脱・肌悩みシリーズ(15)首のしわ「しわ発生!酷使される薄い肌の首」
美子がスキンケアスペシャリストのグレン先生とともに、皆様からの肌悩みへのご質問に回答するシリーズ『脱・肌悩み』。「手と首は年齢を隠せないといわれているのは正論?」というご質問をいただきました。第15回は自分では見えにくいけれど、意外と見られている「首のしわ」がテーマです。質問への回答のなかに、美しい首元を育むヒントが隠されています!
思っている以上に首の皮膚は薄い
友人が「顔はメイクでごまかせるけど、手や首を見ればだいたい年齢が分かる!」と意中の男性から言われたらしく、シュンとしていました。「“手と首は年齢を隠せない”は正論?」とのご質問もいただいています。これは、本当なのでしょうか?
「メイクでごまかせない」とは、ちょっと意地悪ですね。残念ながら、手と首が年齢を表しやすいのは「正論」でもあるのです。では、なぜ首に年齢が出やすいのか、そこからお話していきましょう。最な原因は、皮膚の薄さにあります。首の皮膚は顔の皮膚の1/2~2/3程度、まぶたの厚さ程度ともいわれています。
首の肌は、まぶたの薄さですか?でも首って、アイゾーンほど乾燥じわが目立たない気もします。むしろ、みずみずしいイメージさえあるような…。
それは、汗腺の数が比較的に多いからです。首は汗をかきやすいでしょう?
確かに!ということは、首の肌がうるおっているのではなくて、汗によって乾燥小じわが目立たないということでしょうか?しかも、顔のケアに比べると首のケアは後回しにしがちですよね?私も恥ずかしながら、顔のスキンケアの後に手のひらに残っているクリームを首になじませる程度のネックケアしかしていません。
首は重い頭を支えている
あらあら、美子さん、それはいけません…。さらに追い打ちをかけるようですが、首に年齢が出やすいのには、まだまだ理由があります。
人の頭の重量はどれくらいだと思いますか? 2~3kg位だと思うでしょう?
なんと、体重の1割くらいといわれています。実は、3kgとは小学生の頭の重さなのです。
まさか自分の首に5kgの負荷がかかっているなんて!
だからこそ、人間の脳は優れているのも事実なのですが、このように重たい頭を支えながら、前後左右に酷使させられているのが首というわけです。
加齢により弾力を失う首の肌
ただでさえ、しわがつきやすいということですね。そこにさらに、加齢によりコラーゲンやエラスチン繊維などが減って弾力を失うことを思うと、首ってなんだか可哀想なパーツに思えてきます。
えぇ、また皮下脂肪や筋肉の問題も重くのしかかってきます。もともと首の皮下脂肪はさほど多くないのですが、それでも、年齢を重ねるごとに、やはり全体的に薄くなります。また、筋肉も減少する傾向にあり、硬く縮んでいきます。そこにさらに、顔の下垂による重みが首にのしかかったらどうなるでしょう?
首がうなだれるのは当然!そして、しわが出来てしまうのも当たり前。首のしわが顔よりもくっきり刻まれる理由は、ここにあったのですね。
はい、でも年齢だけが原因ではありません。スマートフォンのやり過ぎなどであごを常に引いていたり、枕が高過ぎたり、前かがみや猫背などの姿勢も首のしわの大きな原因になります。これらは首のしわをつくる行動といってもいいくらいなのですから。
枕や姿勢を見直すことも、大切なネックケアになるのですね。そして歩きスマホなんて言語道断。「上を向いて歩こう」と意識しなくては!
前向きな美子さん、アシスタントになってもらった甲斐があります。加えてお手入れを味方につけましょう。何もしなければ年齢が表れやすい首ですが、丁寧にケアすれば「差」が表れるのも首なのです。フェイスケアを行う時に同じようにネックケアも徹底しましょう。
休みなく動いている首こそお手入れを!
「首の皮膚の薄さはまぶたと同じ」ということなので、これからは、首をまぶたと思ってアイケアのようにお手入れします。
それくらいの意識でちょうどいいのです。そのまぶたのような首のケアでまず意識したいのは「洗い方」です。ゴシゴシ洗いはご法度。やさしくなでるように洗ってください。次の化粧水、美容液やクリームなども、顔の一部としてフェイスケアと同じようにお手入れするようにすれば、習慣にしやすいでしょう。
はい。たまのネックケアではなく、毎日のネックケアが大切!
その通り!ただし、ただなんとなくスキンケア化粧品を塗るのではなく、マッサージをプラスしましょう。 耳下腺から首の側面に沿って鎖骨まで指全体を使って上から下に向かってさするようにします。老廃物を流すようなつもりで、やさしく指をすべらせると、リンパの流れも良くなって、すっきりしたネックラインを保つことができますよ。
首のマッサージ
ついつい力を入れてしまいそうですけれど、「まぶたと同じ」と思いながらやさしくさするようにないといけないですね。リンパに流すようにすれば、むくみも取れそう!
むくみも首にとっては負荷になりますからね。 あとは首の筋肉のストレッチを習慣に。 筋肉をほぐすことは、筋肉の縮みによるしわの予防になります。代謝も上がりやすくなりますよ。さっそくやってみましょう。上を見上げて、首がしっかり伸びていることを意識してあごを突き出してみてください。
首の筋肉のストレッチ
これだけでもかなり首の筋肉が伸びていることがわかりますよね?そのままの姿勢で口を大きく開けたり閉じたりしてみてください。口を閉じるたびに首がストレッチできますよ。
これは仕事の合間に座ったままできます。習慣にしなくちゃ!
紫外線対策は360度方向で
そして、最後にもう一つ大切なことがあります。首は顔と比較すると紫外線が当たりにくい部位ですが、紫外線対策をおろそかにしていいわけではありません。特にショートカットのヘアスタイルまたはおだんごやポニーテールなど髪を束ねているヘアスタイルは要注意です。首の後ろにも紫外線は注がれていますからね!
首の紫外線対策を怠ると顔と「皮膚の差」が出てきてしまいますよ。紫外線B波による日焼けはもちろん、紫外線A波は真皮にまで届いてコラーゲンを破壊してしまいます。しっかりと360度方向で日焼け止めのクリームやローションを塗るようにしたいですね。
重たい頭を支えてもらうためにも、大切なコラーゲンを減らしたくはありませんものね。
お手入れで可能になることをみすみす行わないなんて、本当にもったいないことです。「首はまぶたの肌と同じ」であることを思い出して顔と同じように大切にケアしてあげてください。そのお手入れの通りに応えてくれるのも首なのですから。
次回は、最終回「美肌の基本は美しい生活習慣から」をお届けします。
食事、睡眠、運動など日々の生活の中で美肌へと導く鍵はたくさんあるのです。
またご一緒に肌悩みに取り組んでいきましょう。
美子と一緒に解決したい肌悩み、ご意見、ご質問、応援は下記のコメント欄からどうぞ!