌は光を通すため、透き通るように美しく見えます。さらに肌が乾燥すると、その奥深くでは弱い炎症が起こっていることが分かってきました。炎症が続けば「色素沈着」を導きかねません。

肌の水分量を上げるためには…?

乾燥肌のスキンケアは「洗顔」から「保湿」を意識

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冒頭で「間違ったスキンケアも乾燥に関与している」というお伝えをしましたが、最も多い“間違い”が「落とすケア」です。メイク落としや洗顔料は、洗浄力が強過ぎないものを選ぶこと。さっぱりとした洗い心地が好きな方は特に要注意です。洗顔のすすぎに給湯器の温度が示すままの40℃のお湯を使ったり、強いシャワーを直接顔に当てたりするのもNGです。ぬるま湯で優しくすすぎ、うるおいは残し、汚れだけを落とすことを徹底しなければ、大切な皮脂も根こそぎ洗い流されてしまいます。40代の皮脂量は20代の半分ほど。皮脂が足りなければ、皮脂膜をつくることができないのです。

洗顔後は30秒以内ルールで、すぐに保湿を

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洗顔後の肌は皮脂膜のない状態なので、肌が湿っているうちにすぐに保湿を心がけましょう。血管が存在しない表皮では、水分が巡ることで栄養が運ばれ、うるおいのある肌が保たれることも近年分かっています。夜、入浴ついでに洗顔をする人は、バスルームで化粧水をつけてもいいくらいです。目標は、洗顔後30秒以内!そしてなんとなくで済ませずに、量と塗り方、また塗る範囲をきちんと意識することが大切です。「メイクをする時は鏡を見るけれど、スキンケアは鏡を見なくてもできる」という人もいますが、果たして本当にそうでしょうか。鏡を見ないで手を動かしている人は、一度鏡を見ながらやってみると均一に塗れていなかったことに気づくはずです。同時に、効果の実感にも違いが出てくるので、見直してみてくださいね。化粧水、美容液、クリームと一つ一つ丁寧なハンドプレスも忘れずに。

【保湿スキンケア、ここに注意!】
塗る量・・・適量を使ってこその効果です。
塗り方・・・鏡を見ながら、額、鼻、両頬、アゴの5箇所に置きます。額は中央からこめかみへ、頬とアゴは内から外、鼻筋は上から下に手を優しく動かして塗り広げます。ムラづけをしていないか確認しながら丁寧に!
塗る範囲・・・顔、耳、首まで全部!額は髪の生え際まで。首からも水分は蒸発します。

 

水分量を上げるスキンケア化粧品の選び方

水分量10%の乾燥肌から、30%のうるおい肌へ。その基本となるのは保湿ケアですが、積極的なケアを考えるなら、こだわりたいのは「保湿成分」です。水分を抱きかかえる働きをする細胞間脂質の主成分でもある「セラミド」は、外から与えるスキンケア成分として直球の成分であることは理解できますよね。またNMFの主成分のアミノ酸を補うことは、NMFを満たすことにつながります。コラーゲンはたくさんのアミノ酸が結びついた成分。ただし、コラーゲンは分子量が大きいので、角層のすみずみに行き渡らせるには技術が必要です。

一方で、肌には自ら水分をつくり出す力があります。加齢とともにつくり出される量は減っていきますが、進化した技術と成分によって「肌本来が持つうるおいを育む力」を高めることが可能なのが現代。例えば、このような成分があります。

ホメオシールド(フカスセラツスエキス)

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水分を保持する働きがある「角質細胞間脂質」の主成分セラミドは、足場がしっかりとしていないと定着せず、本来の機能を果たすことができません。ホメオシールドには、セラミドの足場をしっかりと固定させる働きがあります。角層を整えて肌表面をなめらかにすることで、角質細胞が蓄える水の量を格段にアップさせ、うるおいの持続性を高めます。

アクアタイド(ヘキサカルボキシメチルジペプチド-12)

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外から与えた水分を捕まえて、肌の内部に引き込む働きがあります。また、加齢とともに排出されにくくなる細胞内の掃除をサポートします。肌に不要になったものをアミノ酸に分解して、新たなタンパク質の原料として再利用することにより、細胞は水をもっと蓄えることができるようになります。そのため、肌の保湿力が格段に高まるのです。

体内への水分補給も、大切な乾燥肌ケア

乾燥肌の正しいスキンケア方法で、この冬は「しっとり肌」を実現!

ここまでは、スキンケア製品でのお手入れについて書いてきましたが、加えてお伝えしておきたいのが「体が乾いていると肌も乾く」ということです。「お茶やコーヒーを良く飲んでいる」という人も油断は禁物です。お茶やコーヒーは利尿効果が高いため、すぐに排出されてしまうからです。やはり、ベストは水。ただし冷たい水は胃を冷やしてしまうので、冬は特に「白湯」で温まりながら水分補給することをおすすめします。飲みなれてくると真水の自然な甘さが美味しいと感じるようになりますが、慣れないうちは、ハチミツやレモンを入れてもいいかもしれません。

白湯の正しい取り方

乾燥肌の正しいスキンケア方法で、この冬は「しっとり肌」を実現!

【白湯の作り方】

①やかんか鍋に多めに水を入れ、蓋をして火にかけます。水はミネラルウォーターでも水道水でもどちらでもOK。
②沸騰したら蓋を取って、そのまま10~15分沸かし続ける。
③保温ポットや保温ボトルに入れる。

【白湯の飲み方】

①適正温度は50℃前後。
②飲むタイミングは朝一番と食間や食中の好きなタイミングで。
③食後30分は胃に水分が多く入り過ぎて消化を遅らせてしまうのでNG。
④少しずつ時間をかけて飲む。
⑤一日の目安は700~800ml。飲み過ぎは、むくみの原因になるので注意。

白湯の効果を高める丹田呼吸

乾燥肌の正しいスキンケア方法で、この冬は「しっとり肌」を実現!

体内に水分を取り入れたら、その水が体内をしっかり巡るよう取り入れたいのが、複式呼吸の中でも効果が高い丹田呼吸です。丹田はおへそから下指3~4本分【人差し指、中指、薬指、小指】下がったところにあります。

【丹田呼吸のやり方】

①真っすぐ立つ。(背筋を伸ばしてあぐらをかいた姿勢もOK)
②頭のてっぺんからお尻まで真っすぐなラインを意識する。
③肩などの余分な力を抜く。
④丹田を意識する。(手を当ててもOK)
⑤お腹に抱えた風船が膨らんでいくイメージで息を吸う。(背中の方も膨らむようにできたらなお可)
⑥「これ以上もう膨らまない!息が吸えない!」というところまで吸い切ったら、少しずつ鼻からゆっくり息を吐く。

乾燥は全ての肌トラブルを招く

同じ肌悩みでも、ニキビやシミのように「なんとかしたい!」という気持ちが湧きづらい乾燥肌。でも乾燥は“肌のしおれ”です。今は大丈夫と思えても、確実に老化のスピードを早めます。全ての肌トラブルを招いているのは、乾燥なのです。とにかく「乾いている状態」をスタンダードにしないことが大切です。白湯が面倒なら、常温の水を飲むようにしましょう。また丹田呼吸が難しければ、深呼吸をするように。続けられそうなところからスタートして、確実に継続するように意識していきたいですね。

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