肌がカサカサ!この乾燥の原因は?「相対湿度」と「絶対湿度」

温暖化を感じながらも、寒い日々が続き、空気が乾燥しやすい季節です。湿度が下がると美容面でも、肌がカサカサになる、髪がパサつくなどのトラブルが発生します。一般的に、肌には湿度60%くらいが適切といわれていますが、夏の60%と冬の60%は同じではないのです!水蒸気量が異なることをご存知ですか?今回は乾燥の要因の一つ「相対湿度」と「絶対湿度」の違いについてご紹介します。

 

「%」で示される湿度の正式名称は「相対湿度」

あまり知られていないことですが、実は湿度の表示方法には2種類あります。一つは「相対湿度」。一般的に湿度として認識されているのはこちらで、私たちの日常に馴染んでいる「%」で表される湿度のことです。

もう一つの湿度、それは「絶対湿度」と呼ばれるもの。こちらは1㎥の空気中に含まれる水蒸気の量です。これは「g」で表します。 少しややこしいかもしれませんが、うるおいのある美肌への「基礎知識」としてしっかり理解しておきましょう。

【飽和水蒸気量と湿度の関係】

肌がカサカサ!この乾燥の原因は?「相対湿度」と「絶対湿度」

グラフは、空気の中にどれくらい水蒸気を含むことができるか(飽和水蒸気量)を「g」で表したものです。たとえば、気温が30℃のときは30.4g/㎥、15℃の時は12.8g/㎥がマックス。つまり、湿度100%の状態です。湿度50%というのはそれぞれ半分。30℃なら15.2g、15℃なら6.4gの水分を含んでいることになります。

「同じ湿度50%なのに、水蒸気の量が8.8gも違うのはどうして?」と思われたかもしれませんが、湿度が高いほど飽和水蒸気量が増えるからです。実際に、夏の湿度50%より冬の湿度50%の方が乾燥していると感じませんか?真夏の湿度70%はジメジメなのに、冬の70%は案外ちょうど良かったりするのも、含まれている水蒸気の量がまったく異なるからです。

「肌のうるおいを保つには湿度60%くらいが理想的」といわれていますが、相対湿度の「%」だけを基準にするのは乱暴過ぎます。夏の60%は、しっとりキープができても、冬の60%はカサカサの可能性もあるからです。真冬の気温5℃で、相対湿度が20%なんていう日は、もうほとんど水分を含んでいない状態といっても過言ではありません。

【相対湿度とは?】

肌がカサカサ!この乾燥の原因は?「相対湿度」と「絶対湿度」

肌のために「絶対湿度」にも着目を!

もう一つの湿度である「絶対湿度」は、縦、横、高さ1mの空間に含まれる水蒸気自体の量をg/㎥で表します。気温によって変わる相対湿度よりも、実際の水分量が分かるのが絶対湿度です。温度(気温、室温)が上がると相対湿度(%)は下がり、温度(気温、室温)が下がると相対湿度(%)は上がります。

「絶対湿度」は、実際に空気中に含まれる水分量(g/㎥)を示しているので、体感する湿度感と近いのが特徴です。肌にも適切で、快適な室内環境を保つ上でも絶対湿度は大いに役立ちます。

【絶対湿度とは?】

絶対湿度を知るには?

気象予報士たちが天気予報で使うのも相対湿度になります。温度計と一緒になっているのもほとんどが「%」で表示される相対湿度計です。絶対湿度計はマイナーな存在ですが、ないわけではありません。都度、計算式を用いるのは非現実的ですので、絶対湿度の表示機能付きの「温湿度計」をご紹介しましょう。ともにさまざまな「はかる」を事業領域とする計測器メーカーの製品です。

実際、絶対湿度がわかる温湿度計を使うようになると、相対湿度(%)は一日の中でも気温の変動に合わせて大きく変動しているのがよくわかります。たとえば、2月の日中は30%台まで下がり、夜は70%以上になることも。相対湿度だけを見ると30%はカラカラ、70%はジメっとしたイメージですが、絶対湿度(g/㎥)は一日、ほぼ変わらず。空気中の水分量は日中も夜間もあまり変わっていないことがわかります。

(株)佐藤計量器製作所
デジタル温湿度計 快適ナビプラス PC-5500TRH
絶対湿度の値に応じて「安全」「注意」などのお知らせがあり、あと何%加湿すると快適環境になるかもわかります。

(株)エー・アンド・デイ
環境温湿度計 熱中症指数計 AD-5686
絶対湿度が11g/m3以下は「注意」、7g/m3以下は「警戒」となり、アラームの設定もできます。

絶対湿度を算出してくれる、無料のアプリも!

肌がカサカサ!この乾燥の原因は?「相対湿度」と「絶対湿度」

こちらは「快適を計算」という温湿度計アプリです。「室温」と「相対湿度%」を入力すると、「絶対湿度g/㎥」を自動で算出してくれます。不快指数や結露が始まる温度もわかります。絶対湿度計は一年中役立つアイテムですので、まずは無料アプリから始めてみるのもおすすめです。

ちなみに快適に感じる「絶対湿度(g/㎥)」は、夏でも冬でも「8〜12g/㎥」といわれています。肌は10g以下より11g/㎥以上が理想です。冬場は、何もしないと、その範囲の湿度を保つことは難しく、加湿が必要です。逆に16g/㎥を超えた状態で窓を開けると、湿気を帯びた空気が入り込んで、室温以上に不快感が増してしまいます。窓を開けることより、除湿が必要な数値です。

みずみずしい角質層キープのためにも湿度を意識しよう!

肌がカサカサ!この乾燥の原因は?「相対湿度」と「絶対湿度」

美しくすこやかな肌の指標の一つである「水分量」。角質層の水分量は正常なターンオーバーを繰り返すことによって保たれます。個人差はありますが、一般的にうるおいやつやのある健康的な角質層の水分量は20〜30%。40%以上になるとより理想的な水分量とされます。逆に20%以下になると乾燥が進行。カサカサする、つっぱるなどの自覚症状が現れているときは、10%以下になっていることもあります。

一日中暖房を使っている今の季節、絶対湿度が低い状態で飽和水蒸気量だけが増えるため、乾燥がより進んでしまいます。加湿器を使う、濡れタオルを干すなどして、十分に加湿して、周囲の湿度を上げることも大切なお手入れの一環です。ただし、加湿のし過ぎは禁物です。結露が発生したり、カビやダニが発生しやすくなったりしてしまうからです。

そして、保湿ケアは洗顔や入浴後「すぐ」を徹底しましょう。クリームやオイルで水分を閉じ込めるお手入れは必須です。こまめな水分補給も忘れずに。冬は夏に比べて喉の渇きを感じにくいため、水分補給の頻度が低下しがちです。しかし、人間は呼吸を通じても常に水分を失っています。冷えでトイレに行く回数が増えるようなら、なおさら水分補給を!

冬の洗濯物は乾きにくいのに、肌は乾燥しやすいワケ

肌がカサカサ!この乾燥の原因は?「相対湿度」と「絶対湿度」

絶対湿度についてだいぶ理解が深まったと思いますが、ここで一つ疑問が湧きませんか?冬の洗濯物は乾きにくいのに、なぜ肌は乾燥するのか。矛盾を感じる人もいると思いますが、洗濯物の乾きやすさは、飽和水蒸気量にどれくらい余裕があるかで決まります。

計算式は
「飽和水蒸気量」−「絶対湿度」=洗濯物から飛ばすことのできる水分量

たとえば、
気温30℃、相対湿度50%の夏の洗濯物:
飽和水蒸気量は30.4g/㎥なので、絶対湿度は半分の15.2g/㎥
15.2g/㎥の水分を洗濯物から飛ばすことができるという意味です。

気温10℃、相対湿度50%の冬の洗濯物:
飽和水蒸気量は9.3g/㎥なので、絶対湿度は半分の4.65g/㎥
4.65g/㎥の水分を洗濯物から飛ばすことができるという意味です。

これが冬の洗濯物が乾きにくい理由ですが、肌はどうでしょう。冬の方が乾きやすいですよね。人間の体温は季節を問わずほぼ一定です。水分の蒸発が起こる皮膚の表面温度も31℃〜34℃くらいで一定しています。つまり、肌の表面は夏でも冬でも気温が変わらないような状態にあるということ。そのため、単純に空気中に含んでいる水分量(絶対湿度)が少ない冬の方が乾燥しやすくなってしまうというわけです。

「相対湿度」と「絶対湿度」を理解して乾燥知らず!

いかがでしたか。少し難しかったかもしれませんが、1㎥あたりの水分量を示す「絶対湿度」について知っておいて損はありません。「相対湿度」に興味を持ったら、「絶対湿度早見表」というものもオンライン上にありますので、ぜひ参考に。「肌が乾燥するな」と自覚したときは、すでにかなり乾燥が進んでしまっていると考えて、早め早めに湿度対策をすることが大切です。特に今の季節は、湿度を意識して毎日のスキンケア効果を最大限高めていきましょう。

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